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WorkFlowyで、「朝一番の自動書記」(by結城浩先生)をする

公開日: : 最終更新日:2016/05/05 WorkFlowy, 単純作業に心を込める

1.朝一番の自動書記

少し前、いつも読んでいる結城浩先生のブログに、「朝一番の自動書記 」が紹介されていました。

起きてすぐ、自分の文章を書く。調べ物や推敲はしない。明日(つまり今日)からやってみよう、と思ったのですぐにiPhoneのアラームに6:30をセットした。そして、昨日の明日(つまり今日)、つい先ほどアラームがなって、寝ぼけ眼をこすりつつ文章を書いていたところ。準備していなかったのでまずは思いついたことを文章にしていく「自動書記」を20分ほど行ってみた。

引用元:朝一番の自動書記 – 結城浩のブログ

元ネタは、ライフハッカーの「軽視できない素晴らしさ。「朝早く起きてすぐ書く」ことの驚くべきメリット」だそうですが、「起きてえすぐ、自分の文章を書く。調べ物や推敲はしない。」という点は、結城先生の工夫ではないかと思われます。

結城先生のブログ記事を読んでいいなと思った私は、さっそく自分の習慣に「朝一番の自動書記」を取り入れました。毎朝5分程度、台所で朝ごはんを準備しながら、iPhoneのPostEverから、「朝一番の自動書記」をすることにしたのでした。

2.WorkFlowyで「朝一番の自動書記」

(1) Evernote日記からWorkFlowy日記へ

当初、私が「朝一番の自動書記」にiPhoneのPostEverを使っていたのは、2014年11月当時の私が、Evernoteで日記を書いていたからです。PostEverからEvernoteに日記を書いていたので、その日記の一部に、「朝一番の自動筆記」を組み込んだわけです。

Evernote×日記。書き続ける仕組み、リターンを大きくする工夫。

しかし、その後、私は、自分のテキストデータを集約する場所を、EvernoteからWorkFlowyへと切り替えました。この一環として、日記を書く場所も、EvernoteからWorkFlowyへと切り替えました。

そして、Evernote日記からWorkFlowy日記への切り替えに伴い、「朝一番の自動書記」も、WorkFlowyに切り替えました。

(2) WorkFlowyで「朝一番の自動書記」

私の朝は、うがいとトイレと水分補給を済ませたあと、朝ごはんの準備をするため、台所に行くところから始まります。私はiPhoneを台所のカウンターにおいているので、台所でiPhoneを手に取って、台所で立ったまま、WorkFlowyでの「朝一番の自動書記」を始めます。こんな感じです。

  • iPhoneのWorkFlowyアプリを開いて、Homeにおいてある「日記」トピックに、その日の日付のトピックを作る。
    • たとえば今日なら「2015/02/12」。
  • 日付トピックの下に、思いつくまま、いろんなことを書く。
    • 20分確保していると子どもの保育園に間に合わないので、制限時間は5分。
    • 結城先生にならって、調べ物や推敲はしない。
    • WorkFlowyのトピックの移動は、下方向と左右方向のみ
      • どんどん改行して、下方向に伸ばす
      • 直前のトピックとの論理構造によって、直前のトピックの子トピックにする(右方向)
      • 新しいことを書くときは、再び親トピックに戻る(左方向)
      • 左右方向は、あんまり厳密にしない
    • タグを活用する
      • iPhoneのWorkFlowyは、トピックを移動するのがいまいち不便なので、トピックの移動はしないで、タグを活用する
      • たとえば
        • あとでゆっくり育てたい着想を思いついたら、脇道着想キャッチタグ「@idea」をつけておく
        • やらなくちゃいけないタスクを思いついたら、Toodledoアプリに切り替えてタスクを追加するか、それもまどろっこしいときはタグ「@task」をつけておく

(3) WorkFlowyで「朝一番の自動書記」をすることの効果

Evernoteでしていたときから、私は、「朝一番の自動書記」を、よい習慣だと感じていました。

そして、WorkFlowyに切り替えてからは、「朝一番の自動書記」のことがもっと好きになりました。WorkFlowyは、私にとって、「朝一番の自動筆記」のための、理想的なツールです。

以下、WorkFlowyで「朝一番の自動書記」をすることの効果を挙げてみます。もちろん、制限時間5分なので、このすべての効果が毎日得られるわけではありません。でも、毎日なにかしらの効果は得られています。

a.1日のシミュレーションになる

私の場合、「朝一番の自動書記」で出てくることの多くは、その日の予定に関する何かです。

仕事がある日なら、「今日は10時から打ち合わせがあるな。資料をもう一度読みなおしておこうかな。」みたいな文が出てくることが多いですし、休みの日なら、「今日の昼ごはんはイオンでピザかなあ。イオンの駐車場、混んでないといいんだけれど。」といった文が浮かんできます。

