価値を生み出すことに関するブログのあり方が、とりわけ好き。
公開日:
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ブログ, 単純作業に心を込める
目次
1.ブログをするのが好きなのは、なぜか?
最近しみじみと思うのですが、私は、ブログをするのが、好きです。
ブログ記事として書くために考えることが好きです。考えたことをブログ記事のために書くのが好きです。書き上げた文章をブログに公開するのが好きです。公開した記事を起点に、Twitterなどで誰かとやりとりすることも好きです。
ようするに、自分で何かを考え、自分の考えに文章という形を与え、書き上げた「作品」を公開するというプロセス全体を楽しんでいるのですが、特に好きなのは、ブログによって価値を生み出せることがある、ということです。
「価値を生み出す」とは、そんなに大げさなことではなく、「自分以外の誰かの役に立つ」という程度をイメージしています。たとえば、どこかの誰かが抱えていた困りごとが少し解消したり、どこかの誰かの生活にちょっとした彩りが増えたり、どこかの誰かに物事を見るための新しい視点を提供したり、そんなことです。ブログをしていると、たまにではありますが、こんな意味で価値を生み出せる(気がする)ことがあって、そんなとき、私はしみじみとブログをすることのうれしさを感じ、「私は、ブログをするのが好きだ」と強烈に感じます。
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ただ、これだけでは、自分が感じているブログに対する「好き」のうち、ほんの一部だけしか説明できていない気がします。ここまでの話は「価値を生み出せるからブログが好き」という一言に要約できるのですが、「価値を生み出す」はあからさまにポジティブなので、「価値を生み出せるから」だけでは、「面白いから」「気持ちいいから」と同じようなもので、何も言っていないのと同じです。
だから、もう少し考えてみました。
なぜ、私は、ブログをすることが好きなのか? ブログによって価値を生み出すことが好きなのか?
それは、
価値を生み出すことに関するブログのあり方が好きだから
です。
2.「価値を生み出すことに関するブログのあり方」とは、何か?
「価値を生み出すことに関するブログのあり方」とは、何でしょうか。
ブログをすることが、どのようにつながって、どんな人に対して、どのように役立つのか、ということです。
ここには、私が好きなポイントが、いくつかあります。
(1) 自分の「好き」への没頭を「作品」として公開することから始まる
まず、自分の「好き」への没頭から始まること。
少なくとも私にとって、ブログは、自分の「好き」を表現するものです。誰かに依頼されてするものではありませんし、誰かのニーズを満たすために書くものでもありません。最初にあるのは自分の「好き」で、その「好き」に没頭することから始まるのが、ブログです。
ブログの面白いところは、こんな極めて主観的な「好き」への没頭が、それだけでは終わらないことです。「好き」への没頭を「作品」として公開すると、そこに自分以外の誰かが、価値を見い出してくれることがあります。
主観的な自分の「好き」への没頭から始まって、その「好き」への没頭を「作品」として公開することが、結果的に、客観的な価値を生み出す(かもしれない)こと。
これが、価値を生み出すことに関するブログのあり方が持つひとつめのポイントです。
(2) 空間を超え、時を超える
次に、どこの誰の役に立つかわからないし、いつ役に立つかもわからない、ということ。空間と時間を超えて価値を生み出すことがある、といってもよいと思います。
ブログ記事を書くとき、私は、そのブログ記事のターゲット読者を、それほど厳密には考えていません。また、そのブログ記事を公開するタイミングも、あまり気にしていません。
ターゲット読者を厳密に考えないのは、誰が価値を見い出してくれるかは、事前に自分で考えても、よくわからないからです。自分が想定していなかった方が価値を見い出してくださることもあるのですが、それもうれしく思います。
公開タイミングを気にしないのは、いったん公開すれば、ずっとウェブに公開し続けておけるからです。公開直後がいちばん読まれるタイミングなのかもしれませんが、ベストのタイミングで公開しようとすると、タイミングを失して結局公開できない、ということにもなりかねません。自分としてノッているときに、ノリに任せて公開してしまえば、その後はずっとウェブに公開され続けるので、いつか誰かから価値を見い出してもらえるかもしれません。
