もうすぐ父親になる友人に伝えた3つのアドバイス(Evernote、iPad、『子どもへのまなざし』)
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子育て
かなり仲のよい友人が、もうすぐ父親になります。先日、彼と飲んだとき、彼から、父親になる前にやっておいた方がいいことを聞かれました。
「子どもが生まれたら時間がなくなるから、今のうちにやりたいことをやっておく」「家事を便利にする家電の導入を検討する」「夫婦でランチに出かける」などなど、いくつかのことが思い浮かびましたが、これらはどれも本やブログで読んだ他人の意見の受け売りです。
なので、地に足をつけて、自分自身の経験から、やってよかったなと感じている3つのことを、そのまま伝えました。かなり偏ってますが、まあ、一例として。
1.Evernoteをどう子育てのために使うかを考えて、環境を準備する
ひとつめは、Evernoteをどう子育てのために使うかを考えて、環境を準備することです。
最初にもってくるべきものかは微妙ですが、少なくとも我が家では、Evernoteは子育てに欠かせません。
ただ、Evernoteは、子育て専用サービスではなく、汎用サービスです。そのため、Evernoteを子育てに使おうと思ったら、最初に、どんなふうに使うかを自分で決めなければいけません。また、Evernoteを使う意味は、いろんなサードパーティ製のアプリや連携するクラウドサービスを使うところにあるので、これらのアプリやクラウドサービスをあらかじめ環境を準備しておく方がよいです。
これらの作業は、それなりに時間が必要なので、子どもが生まれる前の時間に余裕がある時に、ある程度進めておく方がよいと、私は思っています。
(なお、子育てに関してEvernoteと同じようなことを実現できる手段は、ほかにもあるはずです。でも、私が使っているのはEvernoteだけです。なので、Evernote以外の手段と比較して、Evernoteを使うことそのものの良し悪しを検討することは、私にはできません。)
(1) Evernoteをどう子育てに使うか考える
まず、Evernoteを子育てにどう使うかを考えます。このためには、他の人のいろんな使い方を見るのがいちばんです。
我が家では、こんな感じです。
我が家の子育て×Evernote。子育てのためにEvernoteに入れているものと、その目的・方法
ただ、上の記事にはいろいろと書きましたが、圧倒的なメインは、Evernote子ども成長記録ノートで、それ以外は、かなり適当です。
我が家で大活躍!子育てを彩る、Evernote子ども成長記録ノートの作り方と共有方法
Evernote公式ブログの情報は、あんまり具体的ではありませんが、きれいにまとまっています。
出産・子育てにEvernoteを活用 ー 後編『生まれてから』 Evernote日本語版ブログ | すべてを記憶する | Evernote
パパアンバサダー・宮原礼智さんの使い方は、すごく参考になります。私も、子どもが大きくなるに従って、どんどん取り入れていく予定。
「子育てのすべてを入れておく。それがいつか思い出になる」――パパアンバサダー・宮原礼智さんの Evernote 活用術 Evernote日本語版ブログ | すべてを記憶する | Evernote
(2) Evernoteを子育てに使う環境を準備する
環境の準備は、アプリとクラウドサービス連携です。
a.Evernoteと連携するiPhoneアプリ
私の友人の彼はiPhoneです。iPhoneにはEvernote連携アプリが豊富です。とくに、子育てにとっては、写真を手軽に送信できるものが便利なので、この辺りが使えると思います。
まず、PostEver。1日1ノートにまとめてくれるため、育児日記に最適です。
iTunes の App Store で配信中の iPhone、iPod touch、iPad 用 PostEver 2 – ライフログ,ToDo,日記を素早くEvernoteに記録
PostEverはカスタマイズがあんまりきかないので、もっとこった記録方法をしたいなら、StackOneがおすすめ。
Cocoaの日々: アプリ【 StackOne 】をリリースしました
拡張現実ライフのあきおさん(@akio0911)が開発されているCellMemoは、写真とテキストを手軽に並べ替えることができるので、1日1回成長記録のまとめノートをEvernoteに記録する方式なら、ベストなアプリかもしれません。
