『7つの習慣』と関連づけて読んできた15冊
目次
- 1.『7つの習慣』と結びついているたくさんの叡智
- 2.『7つの習慣』と関連づけて読んできた15冊
- 3.関連づけて読むことで、シナジーが創り出される
- □参考記事一覧□
1.『7つの習慣』と結びついているたくさんの叡智
『7つの習慣』という本があります。いわゆる自己啓発本の大ベストセラーです。
『7つの習慣』の著者であるコヴィー博士は、成功に関する幅広いジャンルの本や論文を徹底的に研究し、その成果を、『7つの習慣』として体系的に理論づけたそうです。
『7つの習慣』は、たくさんの叡智と結びついています。自己啓発本やビジネス書だけでなく、心理学、哲学、教育学や経営学など、学問的な成果とも結びついています。これが、『7つの習慣』の強みです。
私が『7つの習慣』を初めて読んだのは、20歳になる少し前のことでした。大きな衝撃を受けたことを覚えています。
それから今に至るまで、私はたくさんの本を読みました。それらの本の中に、しばしば、『7つの習慣』と関連する内容を感じました。そこで私は、それらの本を『7つの習慣』と関連づけ、読んできました。
そんな『7つの習慣』と関連づけて読んできた本を、ここにまとめます。
ピックアップしてみたら、全部で15冊になりました。『7つの習慣』の順序に沿ってご紹介します。
2.『7つの習慣』と関連づけて読んできた15冊
(0) 基本的な考え方と関連づけて読んできた1冊
ベンジャミン・フランクリン『フランクリン自伝』
『フランクリン自伝』は、ベンジャミン・フランクリンの自伝です。『7つの習慣』の中でも、人格主義のパラダイムにのっとった傑作であると高く評価されていました。
『7つの習慣』で高く評価されていたため、岩波文庫版を買ってきて、読んでみました。成功へのハウツー本としても役に立つと思いますが、ベンジャミン・フランクリンという人物の半生を辿るだけでも、かなり面白い本でした。
なお、齋藤孝先生が、『フランクリン自伝』を上達論の教科書として捉え直した本を書いています。
『筋を通せば道は開ける フランクリンに学ぶ人生の習慣』
こちらもおすすめです。まあ、『フランクリン自伝』そのものというよりも、齋藤孝先生の上達論が展開されている本とも言えますが。
(1) 第1の習慣「主体的である」と関連づけて読んできた2冊
a.刺激と反応との間のスペースを活用するための、フランクル心理学
ヴィクトール・E・フランクル『それでも人生にイエスという』
『それでも人生にイエス』というは、心理学者ヴィクトール・E・フランクルの講演集です。『7つの習慣』の第1の習慣「主体性である」において、「刺激と反応の間にスペースがある」という考え方が紹介されていますが、この「刺激と反応の間のスペース」という考え方を提唱したのが、ヴィクトール・E・フランクルなのではないかと思います。
ヴィクトール・E・フランクルの著作というと、『夜と霧』が有名です。『夜と霧』は、とてもよい本です。感動します。
でも、考え方を学ぶためなら、『それでも人生にイエスという』の方が、より直接的に書かれていて、おすすめです。講演録なので、わかりやすいですし。
b.影響の輪に集中する生き方を突き詰めるための、アドラー心理学
岸見一郎『嫌われる勇気』
『7つの習慣』では明示的に言及されていませんでしたが、アドラー心理学も、第1の習慣「主体的である」に大きな影響を与えているそうです。
たしかに、第1の習慣とアドラー心理学は、多くの点で共通します。特に、影響の輪に集中するという確信部分は、アドラー心理学そのものと言えます。
以前、私は、岸見一郎先生の著作で、アドラー心理学を学びました。この『アドラー心理学入門』です。
『アドラー心理学入門』は、体系的にまとめられたわかりやすい入門書です。私は大好きでした。
そのためか、最初に『嫌われる勇気』の存在を知ったとき、私は、そんなの邪道だ、と思いました。ストーリー仕立てにすることで、耳ざわりのよい所だけが強調されるのではないか、と危惧しました。
でも、そんなことはありませんでした。『嫌われる勇気』は、読みやすく、おもしろい本でありながら、ストーリーを追うだけでアドラー心理学の核心がわかってしまうという、すごい本でした。
今、アドラー心理学に興味を持った方が身近にいたら、私は、迷わず、この『嫌われる勇気』をおすすめします。
(2) 第2の習慣「終わりを思い描くことから始める」と関連づけて読んできた2冊
第2の習慣は「終わりを思い描くことから始める」です。自分が人生において大切にしたいものを思い描き、日々、そこに向かって進むべしと説きます。
このための具体的な方策として、第2の習慣は、個人のミッションステートメントを作成することを推奨します。
でも、『7つの習慣』は、ミッションステートメントの書き方については、それほど多くを語ってくれません。
そのため、『7つの習慣』を読むだけでは、ミッションステートメントを書きたいなあという気持ちは盛り上がるのに、なかなかミッションステートメントづくりが進まない、という状態になりがちです。
