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子育ての秘訣は「子どもの望む親になると、結果として、親の望む子どもになる」ということ。佐々木正美『「お母さんがすき、自分がすき」と言える子に』

公開日: : 子育て

1.心の底から読んでよかったと思う子育ては、佐々木正美先生の『子どもへのまなざし』

『子どもへのまなざし』という本があります。

佐々木正美『子どもへのまなざし』

『子どもへのまなざし』は、有名な子育て本です。児童精神科医である佐々木正美先生が、やわらかな語り口で、親や保育者に向けていろんなことを語っています。

私がこの本を読んだのは、父親になる少し前のことでした。この本を読んだことによって、多少なりとも、ゆったりとした気持ちで、生まれてきてくれた我が子に向き合うことができたような気がします。

今からふり返ると、プレパパ時代に『子どもへのまなざし』を読んだことは、大きなファインプレイでした。私は、心の底から、『子どもへのまなざし』を読んでよかったなあと思っています。

2.Kindleで読める佐々木正美先生の著作は2つ

プレパパ時代に『子どもへのまなざし』を読んだことを心の底からよかったと思っているので、私は、世の中のすべてのプレパパにも、『子どもへのまなざし』をすすめたいと思っています。

大げさですが、すべてのプレパパが『子どもへのまなざし』を読んでから父親になると、社会がちょっと変わるんじゃないか、とすら思っています。

でも、『子どもへのまなざし』は、ハードカバーなので、重たくて大きいです。サラリーマンが満員の通勤電車に揺られながら読むには、ぜんぜん向きません。

そこで、『子どもへのまなざし』のかわりに、Kindleで読める佐々木正美先生の著作をご紹介します。2014年6月現在、Kindleで読める佐々木正美先生の著作は、次の2冊です。

佐々木正美『「育てにくい子」と感じたときに読む本』

佐々木正美『「お母さんがすき、自分がすき」と言える子に (新紀元社の子育てシリーズ)』

どちらもわかりやすく、おすすめです。この2冊にも『子どもへのまなざし』と同じようなことが書いてありますので、『子どもへのまなざし』が大きくて重たいために躊躇しているプレパパには、この2冊をおすすめします。

(そして、この2冊がしっくりきたら、自宅でゆっくりと『子どもへのまなざし』を読んでみてください。)

3.『「お母さんがすき、自分がすき」と言える子に (新紀元社の子育てシリーズ)』から、いくつか抜粋

佐々木正美先生の魅力の一端をご紹介するため、『「お母さんがすき、自分がすき」と言える子に (新紀元社の子育てシリーズ)』から、いくつか抜粋します。

(1) 子育ての秘訣は、子どもの望む親になること

佐々木正美先生が繰り返しおっしゃるメッセージは、子育てでいちばん大切なのは、子どもの心に基本的信頼を育てることだ、ということです。

子育てで何がいちばん大切なのかと言いますと、私は何よりも子どもの心に基本的信頼感を育てることがいちばん大切だと思います。 location 193

基本的信頼というのは、アメリカの教育心理学者であるエリクソンが提唱した概念だそうです。

エリクソンが言うには、基本的信頼は、人間的な成長の土台です。基本的信頼があれば、その後の成長はたいていうまくいきます。でも、基本的信頼がなければ、その後の成長はうまくいきません。

基本的には自分を信じてもらうことによって、自信を持っていく。それがすべての子どものこれから先における自律的な社会的な行動の原動力、基盤です。建物でたとえると基礎工事にあたります。土台のコンクリート打ちです。そこが不安定で生乾きのうちに、柱を立てようとか、床を張ろうとしても無理なわけです。ところがその無理を子育ての中でしばしばしてしまのですね。 location 335

やはりベースになるのは基本的信頼です。基本的信頼感があれば、様々な問題を乗り越えていく上で、より重要なエネルギーになるだろうと思いますlocation 2755

では、基本的信頼を育てるには、どうしたらいいでしょうか。基本は、自分を信じてもらうことによって、信じてくれた人を信頼し、自分を信頼する、という関係を育てることです。

子どもは自分を信じてもらうことによって、信じてくれた人を信じます。そして自分が信じられたことによって、自分を信じることができるのです。こういう関係がまず基本なのです。location 221

具体的には、どうしたらよいのでしょうか。要するに、子どもの言うことをそのまま聞いてあげる、ということです。抱っこを要求されたら、抱っこする。遊んでほしいと言われたら、遊ぶ。それだけだそうです。

ということは小さい時ほど、子どもの言うことをそのまま聞いてあげるといいのです。location 286

子どもの言うことを可能な限り受け入れてあげる。小さい時ほどそれをそのままストレートに受けてあげれば、問題も起きませんし、ラクなのです。location 302

これを別の言葉で表現すれば、「子どもの望む親になる」ということです。

別の言い方をすると、親が自分の思い通りになる子どもを持つことでよろこびを感じるのではなくて、もちろんその感情をゼロにはできませんが、日頃の心がけとして、子どもが喜ぶ親でいてあげたいという気持ちで育児をすることですね。location 436

佐々木先生は、「子育ての秘訣は子どもの望むような親になってあげようと努力していると、その結果として、親の望むような子どもになってくれるということにある」といいます。至言ですねえ。

(そして、これは、『7つの習慣』の第一の習慣や第五の習慣にも通じます。)

子育ての秘訣は子どもの望むような親になってあげようと努力していると、その結果として、親の望むような子どもになってくれるということにあるのですね。location 718

