WorkFlowyとタスク管理をつなぐ「最下層トピックを切り取ってフラットに並べるタスク管理版ハサミスクリプト」
公開日:
:
WorkFlowy
目次
1.「一番下の階層が揃うアウトライナー」からのTwitterにおける集合知
マロ。さんの知的生産の治具工房から、新しい作品が届きました。今回の新作もWorkFlowy用のBookmarkletです。選択したトピックのうち、最下層トピックだけを抽出し、フラットなToDoリストにしてくれます。
Workflowyでアウトラインの最下層のトピックをTodoリストにするbookmarklet|マロ。|note
このBookmarkletは、どんな発想に基づくものなのか。また、何の役に立つのか。これを理解するには、次の一連のやりとりをご覧ください。2015/06/04夕方から2015/06/05までの間に、Twitterで飛び交ったツイートたちです。
(1) 「一番下の階層が揃うアウトライナー」に、段差ラ部員が食いつく
一番下の階層が揃うアウトライナーとかどうだろうか。
— 倉下 忠憲 (@rashita2) 2015, 6月 4
@rashita2 どういうイメージですか?
— Tak. (@takwordpiece) 2015, 6月 4
@takwordpiece @rashita2 興味あります。どんな構造だろうか。
— 彩郎 (@irodraw) 2015, 6月 4
@irodraw @takwordpiece ざっくり描くとこんなイメージです。階層の深さが違ってもそれぞれの最下層が同じラインに表示される、という何の役に立つかはよくわからない機能です。 pic.twitter.com/RlBQVa3kfe
— 倉下 忠憲 (@rashita2) 2015, 6月 4
@rashita2 @irodraw @ruu_embo おお、これはもしかするとWordの「本文」に近いかもという気がします
— Tak. (@takwordpiece) 2015, 6月 4
@rashita2 @takwordpiece なるほどー。 今日ブログ書きながら考えてたことと、つながってる気もします。 興味深い何かが潜んでいそう。
— 彩郎 (@irodraw) 2015, 6月 4
@irodraw @rashita2 @takwordpiece 今日の彩郎さんの記事に出てくるWorkFlowyの秩序に真っ向から立ち向かってる(笑)
— るう@あじさい (@ruu_embo) 2015, 6月 4
(2) アウトラインの最下層トピックをフラットに並べることの意義
@rashita2 タスク管理について考えていて、どれだけ粒度が違っていても、細分化されて出てくるタスクは最終的には「自分が実行する」というコンテキストにおいて共通している、という発想から。
— 倉下 忠憲 (@rashita2) 2015, 6月 4
@rashita2 実行する、という部分は共通しているので表示を揃えたいが、構造はいじりたくない。自分の頭の中身を、表示を揃えるために、変えたくない。たとえば、ビジネス書の片付けを繰り上げれば、タスクの高さは揃うが、それは気持ち悪い pic.twitter.com/knba8Dh4S0
— 倉下 忠憲 (@rashita2) 2015, 6月 4
@rashita2 その感覚はすごくわかる気がします
— Tak. (@takwordpiece) 2015, 6月 4
@takwordpiece @rashita2 @irodraw その場合は底辺の部分をさらうことがメインで、上位のずれた階層の部分を縦に俯瞰するとかはないというですよね(最初後者を連想したために意義がよくわからなかったので)
— るう@あじさい (@ruu_embo) 2015, 6月 4
@rashita2 @takwordpiece @irodraw それは確かに面白い機能ですね^ ^
— るう@あじさい (@ruu_embo) 2015, 6月 4
(3) 最下層トピックを判別するハサミスクリプトによる実装の妄想
@ruu_embo @takwordpiece @rashita2 最下層のみをフラットに並べる機能、みたいなのがあれば便利かもしれませんね。 | 壁 |д・).。oO(はっ!ハサミスクリプトなら、最下層のみピックアップしてフラットに並べる機能も実現できるのでは??
— 彩郎 (@irodraw) 2015, 6月 4
@irodraw @ruu_embo @rashita2 ハサミスクリプトはもともと下位にトピックを持たないトピックを判定してませんでしたっけ?
