「Evernoteは便利だよ」ではない言葉で、Evernoteの魅力を表現する。
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Evernote
目次
1.「Evernoteは便利だよ」に違和感を感じる
「Evernoteってどんなツールなんだろう。」と興味を持って、ウェブでEvernoteのことを調べてみると、Evernoteを賞賛するたくさんのページが見つかります。これらのページのうちの多くがコアメッセージとして伝えようとしているのは、「Evernoteは便利だよ」です。
私は、Evernoteが大好きです。これまでも、このブログで、Evernoteのことをたくさん書いてきました。そして私も、「Evernoteは便利だよ」というメッセージを伝えようと思って、たくさんの文章を書いてきたように思います。「Evernoteを使えば、こんなことができる。便利でしょ?」という感じです。
でも、最近、この「Evernoteは便利だよ」に違和感を感じています。はっきりしたものではなく、なんとなくの違和感ではありますが、それなりに強い違和感です。
私が感じる「Evernoteは便利だよ」に対する違和感の正体は一体何なのか。なぜ、私は、「Evernoteは便利だよ」に違和感を感じるのか。ここでは、これを掘り下げてみます。
2.「Evernoteは便利だよ」に感じる違和感を掘り下げる
「便利」とは、何らかの目的を達成するために役立つ、という意味です。
この意味で言えば、Evernoteは、まちがいなく「便利」です。Evernoteは、いろんな目的を達成するために役立ちます。それも、ものすごく役立ちます。
なので、私が感じる「Evernoteは便利だよ」に対する違和感は、「Evernoteは便利ではない」ではありません。
それなのになぜ、「Evernoteは便利だよ」に違和感を感じるのでしょうか。現段階で私がEvernoteでしている3つのことをピックアップして、ひとつひとつふり返ることで、考えてみます
(1) 私の毎日で、Evernoteは、どんなふうに力を発揮しているか
a.子ども成長記録ノートの作成と共有
まず、私は、Evernoteを、子どもの成長記録を蓄積するために使っています。Evernote子ども成長記録ノートです。
我が家で大活躍!子育てを彩る、Evernote子ども成長記録ノートの作り方と共有方法
やってることはごくごく単純で、1日あたりひとつのEvernoteノートを用意して、そこに写真と文字とで子どもの成長記録を残すだけです。
なぜ、この用途に、Evernoteを使っているのでしょうか。
まず、手軽さです。PostEverやWriteNoteProのような、ひとつのノートに写真と文字を追記できるアプリを使えば、iPhoneやAndroidスマートフォンだけで、Evernote子ども成長記録ノートを簡単に実現できます。
Evernote子ども成長記録ノートをママと一緒にやるために、パパにできること(パパ向け)
次に、共有です。パパママはもちろん、じぃじばぁばに共有するのも簡単です。
Evernote子ども成長記録ノートを、じぃじ・ばぁばと共有すれば、みんなハッピー。
さらに、これは期待するしかないところではありますが、Evernoteなら、10年、20年単位で続いてくれることが期待できる、というのも大きなメリットです。
誕生日おめでとう、Evernote日本語版。Evernoteが100年続くことを信じて、Evernoteを使う
b.読書メモの一元化
次に、私は、Evernoteに、読書メモを一元化しています。
今や、私の読書の大部分はKindleなのですが、Kindleは、ハイライト箇所をkindle.amazon.co.jpで表示できますので、このページをウェブクリップすることで、Kindle本の読書メモをEvernoteに取り込みます。
Kindleのハイライト箇所をテキストでEvernoteに取り込み、読書のアウトプットを促す(kindle.amazon.co.jp)
また、Kindleがどんなに便利でも、三色ボールペン方式が使えるなど、紙の本にもいいところがあるのですが、その紙の本の読書メモも、iPhoneで写真撮影することで、Evernoteに取り込んでいます。
このように、Evernoteに読書メモを蓄積すれば、その読書メモをとっかかりに、書評エントリを書くことがはかどります。書評エントリを書くことは、私史上最強の読書術なので、Evernoteのおかげで、私の読書は、おおいに促進されていると言えます。
c.完了タスク情報の蓄積
それから、私は、Evernoteに、Toodledoの完了タスク情報を蓄積しています。IFTTTというクラウドサービスを利用して、自動的に取り込んでいます。
Evernote×Toodledo Toodledoの完了タスクをEvernoteに蓄積するiftttレシピの整理
なんのためにこんなことを始めたのかと言えば、完了タスク情報の蓄積から、ログとしての価値とマニュアルとしての価値を掘り出せるのではないかと期待したからです。
実際にやってみて気づいたメリットは、Toodledoの完了タスク情報がEvernoteに残ることで、ToodledoとEvernoteに感情を受け止めてもらえるような気がすることです。感情面のメリットですが、これによって、安心してタスクに取り組むことができるようになりました。
