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WorkFlowyをプレゼン資料として使ってみたことの報告(前編:初回の課題を解消するための試行錯誤)

公開日: : WorkFlowy

1.はじめに

数ヶ月前、私は、「WorkFlowyの画面をプロジェクタでスクリーンに投影すれば、それがそのままプレゼン資料になるんじゃないか?」と思いつき、やってみました。

WorkFlowyでセミナーをやってみたことの報告(課題・可能性・今後の展望)

初めての試みだったこともあり、全部がうまく行ったわけではありません。いくつもの課題が浮上しました。

でも、私はこの手法に、確かな手応えを覚えました。機会があれば、試行錯誤をひとつひとつ重ねていきたい、と感じました。

幸いにして、それから今までの間に、いくつかの機会を与えられ、試行錯誤を繰り返すことができました。

そこで、その間の試行錯誤を、続報として報告します。

2.機会の概要

私に与えられた機会は、次の3回でした。

テーマもバラバラ、聞き手の属性や人数もバラバラ、WorkFlowyと併用した表現手段もバラバラでした。

(1) 学生に向けて仕事の話をする

30名程度の学生に向けて、仕事の話をする機会。

机の配置は、学校の教室スタイル。

私に与えられた時間は、質疑応答をいれて、全部で1時間。50分間一方的に話しをして、その後の10分間を質疑応答に使った。

WorkFlowyと併用した表現手段は、実物を実際に示すこと。

(2) 仕事仲間の自主的な勉強会で報告をする

仕事仲間8名でたまにやってる自主的な勉強会で、報告をする機会。

机の配置は、ロの字型。

時間は、勉強会全体で1時間で、報告時間が20分〜30分。残りが意見交換。

WorkFlowyと併用した表現手段は、なし。最初から最後まで、WorkFlowyだけ。

(3) 勤務先のお客様向けセミナーの講師をする

勤務先がお客様サービスの一環として開催しているセミナーの講師。

参加者15名程度。1時間。

多少は参加者に参加してもらうため、参加者にこちらから質問を投げかけて、回答してもらう。

学校の授業のような感じ。

WorkFlowyと併用した表現手段は、PDFファイル。Keynoteで写真や図を主体としたスライドを作ってPDFにしたものを、フルスクリーンで開いておき、3本指スワイプのフルスクリーンApp間移動を使って、適宜WorkFlowyとPDFを往復する。

3.初回で浮上した課題、課題を解消するための試行錯誤

初回で浮上した課題は、次の3つでした。

それぞれの課題を解消するために、どんな試行錯誤を行ったのか、またその結果はどうだったのかを、書きます。

  • (1) そのままスクリーンに映すと、文字が小さくて、見づらい
  • (2) 参加者が、メモを取りづらそうにしていた
  • (3) 質疑応答にWorkFlowyをライブで使うことが、あんまりうまく行かなかった

(1) そのままスクリーンに映すと、文字が小さくて、見づらい

a.課題

ひとつめの課題は、WorkFlowyをそのままスクリーンに投影すると、文字が小さすぎて、見づらい、ということです。

私は、普段使っているWorkFlowyの画面を、そのままプロジェクターでスクリーンに投影しました。すると、セミナーのスライドとしては、かなり文字が小さかったように思います。これは、一番大きな反省点です。

WorkFlowyでセミナーをやってみたことの報告(課題・可能性・今後の展望)

WorkFlowyは、プレゼンのためのアプリケーションではなく、パソコン画面でトピックを操作するためのアプリケーションです。WorkFlowyの画面をそのままスクリーンに投影したときに、参加者から文字が読みにくいのは、ある意味、当たり前です。

b.課題を解消するための試行錯誤

では、どうしたらよいでしょうか。

ブラウザの表示倍率を拡大するのも悪くありません。でも、もっといい方法があります。

それは、Stylishというアドオンで、プレゼン用にデザインをいじることです。Stylishを使えば、文字サイズだけでなく、行間や余白など、cssで変更できることなら何でも、つまり、ほぼすべてのレイアウトを、自由に調整できます。

Stylishでプレゼンに特化したcssを作り、プレゼンのためにWorkFlowyのデザインを調整すれば、課題は解消されます。

なお、Stylishについては、以下の記事をご覧ください。

c.どうだったか?