— Tak. (@takwordpiece) 2015, 6月 4
@takwordpiece @ruu_embo @rashita2 してます。 なので、そこだけをピックアップする機能を追加すれば、まさに最下層のみをフラットに並べる機能になるのではないかと。
— 彩郎 (@irodraw) 2015, 6月 4
@takwordpiece @ruu_embo @rashita2 加えて、ハサミスクリプトなら、最下層のみをフラットに並べるんだけど、最下層に至る親トピックを、メタ情報的に付け加える、ということも可能。
— 彩郎 (@irodraw) 2015, 6月 4
@takwordpiece @ruu_embo @rashita2 WorkFlowyでプロジェクトのタスクをどんどん分解し、最下層を具体的な行動にする。 ハサミスクリプトで、最下層の具体的な行動をフラットに並べる。 そこにメタ的に、親トピックを付記。 すごいタスク管理システム?
— 彩郎 (@irodraw) 2015, 6月 4
@takwordpiece @ruu_embo @rashita2 あと、フラットなテキストデータにすれば、Toodledoとかにまとめて登録することもできますね^ ^
— 彩郎 (@irodraw) 2015, 6月 4
@irodraw @ruu_embo @rashita2 いろいろ広がりそうな機能ですね。最下層のフラットなリストとタグを組み合わせて分割して出力したりできれば、かなり実用的なものになる可能性があると思います
— Tak. (@takwordpiece) 2015, 6月 4
@takwordpiece @ruu_embo @rashita2 そうですね。そんな気がします。 (小人さんに発注する具体的な仕様を考えてみようかな。広場か段差ラ部段差にまとめます。)
— 彩郎 (@irodraw) 2015, 6月 4
@irodraw @takwordpiece @rashita2 これすごい。 #最近の段差部の集合知ぶりが怖いくらいだ、、、
— るう@あじさい (@ruu_embo) 2015, 6月 4
(4) タスク管理版ハサミスクリプトの完成
@irodraw @takwordpiece @rashita2 @ruu_embo 最下層をフラットに表示するハサミスクリプトを広場とnoteに掲載しました〜♪
— マロ。 (@maro_draft) 2015, 6月 4
Workflowyでアウトラインの最下層のトピックをTodoリストにするbookmarklet|マロ。|note(ノート) https://t.co/4nK3YWPGZG
— マロ。 (@maro_draft) 2015, 6月 4
@maro_draft @irodraw @takwordpiece @rashita2 解説がこなれてるなーと思ったよ^ ^ 仕組みは作れても何のために使うのかみてえこないと使えないからね〜
— るう@あじさい (@ruu_embo) 2015, 6月 4
@takwordpiece @maro_draft @ruu_embo @irodraw Mac + firefoxで確認しました。動作は問題ありません。そして、すごいです。
— 倉下 忠憲 (@rashita2) 2015, 6月 5
@rashita2 @maro_draft @ruu_embo @irodraw Mac + Chromeでも動作問題ありません。ほんとすごいと思う。
— Tak. (@takwordpiece) 2015, 6月 5
(5) タスク管理版ハサミスクリプトの可能性を解き放つノウハウ=タグでの検索結果をExportして切り取る
マロ。さんの新しいスクリプトが素晴らしい。試しにタグ検索と合わせたりして遊んでる pic.twitter.com/CJKISwDoSA
— dechi (@kaentatsumaki) 2015, 6月 5
@kaentatsumaki なるほど!検索と組み合わせれば、任意のタグ付きだけを出力できるんですね。 可能性、無限大。
— 彩郎 (@irodraw) 2015, 6月 5
@kaentatsumaki タグの検索結果をexportする、という発想は、ありませんでした。 スクリプト側に、タグ判別機能をつけたらいいんじゃないかな、と思ってました。 でも、検索結果をexportすれば、今のスクリプトでいけますね! すばらしいです^ ^
— 彩郎 (@irodraw) 2015, 6月 5
(6) おまけ:タスク管理版ハサミスクリプトは、流動的なタスク管理システムから、タスクリストを切り取って固定する
(ただ個人的には最終的に出力されたフラットなリストを実行段階でさらにアウトライン化したくなったりしてしまう気もする)
— Tak. (@takwordpiece) 2015, 6月 4
