「自分のすべてを行うワークスペース」で、「作業場としてのEvernote」に光が当たる。
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Evernote
目次
1.Evernoteの新しいメタファーとキャッチフレーズ
2014年10月2日・3日、Evernoteは、EC4として、年に一度のEvernoteカンファレンスを行いました。
年に一度の Evernote カンファレンス(EC)。4 回目となる今年は会場をフォート・メイソン・センターに移し、「EC4」として 10 月 2 日・3 日の 2 日にわたって開催しました。
EC4では、コンテキストやワークチャットなどの新機能や、Scannableなどの新しいアプリといった、具体的なニュースも発表されました。全部楽しみです。
でも、それらと同じくらいか、ひょっとするともっとうれしくて楽しみに感じるのは、Evernoteの新しいメタファーとキャッチフレーズです。
Evernote は「書く」「集める」「見つける」「発表する」という、私たちが毎日行う 4 つのアクションを行えるワークスペースです。
これまでのEvernoteが掲げていたキャッチフレーズは、「すべてを記憶する」です。これまでのEvernoteの自己紹介は、「すべてを記憶する「第2の脳」。それがEvernoteです。」という感じでした。
これに対して、EC4で示されたメタファーは、「ワークスペース」です。Evernoteの新しいキャッチフレーズは、「大切な仕事に。自分のすべての作業を行うワークスペース、それがEvernoteです。」になりました。
2.新しいメタファーとキャッチフレーズが、うれしくて楽しみな理由
(1) いままでもこれからも、Evernoteは、「すべてを記憶する第2の脳」&「自分のすべての作業を行うワークスペース」
メタファーとキャッチフレーズは、大きく変わりました。でも、いまのところ、Evernoteそのものは、それほど変わっていません。
「すべてを記憶する第2の脳」というメタファーとキャッチフレーズがなくなったこれからも、Evernoteは、「すべてを記憶する第2の脳」という側面を持ちつづけます。また、「自分のすべての作業を行うワークスペース」というメタファーとキャッチフレーズを掲げていなかったこれまでも、Evernoteは「自分のすべての作業を行うワークスペース」という側面を持っていました。
いままでも、これからも、Evernoteは、「すべてを記憶する第2の脳」であり、「自分のすべての作業を行うワークスペース」です。
(2) メタファーとキャッチフレーズが変わることが楽しみな理由
それでも、私は、「自分のすべての作業を行うワークスペース」という新しいメタファーとキャッチフレーズをEvernote自身が掲げたことが、うれしくて、楽しみです。
なぜ、この新しいメタファーとキャッチフレーズがうれしくて楽しみなのか。理由は、2つあります。
a.Evernoteから価値を引き出せる人が増える
ひとつめは、Evernoteから価値を引き出せる人が増えそう、という期待です。
私がEvernoteを使い始めてから今日までの数年間で、Evernoteというサービス自体は、かなりメジャーになりました。いまや、たくさんの人が、Evernoteというサービスのことを知っています。
でも、Evernoteが何によって知られているか、を考えてみると、いまのところ、Evernoteは、上で書いた2つの側面のうち、「すべてを記憶する第2の脳」という側面によって知られており、「自分のすべての作業を行うワークスペース」という側面によっては、あんまり広く知られていない気がします。
私は、「すべてを記憶する第2の脳」の側面だけが広く知られ、「自分のすべての作業を行うワークスペース」の側面があんまり知られないことを、もったいなくて、物足りなくて、歯がゆく感じます。「自分のすべての作業を行うワークスペース」という側面を重視してこそ、Evernoteから価値を引き出せる人が、たくさんいるんじゃないか、と感じるからです。
別の言葉で言えば、
- 「すべてを記憶する第2の脳」はいらないけれど、「自分のすべての作業を行うワークスペース」は欲しい
- 「すべてを記憶する第2の脳」は使いこなせないけれど、「自分のすべての作業を行うワークスペース」は使いこなせる
- 「すべてを記憶する第2の脳」から価値を引き出すのは苦手だけれど、「自分のすべての作業を行うワークスペース」からなら大きな価値を引き出せる
こんな人が、割合としてはともかく、絶対数で言えば、かなりたくさんいるんじゃないかなと思っています。
Evernote自身が、自らを「自分のすべての作業を行うワークスペース」としてアピールすれば、Evernoteの「自分のすべての作業を行うワークスペース」という側面は、これからどんどん広く知られていくはずです。そうなれば、
- 「すべてを記憶する第2の脳」はいらないけれど、「自分のすべての作業を行うワークスペース」は欲しい