今回、私は、シンプルに、次の3点だけを調整するスタイルを用意しました。

  • 文字サイズを大きくする
  • 行間を広くする
  • 左右の余白を小さくする

これだけで、ずいぶんと見やすくなりました。概ね、うまくいったと思います。

でも、新たな課題も見つかりました。

それは、プロジェクターの解像度です。プロジェクターの解像度は、プロジェクターごとにいろいろで、たいていのプロジェクターの解像度は、私が使っているMacBook Air 11インチよりも低いです。また、中には、かなり低いプロジェクターもあります。

解像度が低くなると、相対的に、文字は大きく表示されます。MacBook Airで、プレゼンに調度よいくらいの文字サイズでスタイルを作ると、プロジェクターに繋いだときに、違和感を感じてしまいます。

そこで、プレゼン用Stylishを作るときは、使用するプロジェクターの解像度を意識するとよいです。使用するプロジェクターの解像度がわからない場合は、いくつかのパターンのスタイルを作っておき、テスト段階で、どのスタイルがしっくり来るかを試すとよいと思います。

(2) 参加者が、メモを取りづらそうにしていた

a.課題

ふたつめの課題は、参加者がメモを取りづらそうにしていたことでした。

2つ目の反省点は、参加者がメモを取りづらそうにしていたことです。 今回、私は、スクリーンに映したWorkFlowyを使って説明したため、紙のレジュメや資料を配布しませんでした。 そのため、参加者は、WorkFlowyのトピックに出てくるキーワードを、ご自身のノートや手帳にメモしようとしていました。 しかし、文字サイズが小さいことと、折りたたみ&展開やZoomなどのWorkFlowy独特の移動によって、メモをとりにくそうにしている参加者もいました。

WorkFlowyでセミナーをやってみたことの報告(課題・可能性・今後の展望)

この課題を生み出したもっとも大きな要因は、ペーパーを配布しなかったことだと思われます。また、WorkFlowyのZoomや折りたたみによるトピック移動に慣れず、戸惑う、ということもあるかと思います。

b.課題を解消するための試行錯誤

そこで、この課題を解消すべく、「プレゼン資料トピックのうち、上位のトピックだけを抜き出して、余白を確保した上で、A4サイズの紙に印刷して、参加者に配布する。」という方策を試みました。

プレゼン資料のうちの上位トピックだけを抜き出して印刷したのは、つねに手元に紙に発表の全体構造を持っておいて欲しかったためでもあります。

項目と項目の間に余白を確保したのは、メモを取るためです。

c.どうだったか?

手元にペーパーがあることは、参加者にとっては、やはり安心だったようです。また、ペーパーの項目間に、話の内容や、下位トピックの文字をメモしていた方が多かったことから、メモを取るための紙としても、うまく働いてくれたようです。

他方で、ペーパーに書いていないけれど、スクリーンに表示される文字を、できる限り書き写そうとする参加者が、わりといらっしゃいました。まあ、上位トピックだけが紙に表示された状態で、スクリーンでその下位トピックが表示されたら、それをメモしたくなるのが人情かもしれません。

そこで、最初に、「この画面は後でウェブ経由で共有しますので、全部書き写そうとしなくていいですよ。」と伝えておくとよかったかなあと思います。

なお、WorkFlowyは、優れた共有機能を持っていますので、プレゼン資料として作ったトピックを、そのまま共有することができます。

WorkFlowyの共有機能の使い方と、知っておくと役に立つ知識

(3) 質疑応答にWorkFlowyをライブで使うことが、あんまりうまく行かなかった

a.課題

みっつめの課題は、質疑応答の場面で、あんまりうまく操作できなかった、ということです。

このうち、「質問に対して回答をするとともに、WorkFlowyのその質問のトピックに、回答のキーワードをメモする。」と「回答に対する意見交換などを、さらにWorkFlowyにメモする。」の部分の、WorkFlowyにメモをするところが、ぜんぜんうまくできませんでした。 回答に気を取られ、キーワードをメモすることが後回しになってしまいました。