@takwordpiece なるほど。ハサミスクリプトで切り取った段階で、固定されちゃいますもんね。 実行時まで変化し続けることができる、という流動性は失われちゃうわけかー。
— 彩郎 (@irodraw) 2015, 6月 4
@irodraw ですね。ただそこが問題になるのは個人的な傾向かもしれません
— Tak. (@takwordpiece) 2015, 6月 4
@takwordpiece 切り取るのではなく、表示だけフラットにする、なら、問題ないんですけどね。 ただ、この機能をつけると唯一の秩序じゃなくなっちゃうから、WorkFlowyはこの機能をつけないのではないかなあと予想。
— 彩郎 (@irodraw) 2015, 6月 4
@kaentatsumaki タスクを自分の行動まで分解して管理することと、実行時にフラットに並べること。 この関係は、変化する有機体から暫定的な作品群を切り取ることと、なんか似てる気がします。 この意味で、やはり今度のもハサミスクリプトなんだろうと、私は考えてます。
— 彩郎 (@irodraw) 2015, 6月 5
2.ちょっとした補足説明
マロ。さんがnoteに記載した解説がわかりやすいので、コンセプトは伝わるかと思います。加えて、上に並べたTweetを読めば、重要なところはすべて網羅されているはずです。
以下、ちょっと観点を変えて、私なりに補足説明を加えます。
(1) 「最下層トピックをフラットに並べる」機能は、WorkFlowyが抱えているタスク管理ツールとしての課題を解消する
a.タスク管理ツール・ToDoリスト作成ツールとしてのWorkFlowyの課題
WorkFlowyは、タスク管理ツールやToDoリストを作るツールとして紹介されることもあります。
なぜ、タスク管理ツールやToDoリスト作成ツールとして紹介されることがあるかと言えば、WorkFlowyは、何らかのプロジェクトを達成するために実行すべきタスクをリストアップするために、大きな威力を発揮するからです。
トピック階層構造を活かしてトピックを分類しながら分解していけば、プロジェクト達成に必要な具体的な行動を、網羅的に検討できます。WorkFlowyでこの作業をすると、多少遠くにある目標を達成するためのロードマップを俯瞰することができ、脳を整理したような気分になります。
他方で、タスク管理ツールやToDoリスト作成ツールとしてのWorkFlowyは、課題も抱えています。私が思うに、もっとも大きな問題点は、タスクを実行する場面での使い勝手です。
WorkFlowyはデータベースではなくリストなので、「今、実行すべきタスクの全部を抽出する」とか「実行すべきタスクを重要順に並び替えて表示する」という機能を持っていません。検索やタグによって実行すべきタスクを絞り込んでも、もともとの階層構造の一部が折りたたまれて表示されるだけなので、階層を持ったままの表示になりますし、並び順も元々のリストのままです。
つまり、WorkFlowyは、実行すべきタスク(自分の具体的な行動)を洗い出す場面では、大変強力な威力を発揮するのですが、これに対して、タスクを実行する場面(具体的に自分が行動する場面)では、たとえばToodledoやTodoistと比較すると、使い勝手が劣ります。
この、タスク実行場面での使い勝手が、タスク管理ツール・ToDoリスト作成ツールとしてのWorkFlowyの課題です。
b.課題をクリアする「最下層トピックをフラットに並べる」機能
さて、倉下忠憲さんが最初につぶやいた「一番下の階層が揃うアウトライナーとかどうだろうか。」は、タスク管理ツールとしてのWorkFlowyが、タスク実行場面での課題を抱えていることを意識したものです。
倉下さんは、「タスク管理について考えていて、どれだけ粒度が違っていても、細分化されて出てくるタスクは最終的には「自分が実行する」というコンテキストにおいて共通している、という発想から。」「実行する、という部分は共通しているので表示を揃えたいが、構造はいじりたくない。自分の頭の中身を、表示を揃えるために、変えたくない。たとえば、ビジネス書の片付けを繰り上げれば、タスクの高さは揃うが、それは気持ち悪い」と述べています。
WorkFlowyの階層構造でタスクを分解する場合、上から下にどんどんタスクを分解し、最下層に具体的な自分の行動、つまりタスクが来ます。でも、自分の具体的な行動レベルへの分解が終わるまでにどれだけの階層が必要かは、場合によってちがいます。
そのため、自分の具体的な行動を書いたトピックの階層レベルは、必ずしも揃いません。
そこで、WorkFlowy(アウトライナー)自体の機能とは別に、「一番下の階層が揃う」機能、「最下層トピックをフラットに並べる」機能があると、意味があります。
これが、「最下層トピックをフラットに並べる」機能の意義です。
c.マロ。さん新作BookmarkletによるWorkFlowyでのタスク管理イメージ