(2) 上手なしつけの仕方は、「待つ」こと

次に、しつけに関するもろもろです。我が家の子どもは現在2歳です。そろそろしつけも考えた方がいいかなあという時期なので、いろいろ参考になります。

まずは、やはり基本的信頼です。基本的信頼の土台なしに、しつけはできません。「子育てに飛び級はない」と、佐々木先生とエリクソンは言います。

だから基本的信頼感がない子どもにはしつけはできません。首が座らなければ寝返りが打てないように、飛び級はないということですね。心理的な側面で一見見せかけの前進があるように見えますが、結局はだめだとエリクソンも言っています。 location 1000

基本的信頼の土台を前提として、しつけで大切なのは、「待つ」と言うことです。

待つというのは、自分でその時期を決めればいいと言ってあげることです。私は自律という字は「自分で決める」という意味だと思っています。 location 1053

従わせるのではなく、待つことが大切なのです。 location 1073

ポイントは3つ。子どもの自尊心を傷つけないようにする。何度も穏やかに伝える。そして、いつできるようになるかは子どもに決めさせて、親はそれを待つ。

つまりしつけのポイントは三つです。子どもの自尊心を傷つけないようにすること、そしてしつけたいことを、何度もくり返し伝えること、そしてそれがいつできるようになるかは、子どもに決めさせてあげること。何を伝えていくかは親の価値観によって違うでしょう。百人いれば、百人のしつけの内容があります。だけど原理原則はこういうことです。 location 1084

なるほどそうかと、本人がある程度または十分に納得してその行動ができるように なるためには、基本的にはやさしく穏やかな言葉でくり返し言ってあげる、また親がそういう場面でお手本を見せてあげる、そしてゆっくり待っていてあげることだと思います。 location 1531

そのまんまでいいよという「待つ」愛情が大切ですね。 location 1908

(3) 子どもの時代は大人になるための準備期間ではないから、子どもの今をハッピーにする

親は、ついつい、子どもの将来のことを考えるもの、だそうです。将来のために、今のうちにあれをやらせてあげなきゃ、みたいな感じです。

これに対して、佐々木先生は、子どもの時代は大人になるための準備期間じゃない、とおっしゃいます。

子どもは大人になるためにあるのではなく、子どもの時代を生きるためにあるということに大人が気づかないといけませんlocation 2940

だから、親は、子どもの今を大切にして、子どもの今をハッピーになるようにするのが大事なんだ、とおっしゃいます。

今我慢して努力しておけば将来バラ色だと考えるようではダメですよ。今が 大事なのです。今を大事にしてあげることによって、少し大きくなった時に子ども達は自分の将来を大事にできるのです。ですから、子どもの今この瞬間をハッピーにすることです。 location 2126

そのために大切なのは、やはり、子どもが望んでいることをかなえる、ということです。ここでも、子どもが望む親になる、ということが大切なんだろうなと思います。

今を思いやるということは、具体的に、その子が本当にしたがっていることをできるように手伝ってあげることです。もちろんできる範囲内でですよ。location 2133

(4) 父親だからこそ果たせる役割

佐々木正美先生は、子育てに父親が果たせる役割についても、いいことおっしゃってます。

まず、父親が子どもと付き合える期間はわずかなんだということ。

そして、このように子どもとつきあう時間(期間)は、実は短いわずかな年数なのです。 location 3351

子どもが父親に寄ってくるのは二、三年ぐらいのものでしょう。この二、三年間を十分につきあえば、後は何もしなくてもいいくらいです。それをやり過ごしてしまいますと、その後長い年数が大変です。ですから、ぜひ休日には子どもの相手になってあげてほしいものです。 location 3395

たしかに、しばらくすれば、父親は厄介者扱いされちゃうかもしれませんね。

次に、夫婦の連携プレイ。とくに、しつけの場面で大切ですね。

このように、しつけといのは夫婦の価値観が一致しており、あうんの呼吸と言っても過ではないような夫婦の連携プレイが何よりも大切なのです。 location 3325

さらに、母親を支えることも父親が果たせる大切な役割だとおっしゃいます。

仕事を持っている働くお母さんだけでなく、多くの母親が望むのは、必要に応じてしっかりとした精神的な支えになってくれる夫であり、育児は父親と母親の二本柱の安定した連携プレイによってやっていきたいと思っていますねlocation 4090

父親として、どんな価値観を子どもに伝えたいのか、しっかり考えたいなと感じました。

お父さんがいつも子どものそばにいればいいというような時間の長短でなく、どんな価値観で、どんな生き方をしているかという姿勢を見せたり、考え方をしっかり伝えることが必要だと思っていますlocation 4292

(5) 「子育て以上に社会的に価値のある仕事は知らない」

最後に、佐々木先生の、この言葉をご紹介します。

「子育て以上に社会的に価値のある仕事は知らない」という言葉をひそかではあるけれど、私は絶えず言い続けていますlocation 2914

子育てをしていると、自分の時間がなかなか確保できません。新しいことを勉強したり、じっくり物を考えたり、体のメンテナンスをしたり、といったこと(いわゆる第二領域の活動)を、ついつい後回しにしてしまいます。そして、ときに焦ったり、ときに諦めに近い感情が湧いてきたりします。

でも、ほんとうは、子育てを大切にするのは、無駄なことでも不毛なことでもないんだろうと思います。子育ては、今の自分を没頭させるに値する、価値ある活動なんだということを、折に触れて思い返したいなあと感じました。

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    彩郎 @irodraw 
    子育てに没頭中のワーキングパパです。1980年代生まれ、愛知県在住。 好きなことは、子育て、読書、ブログ、家事、デジタルツールいじり。
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