iTunes の App Store で配信中の iPhone、iPod touch、iPad 用 CellMemo – Evernoteに素早くメモ作成
ほかにも、Evernoteと連携するiPhoneアプリはたくさんあります。このブログを見ておけば、めぼしいアプリは全部カバーできます。(中の人のika621さん(@ika621)も子育て中なので、Evernoteを子育てに使う系の記事も豊富です。おすすめ。)
Evernote連携アプリまとめ(In Punksteady) – NAVER まとめ
b.他のクラウドサービスとの連携
Evernoteと他のクラウドサービスを連携させるためには、いくつかの手段があります。でも、いちばんの基本で、かつ汎用性が高いのは、IFTTTです。
IFTTTとはなんぞや、また、IFTTTとEvernoteの連携させるとどんなことができるのかは、このページがわかりやすいです。
R-style » EvernoteとIFTTTのおさらい(1) 〜IFTTTとは何か〜
R-style » EvernoteとIFTTTのおさらい(2) 〜トリガーとアクション〜
また、IFTTTを使って他のクラウドサービスとEvernoteを連携してできることは、このページを見るとイメージが掴めるかと思います。
【万能感】あらゆるライフログを「1日1ノートで」Evernoteに記録できる方法があった! | そふぁねブログ
2.iPadを3台用意する
ふたつめは、iPadを3台用意することです。
1台は、自分の家で、子育てのための情報収集と子どもの成長記録閲覧のために使います。残り2台は、両方の実家に1台ずつわたして、孫とのホットラインを構築します。
(1) 自分の家で、iPadを子育てに使う
我が家では、子育てのためにもっとも役に立っている道具のひとつが、iPadです。子どもが生まれてからの2年間、iPadは、エルゴベビー(抱っこ紐)と並ぶほど、八面六臂の活躍です。
といっても、iPadに子育て用のアプリを入れてiPadで子どもをあやす、というわけではありません。というか、iPadなら、このような使い方もできます。でも、強力すぎる気がするので、私は使わないようにしています(参考:子どもとiPadの、両親共通の我が家ルール)。
では、なにに使うか。
ひとつは情報収集です。たとえば、離乳食のレシピをクックパッドで調べたり、週末のおでかけスポットをGoogleで探したりします。
クックパッドもGoogle検索も、パソコンでもiPhoneでも可能です。でも、金曜日夜にリビングでくつろぎながら、夫婦で週末の予定を相談しているときに、わざわざパソコンを開くのは大げさですし、iPhoneでちまちま検索していると画面を二人で見るのがやりにくいので、あんまり相談になりません。
iPadが1台あると、リビングがインターネットにつながります。このインパクトは圧倒的です。
もうひとつは、子どもの成長記録閲覧です。
我が家は、Evernoteに子どもの成長記録をしまっているのですが(参考:いちばん大切な、子どもの成長記録を、Evernoteにしまい続ける)、このEvernote子ども成長記録ノートを家でゆっくりと見るなら、iPadがいちばんです。
iPadなら、子どもと一緒にEvernote子ども成長記録ノートを眺めることもできます。
(2) 両方の実家に、孫とのホットラインをつなぐ
3台用意したうちの残り2台のiPadは、両方の実家に設置します。それでなにをするか。実家の両親と孫との間に、ホットラインを繋ぎます。
ホットラインは、3つです。
a.FaceTimeでテレビ電話
ひとつめは、Appleが提供するテレビ電話、FaceTimeです。
FaceTimeがつながらないときは、iOSを最新版にアップデートする(2014/04時点の情報)
母の日にiPadを贈る(7) 大画面テレビで大画面テレビ電話
b.写真の共有(Google+がおすすめ)
ふたつめは、写真の共有です。我が家は、Google+を使っています。
母の日にiPadを贈る(5) iPad×Picasa×BestAlbumで作る孫の写真閲覧システム
c.Evernote子ども成長記録ノート
みっつめは、Evernote子ども成長記録ノートの共有です。
Evernote子ども成長記録ノートを、じぃじ・ばぁばと共有すれば、みんなハッピー。
Evernote子ども成長記録ノートをママと一緒にやるために、パパにできること(パパ向け)
●
ただし、どこまでのホットラインをつなぐかは、夫婦で話し合って決めましょう。