Twitterでのやりとりを受けて、マロ。さんがあっという間に作成したのが、次のBookmarkletです。
Workflowyでアウトラインの最下層のトピックをTodoリストにするbookmarklet|マロ。|note
Twitterでのやりとりに、マロ。さんがもともと持っていたボトムアップ型タスク管理のアイデアを融合して生まれた作品です。
ブログ記事を切り取るためのハサミスクリプトと同じく、このBookmarkletも、WorkFlowyからExportしたopmlデータに対して使います。
この新作Bookmarkletを使うと、以下のようなイメージで、WorkFlowyをタスク管理ツールとして使うことができます。
- WorkFlowyで、プロジェクトを達成するために実行すべきタスクを洗い出す。
- プロジェクトトピックを立てる。
- プロジェクトトピックを達成するために必要な要素を、子トピックとして、作成することで、プロジェクトを分解する。
- それぞれの要素を満たすための要素を子トピックとして作成することで、それぞれの要素をさらに分解する。
- 子トピックを立てることによる分解をくり返し、「自分の具体的な行動」レベルまで分解する。
- この作業を終えると、次の状態のトピック階層構造ができる。
- 「今回達成すべきプロジェクト」のトピックを頂点に、
- そのプロジェクトを達成するために満たすべき条件がどんどん分解され、
- 最下層には、「自分の具体的な行動」を書いたトピックが並んでいる。
- Bookmarkletを使い、タスクを実行する。
- 「今回達成すべきプロジェクト」トピックをopmlでExportする。
- Bookmarkletを使う。
- 「自分の具体的な行動」だけが抽出され、フラットなタスクリストとして並ぶ。
- あとはフラットなタスクリストとして並んだ「自分の具体的な行動」をひとつひとつ実行する。
このように、「最下層トピックをフラットに並べる」機能は、WorkFlowyが抱えているタスク管理ツールとしての課題を解消します。
(2) 「最下層トピックをフラットに並べる」機能が実現しうる大きな可能性
新作Bookmarkletの機能は、基本的には、「WorkFlowyの特定トピックの最下層トピックだけを抽出し、フラットに並べる」です。
しかし、このシンプルな機能は、工夫次第で、大きな可能性を実現します。
a.他のタスク管理システムに追加する
新作Bookmarkletは、別タブでタスクリストを表示します。
このタスクリストは、もちろん、そのままタスクリストとして使えます。しかし、このタスクリストをそのままタスクリストとして使うのではなく、いつも自分が使っているタスク管理ツールにインポートする、という方法もあります。
というのは、このタスクリストは、ある意味、抽出したタスクをフラットに並べたテキストデータ、でもあるからです。たとえばToodledoなら、複数行のテキストデータを、1行1タスクでまとめて追加する機能を持っていますので、この機能を利用して、抽出したタスクをToodledoにまとめて追加できます。
b.タグで検索した結果をExportしたopmlに、Bookmarkletを使う
新作Bookmarkletが「最下層トピックをフラットに並べる」対象は、WorkFlowyからExportしたopmlです。
ということは、opmlをExportする段階でデータを絞り込んでおけば、新作Bookmarkletが生成するタスクリストに表示されるタスクも、絞りこまれます。
WorkFlowyは、検索を有効にした状態でExportすると、検索による折りたたみ状態のトピックをExportします。
ということは、
- タスクリストに載せたい最下層トピックに特定のタグ(たとえば「#todo」とか)を加えておき、
- その特定のタグ(#todo)で検索して、
- タグでの検索を有効にしたままトピックをopmlでExportして、
- それに新作Bookmarkletを使えば、
特定のタグを付けたタスクだけを一瞬で抽出することができます。
このノウハウは、dechi(@kaentatsumaki)さんによるものなのですが、新作Bookmarkletの可能性を解き放つ、すばらしいノウハウです。
マロ。さんの新しいスクリプトが素晴らしい。試しにタグ検索と合わせたりして遊んでる pic.twitter.com/CJKISwDoSA
— dechi (@kaentatsumaki) 2015, 6月 5
(3) 新作Bookmarkletは、ハサミスクリプトの一種(機能の類似性・思想の共通性)
今回の新作Bookmarkletのことを、私は、ハサミスクリプトの一種だと考えています。このことを、機能面での類似性の観点と、思想の共通性の観点から、語ります。
a.機能の類似性
新作Bookmarkletの機能は、「最下層トピックをフラットに並べる」です。