このように、ブログは、空間を超え、時を超え、価値を生み出す可能性が開かれています。これが、価値を生み出すことに関するブログのあり方が持つふたつめのポイントです。
(3) 「作品」を作り終えた後、価値を見い出される
それから、これは上記2つを掛け合わせることから生まれるポイントなのですが、「作品」を作ることと価値を見い出されることの順序があります。ブログは、「作品」を作ることが、価値を見い出されることに先行します。ブログにおいては、価値を見い出されるのは、「作品」を作り終えた後です。
他の価値を生み出す営みと比較してみると、わかりやすいように思います。
世の中には、誰かから依頼を受けることからスタートする仕事があります。調査会社は、クライアントから特定の調査を依頼され、調査を開始し、調査結果をまとめた報告書を作成して、クライアントに提出します。病院は、患者から体の不調を訴えられるところから、診察を始め、治療行為を提供します。
順番でいうと、
- (1) 自分に何らかの価値を見い出してくださる誰かがまず存在して、自分に対して、その価値を具体化すべく、何かの依頼をしてくださる
- (2) その誰かに対して、その誰かが求める価値を具体的な形で提供すべく、その誰かのための「作品」を作る
という順序です。
(2)の「そその誰かに対して、その誰かが求める価値を具体的な形で提供すべく、その誰かのための「作品」を作る」が、「作品」を作ることになるわけですが、ポイントは、この段階で、その自分が作る「作品」の受け手や、自分が作る「作品」に求められる価値が決まっていることです。
これに対して、ブログはちがいます。
最初に、自分の「好き」への没頭から、自分の好きなように「作品」を作る(ポイントその1)。作り終えた「作品」を公開すると、空間と時を超えて、いつか誰かに価値を見い出されることがある(ポイントその2)。
ということは、順番でいうと、
- (1) 最初に、自分の「好き」から、「作品」を作る
- (2) 誰かが、その「作品」に、価値を見い出す(ことがある)
となります。
「作品」を作る段階で、その「作品」の受け手は、何も決まっていません。その「作品」の受け手が、どんなものをその「作品」に価値を見い出すのかも、決まっていません。
私は、この順番が、かなり好きです。
ひとつは、「作品」づくりを、自分の「好き」への没頭に純化できることがあります。ブログの場合、(1)の「最初に、自分の「好き」から、「作品」を作る」の段階では、その「作品」が誰にどんな価値をもたらすものなのかが決まっていない(少なくとも自分の外からは規定されない)ので、自由です。純粋に、自分が書きたくて、自分が価値あると確信できることだけを書けます。
またもうひとつには、誰かが自分の「作品」に価値を見い出してくれたとしても、それによって自分の追加負担が発生しません。「誰かから依頼を受けることからスタートする仕事」の場合は、誰かからの依頼を受けて仕事がスタートすれば、自分が担うべき負担が追加されます。仕事の依頼はありがたくもあるけれど、忙しいときなどは、ときに煩わしいことでもあります。でも、ブログの場合、私の書いたブログ記事に誰かが価値を見い出してくれたとしても、私の負担は、まったく増えません。ありがたさこそあれ、煩わしさはありません。
このように、「作品」を作ることと価値を見い出されることの順序が、「作品」を作り終えた後、価値を見い出される、という順序であることが、価値を生み出すことに関するブログのあり方が持つみっつめののポイントです。
3.価値を生み出すことに関するブログのあり方が、とりわけ好きだから、ブログが好き
主観的な自分の「好き」への没頭を、「作品」として公開することで、客観的な価値につなげられる。
今の自分が作り出した「作品」が、空間を超え、時を超え、いつかどこかで誰かに届き、価値を生み出す可能性が開かれている。
価値を見い出されるのは、「作品」を作り終えた後。「作品」を作っている間は、その「作品」に価値を見い出すべき受け手は決まっていないし、その「作品」が実現すべき価値も決まっていない。また、誰かが自分の「作品」に価値を見い出してくれたとしても、自分の負担は、ちっとも増えない。
こんな、価値を生み出すことに関するブログのあり方を、私はとても気に入っています。だから私は、ブログが好きです。
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