3.『子どもへのまなざし』を読む
みっつめは、『子どもへのまなざし』を読むことです
(1) 『子どもへのまなざし』には、子育ての基本的な考え方が書いてある
私は基本的な原理とか考え方がかなり好きなので、子育てを始めるにあたって、何か基本的な考え方の枠組みを提供してくれる本がないかなあと、Amazonを探しました。何冊かの本を読んだ結果、子育てを始める前の当時も、約2年の子育てをしている今も、ダントツでいちばんよいと思うのは、佐々木正美氏の『子どもへのまなざし』です。
次の記事でも、『子どもへのまなざし』を絶賛しました。
大げさですが、すべてのプレパパが『子どもへのまなざし』を読んでから父親になると、社会がちょっと変わるんじゃないか、とすら思っています。
(子育ての秘訣は「子どもの望む親になると、結果として、親の望む子どもになる」ということ。佐々木正美『「お母さんがすき、自分がすき」と言える子に』より)
同じくパパブロガーの坂根さん(@sakane0958)も、私と同じような感覚で、この本を捉えてくださっています。
@irodraw まだ半分ですが、こういう「考え方」「事象のとらえ方」を説く本は、一度読んでおくと自信を持って育児ができる気がしますね。
私も処分してしまう前に気付くことができて良かったです。
— 坂根@司法書士ブロガー (@sakane0958) 2014, 6月 22
『子どもへのまなざし』などの佐々木正美氏の著作には、いくつかの、子育てについての基本的な考え方が紹介されています。
たとえば、「子どもの望む親になると、結果として、親の望む子どもになる」ということ。親は、ついつい、子どもに対して、「親の望む子」になることを求めてしまいます。でも、佐々木正美氏は、子どもに親の望む子になってほしいと望むのではなくて、親自身が、「子どもの望む親」になることだけを考えるとよい、と言います。そして、親自身が「子どもの望む親」になると、結果として、子どもが、「親の望む子」に育っていく、と言います。
また、『子どもへのまなざし』は、「待つ育児」を大切にしています。育児本には、スプーンで食事をするようになるのは1歳ころ、おむつが外れるのは2歳ころとか、いろいろと書いてあります。でも、佐々木先生は、誰だってそのうちスプーンを使えるようになるし、おむつは外れるんだから、そんなのいつでもいいし、遅くてもいいんだ、と言います。そして、親が、「いつやるかはあなたが決めていいよ。待つからね。」という姿勢でいることが大切だ、と言います。
(2) まずは抽象的な理屈を頭に入れておく
『子どもへのまなざし』は、具体的なノウハウや子育てテクニックを教えてくれる本ではありません。『子どもへのまなざし』に書いてあることは、基本的な考え方、言葉を変えれば、抽象的な理屈です。
実際の子育ては、抽象的な理屈ではわりきれないことも多いです。抽象的な理屈だけを覚えていても、それだけではなんともなりません。
でも、抽象的な理屈が役に立たないかといえば、そうではありません。抽象的な理屈だとしても、頭に入れておけば、ときにとても役に立ちます。
たとえば、この2つ、「子どもの望む親になる」と「待つ育児」は、どちらも抽象的な理屈ですが、我が家の育児にとっては、子どもが生まれてから今に至るまで、大きな力を発揮し続けています。この抽象的な理屈を知っているからこそ、子どもと接するときに「今、この子は自分に対して、どんな親になることを求めているのかなあ」と考えたり、「標準月齢」になっても歩かなくても、「いつ歩き始めるかはあなたが決めていいよ。待つからね。」と考えることで気持ちに余裕を持てたりしました。
いずれにせよ、『子どもへのまなざし』は、親の危機感を煽るようなところは全然ないので、少なくとも読むことでマイナスの影響が生じてしまうリスクはない本です。読んで損はありませんので、もうすぐ父親になる人全員に、私は『子どもへのまなざし』をおすすめしたいなと思っています。
なお、『子どもへのまなざし』はKindle版がありません。Kindleで読みたい方は、おなじ佐々木正美氏の、次の2冊をおすすめします。
佐々木正美『「お母さんがすき、自分がすき」と言える子に (新紀元社の子育てシリーズ)』
参考:子育ての秘訣は「子どもの望む親になると、結果として、親の望む子どもになる」ということ。佐々木正美『「お母さんがすき、自分がすき」と言える子に』
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