私がブログエントリを書くときに使っているハサミスクリプトの中核機能は、「最下層トピック以外は(階層に応じて)見出しにし(hタグで囲む)、最下層トピックは本文にする(pタグで囲む)」です。
WorkFlowyのトピック階層構造からすれば、大切なのは、Homeという原点からの深さです。
そのため、WorkFlowyは、本来、2つのトピックの階層レベルを比較するとき、Homeからの階層の数を数えます。階層レベル3のトピックと階層レベル5のトピックは、異なる階層レベルに属するので、全然別物です。
でも、新作Bookmarkletの「最下層トピックをフラットに並べる」と、ハサミスクリプトの「最下層トピックを本文にする」は、ちがいます。この両者が関心をもつのは、最下層トピックか否か、です。最下層トピックか否かだけを判断し、最下層トピックだけを特別扱いします。階層レベルが3だろうが、10だろうが、100だろうが、そのトピックが最下層トピックなら、等しく同じように特別扱いします。
新作Bookmarkletとハサミスクリプトは、「最下層トピックを等しく特別扱いする」という点で、まさに、「一番下の階層が揃うアウトライナー」です。
この機能の類似性によって、私は、新作Bookmarkletを、ハサミスクリプトの一種だと考えています。
b.思想の共通性
新作Bookmarkletは、ハサミスクリプトと、思想においても、共通しています。
ハサミスクリプトには、次の2つの思想があります。
- ひとつの場所から、たくさんの作品を切り取る
- 「見出し」か「本文」かは、切り取る瞬間における結果である
このうち、「「見出し」か「本文」かは、切り取る瞬間における結果である」は、「a.機能の類似性」で書いたこととかなり重なるので、もうひとつの思想「ひとつの場所から、たくさんの作品を切り取る」について、簡単に書きます。
●
ハサミスクリプトの「ひとつの場所から、たくさんの作品を切り取る」という思想とは、「流動的に変化し続けるWorkFlowyから、暫定的な作品を切り取って固定する」ということです。
ポイントは、「流動」と「固定」の対比で、これを次のいくつかの対比で表現できます。
流動 | 固定 |
「ずっと完成しないで変化し続ける有機体」 | 「暫定的な作品群」 |
ひとつの場所 | たくさんの作品 |
WorkFlowyが管理する流動的なプロジェクト全体 | WorkFlowyから切り出すことで固定したタスクリスト |
最後の「WorkFlowyが管理する流動的なプロジェクト全体」と「WorkFlowyから切り出すことで固定したタスクリスト」が、タスク管理に当てはめたものになります。
この対比は、WorkFlowyで作った「プロジェクト全体を達成するために必要なタスクの全体像」と「新作Bookmarkletで最下層トピックをフラットに並べたToDoリスト」とほぼイコールです。
そして、「WorkFlowyが管理する流動的なプロジェクト全体」から「WorkFlowyから切り出すことで固定したタスクリスト」を切り取るための道具が、この新作Bookmarkletです。ハサミの役割を果たしています。
●
このように、思想の点でも、新作Bookmarkletは、ハサミスクリプトと共通します。
3.おわりに
この文章で書きたいポイントは、3つです。
まず、Twitterでの集合知によって、新しいツールとそのツールの使い方が生まれました。すばらしいことだと思います。
@maro_draft @rashita2 @takwordpiece @irodraw @ruu_embo @kaentatsumaki アウトライン末端の揃うscript。理解できてない部分もありますが、アイディアの断片からスクリプトができ、その新しい使い方まで。スバラシイ。
— Go Fujita (@gofujita) 2015, 6月 5
次に、マロ。さんによる新作Bookmarklet(タスク管理版ハサミスクリプト)は、WorkFlowyをタスク管理ツールとして使う場合の課題を解消してくれます。タスク管理ツールとしてWorkFlowyを使うことを模索しているんだけれど、どうもタスク実行場面でしっくりこない、という方は、ぜひお試しください。
Workflowyでアウトラインの最下層のトピックをTodoリストにするbookmarklet|マロ。|note
最後に、新作Bookmarkletは、タスク管理版ハサミスクリプトです。
この新作Bookmarkletに触れて、WorkFlowyとハサミスクリプトの相性のよさを改めて確信しました。また、「ずっと完成しないで変化し続ける有機体から暫定的な作品群を切り取って固定する」というコンセプトの妥当範囲の広さも実感しました。
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