「やれば残る」から、やる気になる。(ToodledoとEvernoteによる「タスクの実行」のやる気を出すシステム)
Toodledoの完了タスクの情報から、価値を掘り出す・ログとしての価値とマニュアルとしての価値
(2) 「目的達成のために役立つ手段であること」と「それ自体が目的になること」
さて、Evernoteでしている3つのことをふり返って感じることが、ふたつあります。
a.Evernoteは、目的達成のために役立つ手段である
ひとつは、Evernoteは、目的を達成するために役に立つ、ということです。
子どもの成長記録を文字と写真で残したいという目的、読書メモを蓄積して書評エントリというアウトプットに繋げたいという目的、Toodledoの完了タスク情報から価値を掘り出したいという目的それぞれを達成するために、Evernoteは役に立っています。
Evernoteは、手段として、とても優秀です。
b.Evernoteは、Evernote自体が目的になる
でも、私が感じることが、もうひとつあります。それは、Evernoteは、目的を達成するための手段以上の何かではないか、もっとハッキリ言えば、Evernoteは、それ自体が目的でもあるんじゃないか、ということです。
たとえば、Evernote子ども成長記録ノート。
Evernoteに子ども成長記録ノートを残せば残すほど、Evernote自体に対する愛着が増えています。今、私がEvernoteに子どもの成長記録を蓄積し続けているのは、それによってEvernote自体の価値が上がるように感じているからでもあります。
でも、Evernote子ども成長記録を2年以上続けてきたら、2年分の子ども成長記録を蓄積しているEvernote自体が、ひとつの実体のようになってきました。
当初、私は、写真と文字で手軽に子どもの成長記録を残せるツールや実家の両親に共有できるツールを求めて、Evernoteを使いはじめました。このとき、Evernoteは手段でした。
たとえば、Evernoteに蓄積した読書メモ。
今では、いい本に出会えると、その本の読書メモをEvernoteに蓄積できることを思って、うれしくなるほどです。
でも、Evernoteに蓄積する本が10冊、20冊と増えていくにつれて、いい本の読書メモをEvernoteに蓄積すること自体に、価値を感じるようになりました。
当初私がEvernoteに読書メモを蓄積することを始めたのは、Evernoteに読書メモを蓄積すれば、読書の後のアウトプットが促されるからでした。このとき、Evernoteは、手段でした。
ここで生じたことは、Evernoteにいろんな情報を蓄積し続けているうちに、Evernoteの中に保存されている個々の情報ではなく、それらの総体であるEvernote自体に価値を感じるようになった、ということです。Evernote自体を実体のように感じて、そこに価値を感じること。これが、Evernote自体が目的でもあるんじゃないか、ということの意味です。
(3) 「Evernoteは便利だよ」に感じる違和感の正体
ここまで考えたら、「Evernoteは便利だよ」に感じる違和感の正体がわかりました。
Evernoteには、2つの強みがあります。
ひとつは、Evernoteが優れた手段であるという強みで、もうひとつは、Evernoteそれ自体が価値を持ち、それ自体が目的になるという強みです。
ひつとめの強みは、わかりやすいです。クラウドであることやウェブクリップ、柔軟なエディタなどの豊富な機能によって、Evernoteは、いろんな目的を達成するための優秀な手段になります。
これに対して、私が感じるEvernoteの魅力は、むしろふたつめの、Evernoteそれ自体が価値を持ち、それ自体が目的にもなるという強みにあります。
Evernoteは、使い続けているうちに、Evernote自体が価値を持ち、Evernote自体が目的にもなりうるツールです。こんなツールを、私はこれまで知りませんでした。
しかし、「Evernoteは便利だよ」という言葉が表現するのは、ひとつめの強み、手段としての優秀さだけです。Evernoteにいろんな情報を蓄積し続けていくと、Evernoteの中に保存されている個々の情報ではなく、それらの総体であるEvernote自体がひとつの実体のように感じられて、それ自体が目的となりうるという側面を、この言葉は、表現してくれません。
だから、私は、「Evernoteは便利だよ」という言葉に違和感を感じていたんだろうと思います。
3.「Evernoteは便利だよ」にかわる言葉を求めて
「Evernoteは便利だよ」に感じる違和感の正体がわかったので、「Evernoteは便利だよ」に変わる別の言葉を探したいなと思います。
単に便利な手段であるだけでなく、それ自体が目的でもあるようなツールであること。これを表現する言葉を見つけることができたら、これまでよりももっと上手にEvernoteの魅力を語ることができるようになるかもしれません。
たとえば、「Evernoteは楽しい」は、悪くありません。でも、この言葉は、ふたつめの強みに偏りすぎているような気もします。
すぐには見つからないでしょうが、自分がEvernoteに感じる魅力をぴったり表現してくれる言葉を求め続けていきたいと思います。
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