- 「すべてを記憶する第2の脳」は使いこなせないけれど、「自分のすべての作業を行うワークスペース」は使いこなせる
- 「すべてを記憶する第2の脳」から価値を引き出すのは苦手だけれど、「自分のすべての作業を行うワークスペース」からなら大きな価値を引き出せる
という人が、Evernoteの可能性に気づき、Evernoteを使いこなしはじめ、Evernoteから大きな価値を生み出すようになるかもしれません。
私は、これがとてもうれしくて、また、とても楽しみです。
b.ワークスペースとしての機能強化が期待できる
ふたつめの理由は、今後、Evernoteのワークスペースとしての機能強化が期待できるんじゃないか、ということです。
Evernoteは、いまのままでも、私にとって、よいワークスペースです。特に文章を書くという作業のためなら、Evernoteは、これまでに私が体験してきた中で、まちがいなく最高のワークスペースです。
文章を書くツールとしてEvernoteを使うことのメリット テキストデータのポケットひとつ原則
なのですが、欲を言えば、もうちょっと強化して欲しい機能もあります。たとえば、次の3つです。
- (1) テキストエディタとしての機能
Evernoteで文章を書く前、私は、秀丸エディタを愛用していました。私が書くのは日本語の文章とHTMLくらいですので、秀丸エディタのような高機能エディタである必要はたぶん全然ないのですが、それでも秀丸エディタの正規表現やHTMLの自動色分け機能などには、いつも助けられていました。
Evernoteのエディタ欄は、ひととおりの入力機能は備えています。でも、写真などを添付できる反面、テキストだけを扱う場合は、テキストエディタと比較すると、若干力不足です。正規表現は使えませんし、たとえばタブを入力することもできません(半角スペース5個になる)。
そこで、Evernoteのエディタ欄が、シンプルなテキストエディタのような機能を備えると、すごくありがたいなあと感じます。
- (2) アウトライナーとしての機能
私は、構造のある文章を書くのが好きです。構造のある文章を書くためには、アウトライナーが役に立ちます。階層を作ったり、項目の大小関係を管理できます。階層を折りたたんだり、まとまりごとで並び替えたりできるアウトライナーの機能を使えば、構造のある文章を書くのが、ずいぶんと簡単になります。
Evernoteのエディタ欄がシンプルなアウトライナーになると、すばらしいです。階層の折り畳みと項目の並び替えくらいでよいので、シンプルだけれどツボを押さえたアウトライナー機能を備えれば、かなり大きな価値がここから生み出されるはずです。
- (3) バージョン管理機能
私がEvernote上で行っている作業の多くは、文章を書くことです。
ひとつのまとまった文章を書くためには、何度も書き直しをします。また、ひとつの文章を複数に分けたり、複数の文章をひとつにまとめたりなどもします。このとき、バージョン管理ができると、この作業が捗ります。
現時点でも、Evernoteには、履歴機能があります。しかし、この履歴機能は、実際に昔の履歴を復活させてみるまでは、どんなバージョンなのかがわかりません。たとえば、プログラミングのGitのような機能があっても面白いんじゃないか、と感じます。
3.「作業場としてのEvernote」に光が当たり、これからのEvernoteが、ますます楽しみ
少し前に、こんな文章を書きました。
「倉庫としてのEvernote」「作業場としてのEvernote」
ここに書いたのは、概要、こんな感じです。
- Evernoteは、いろんなものをそのまま保管しておく倉庫だと思われています。
- でも、Evernoteは、いろんなものの価値をそこで増やしていく作業場としても、かなり強力です。
- Evernoteを作業場として使うと、今までよりも大きな価値をEvernoteから引き出せるようになるかもしれません。
このたびEvernoteが掲げた「自分のすべての作業を行うワークスペース」というメタファーとキャッチフレーズは、「作業場としてのEvernote」に光を当てます。
これによって、今後、たくさんの方がEvernoteを作業場として使うようになるはずです。そうなれば、「倉庫としてのEvernote」からはあまり価値を引き出せなかったけれど、「作業場としてのEvernote」からは価値を引き出せる方が、ぐんと増えるのではないかと思います。
そうなれば、これまで以上に、「作業場としてのEvernote」のノウハウが蓄積されていくはずです。また、「作業場としてのEvernote」を拡張するアプリがますます充実するはずです。さらに、Evernote自身も、「作業場としてのEvernote」の側面を重視した機能強化を進めていってくれることでしょう。
「作業場としてのEvernote」に光が当たったEvernote。ますます楽しみになってきました。
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