その日の予定に関する何かを自動書記していると、自然と、その日1日のシミュレーションになります。ToodledoやGoogleカレンダーをにらんでの緻密なシミュレーションではありませんが、朝一番にその日1日をシミュレーションすることで、その1日にスムーズに入っていけるような気がしています。

b.その日、育てたいアイデアを一度、形にできる

私は知的生産が好きです。知的生産のためのいろんなアイデアを育てて、試してみることが好きです。このブログには、以前はEvernote、最近はWorkFlowyについてのいくつかの文章を書いていますが、これもこのアイデアを育てる一環です。

私にはたいした発想力がないので、アイデアを育てるための私の戦略は、「アイデアをにたくさんの時間を注ぐ」です。アイデアの種をまくこと、アイデアの木を育てること、アイデアの実を収穫すること全部に、たくさんの時間を注ぐことで、ちょっとずつアイデアを育てていこうと思っています。

そうはいっても、私はワーキングパパでもあるため、沈思黙考する時間を確保して、アイデアを育てることだけに時間を確保することはできません。そのため、私にとっては、アイデアを育てながら毎日の日常を送り続けることが、とても大切です。

アイデアを育てながら毎日の日常を送るために、朝一番に、その日育てたいアイデアのことを一度形にすることは、とても有益です。WorkFlowyを使った「朝一番の自動書記」の中で、「@idea」という脇道着想キャッチタグをつけた脇道着想を少しでも形にしてから1日を始めれば、その日、育てたいアイデアと出会うことができます。

c.仕事の糸口が見つかる

「朝一番の自動書記」の対象が仕事だった場合、しばしば、自動書記で書いた仕事の糸口が見つかります。

「あの資料を見ればいいんじゃないか。」「あの人に聞いてみればいいんじゃないか。」「この枠組みで考えればいいんじゃないか。」「こんな提案を加えればいいんじゃないか。」などなど。

d.楽しくて、ワクワクする

WorkFlowyによる「朝一番の自動書記」は、楽しいです。

PostEverからEvernoteへしていたときも楽しかったのですが、WorkFlowyを使うと、もっと楽しくなりました。

基本的には、これは、その日予定されている楽しみなことを思い浮かべて1日を始めることができることや、育てたいアイデアを形にしながら日常を送ることができること、悩みの種だった仕事の糸口が見つかることによるんだろうと思います。

でも、たぶん、それだけではありません。

何となく感じるのは、WorkFlowyによる「朝一番の自動書記」は、今から始まるその日1日の経験を、WorkFlowyの有機体に「しまう」ための起点になる、ということです。そして、その日1日をWorkFlowyの有機体に「しまう」意識でその日1日を過ごすと、その日1日にいろんな彩りが加わる、ということです。

私の毎日は、基本的に、朝起きて、身支度や子どもの準備などをして、子どもを保育園に送り、出勤し、働き、昼ごはんを食べ、働き、帰宅し、夜ご飯を食べ、子どもと遊び、子どもをお風呂に入れ、家事をして、寝る、という行動で満たされています。心躍ることや前日から楽しみでたまらないことは、皆無ではないにせよ、まあ、あんまりありません。

それでも、そんな心躍る要素のなさそうな1日であっても、じっくりとふり返って探してみれば、たとえば子どもの一言に成長を感じたり、たとえば夕食の席での妻との会話に価値観の一致を感じてうれしくなったり、たとえば便利なTipsを思いついて興奮したり、ある種の彩りが見つかるような気がします。

こんな日常の中の彩りを見つけて、ひとつひとつ丁寧に「しまう」ことが、私が心から望んでいる生き方で、私はこんな生き方にワクワク感を感じます。

WorkFlowyによる「朝一番の自動筆記」は、その日1日を、こんな生き方につながる形で過ごすことを促してくれるんじゃないかな、というのが、今のところ、私が漠然と感じていることです。

3.WorkFlowyは、きっちりした論理構造を組み立てるためだけの道具ではない

以前、私は、アウトライナーという道具を、アウトラインを組み立てるための道具だと捉えていました。アウトライナーは、論文のようなきっちりした論理構造を整えるためにこそ、力を発揮する、という認識です。

しかし、Tak.さんによる一連の文章、たとえば次の文章を読んで、アウトライナーにはもっと大きな可能性があることを教わりました。

アウトライナーは、アウトラインを組み立てようなどと考えず、気軽に使うほど手放せなくなるところがある。

引用元:使い捨てのアウトライン:Word Piece >>by Tak.:So-netブログ

WorkFlowyは、きっちりした論理構造を組み立てるためだけの道具ではありません。WorkFlowyの段差に乗せて自分の脳内を形にしてみると、頭と心がすっきりするだけでなく、彩りある毎日を丁寧に送り続けることにも繋がっているような気がします。大げさですが。

お知らせ

このエントリは、その後、加筆修正などを経て、書籍『クラウド時代の思考ツールWorkFlowy入門』の一部分となりました。

書籍『クラウド時代の思考ツールWorkFlowy入門』の詳細目次と元エントリは、次のとおりです。

『クラウド時代の思考ツールWorkFlowy入門』の詳細目次と元記事の紹介

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