WorkFlowyでセミナーをやってみたことの報告(課題・可能性・今後の展望)

WorkFlowyなら、プレゼン本番中にキーボードをパタパタと叩くだけで、その場でプレゼン資料のトピックを作ったり組み替えたりすることができます。これを使って質疑応答をすれば、ライブのやりとりをスクリーンで捕まえて、生産的なやりとりになるんじゃないか、と考えたのですが、実際は、質問に対する回答とWorkFlowyのトピック操作を両立することができず、挫折した次第です。

b.あらかじめ、想定問答のトピックを作っておく

今回、対策として考えたのは、「あらかじめ、想定問答のトピックを作っておき、折りたたんでおく」ということです。

会場から出そうな質問をいくつか想定して書き込み、その答えも書いておく。そして、想定質問&答えのトピックを折りたたんでおく、ということです。

これなら、あらかじめある程度のことを書き込んでありますので、その場で書き込んであたふたすることがありません。想定した質問が出たら、「これは、この質問に近いですかね。」とかいいながら、想定質問トピックを展開すればいいんじゃないか、と考えていました。

c.どうだったか?

結論としては、今回得た3つの機会では、想定した質問は出ず、想定した質問ではない質問が出ました。なので、あらかじめ準備していた想定質問トピックは、日の目を見ることなく、WorkFlowyトピックの中で眠ったままでした。

とはいえ、想定質問を作ったことが無駄だったかといえば、そうではありませんでした。想定質問を考えることは、プレゼンの内容を組み立てることを、大いに助けてくれました。やってよかったです。

ですから、想定質問トピックを作っておくことは、できるかぎり、今後も続けるつもりです。

4.おわりに

以上が、初回で浮上した課題を解消するために、その後3回の機会で試みた試行錯誤の報告です。くり返すと、

  • 文字サイズが小さいことについては、Stylishでプレゼン用テーマを作ることで解消。
    • ただし、プロジェクターの解像度に注意。
  • メモの取りづらさについては、上位トピックだけを、余白をとって並べたペーパーを配布。
    • ただし、下位トピックを逐一メモしようとする参加者がいらっしゃるので、「最後に共有しますよ」と伝えておくと吉。
  • 質疑応答については、事前に想定問答のトピックを作って、折りたたんでおく。
    • ただし、今回は日の目を見なかった。

これに加えて、これら3回の機会では、初回ではやらなかった新しい試行錯誤もしてみました。主に、次の3つです。

  • (1) PDFをフルスクリーンAppとして使い、3本指スワイプで切り替える
  • (2) プレゼントピック内にURLリンクを張り巡らして、誘導ラインをいくつか作る
  • (3) 発表ギリギリまで、トピックを育て続ける

これらの試行錯誤からも、いくつかの収穫を得ました。そこで、次回は、後編として、この3つの試行錯誤とそこから得た収穫をまとめます。

WorkFlowyをプレゼン資料として使って話をすることは、とても楽しいです。機会があれば、みなさんも、ぜひやってみてください。

参考

WorkFlowyとは何か?

WorkFlowyの丁寧な説明

WorkFlowyでプレゼンをすることについて

WorkFlowyでセミナーをやってみたことの報告(課題・可能性・今後の展望)

WorkFlowyをプレゼン資料として使うときに、知っておくと便利なWorkFlowyの機能

MacのキーボードショートカットでWorkFlowyのトピックを自由に操り、WorkFlowyをテキスト管理システムとしてうまく機能させるための、MacOS基本設定

WorkFlowyの共有機能の使い方と、知っておくと役に立つ知識

「WorkFlowy専用Firefox」の余白を、アドオン「Stylish」で調整する

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