そこで、この2冊です。
a.目標の教科書としての『ザ・コーチ』
谷口貴彦『ザ・コーチ』
1冊目は、『ザ・コーチ』です。『ザ・コーチ』は、目標を取り扱う方法を学ぶための教科書のような本です。
『7つの習慣』の第2の習慣を学び、自分のミッションステートメントを書きたいと思ったけれど、なかなかうまく書けない、という場合は、『ザ・コーチ』に書かれているいろんな手法が役に立つかと思います。
なお、『ザ・コーチ』のことは、以下の記事でも取り上げました。
「ゴール」から「目的」と「目標」を見つける方法とそのメリット(『ザ・コーチ』のご紹介)
b.経営学の理論を個人に適用する
Clayton M. Christensen『イノベーション・オブ・ライフ』
2冊めは、『イノベーション・オブ・ライフ』です。
個人が、自分の人生にとっての最優先事項は何か、を考えることは、会社の経営者が、我が社にとっての最優先事項は何か、を考えることと、かなりの程度、共通します。個人のミッションステートメントという考え方も、会社にとっての経営理念やクレドを個人に適用させたようなところがあります。
後者の会社経営については、いろんな経営学の理論が、どのように考えるべきかの枠組みを提供しています。
そこで、それらの経営学の理論を、前者の、個人が、自分の人生にとっての最優先事項は何か、を考えるために適用する、という道筋が考えられます。
これを実践したのが、『イノベーション・オブ・ライフ』です。『イノベーションのジレンマ』などで有名な、超一流の経営学者であるクリステン教授が、経営学の理論を個人の人生に適用することを解説してくれます。
『イノベーション・オブ・ライフ』でいろんな理論を学ぶことで、個人のミッションステートメントを作るためのヒントが得られるはずです。『イノベーション・オブ・ライフ』は、第2の習慣を実践するために、大きな助けとなります。
(3) 第3の習慣「最優先事項を優先する」と関連づけて読んできた2冊
第3の習慣「最優先事項を優先する」は、『7つの習慣』流のスケジュール管理です。
『7つの習慣』流のスケジュール管理は、どちらかといえば、トップダウンです。最初に自分の人生の最優先事項を思い描き、それを日々の具体的なスケジュールに落としこむ、という方向です。
他方で、毎日を送るためには雑然としたことにも対処していかなければいけません。すべてをトップダウンでやろうとすると、身動きがとれなくなることもあります。そこで、ボトムアップの手法を組み合わせることも大切です。
(トップダウンとボトムアップについては、こんな記事も書きました。→『7つの習慣』とGTD 〜スケジュール管理のトップダウンとボトムアップを考える〜)
a.トップダウン
『7つの習慣』の第3の習慣「最優先事項を優先する」には、公式参考書的な位置づけである『7つの習慣 最優先事項』が存在します。
ただ、この本が『7つの習慣』と関連しているのは当たり前なので、多少別の観点からのトップダウンスケジュール管理本をご紹介します。
ハイラム・W・スミス『TQ-心の安らぎを得る究極のタイムマネジメント』
まあ、『TQ』も、『7つの習慣』とかなり近い本です。ハードカバーの出版社は同じで、訳者も共通します。『TQ』の中でフランクリン・プランナーが紹介され、『TQ』の冒頭に『7つの習慣』のコヴィー博士が推薦文を書いています。
なんにしても、『7つの習慣』流のトップダウンスケジュール管理を理解する上では、欠かせない一冊です。
b.ボトムアップ
ボトムアップは、GTDかタスクシュートではないかと思います。
GTDなら、迷わずこの一冊です。
デビッド・アレン『ストレスフリーの整理術 はじめてのGTD』
GTDと『7つの習慣』流のスケジュール管理がどの程度整合するのかは、なかなか難しい問題なのですが、GTDが役に立つスケジュール管理システムであることはまちがいありません。『7つの習慣』を基本とするとしても、GTDの考え方を学ぶのは、ムダにはなりません。
(4) 第4の習慣「Win-Winを考える」と関連づけて読んできた2冊
第4の習慣は「Win-Winを考える」です。
Win-Winが大事というのは、よく言われることです。でも、Win-Winと唱えているだけでは、なかなかWin-Winは実現できません。
『7つの習慣』は、かなり具体的に、Win-Winを実現するための考え方を解説しています。とくに、Win-Winは次の5つの要素で支えられるんだ、という点は、けっこう画期的だと思います。
- Win-Winの人格
- Win-Winの人間関係
- Win-Winの実行協定
- Win-Winのシステム
- Win-Winのプロセス
これを前提に、さらに積み上げるとしたら、私は、次の2冊がよいのではないかと思います。
a.Give and Takeの正しい理解
ボブ・バーグほか『あなたがあたえる』
ひとつは、『あなたがあたえる』です。『あなたがあたえる』のテーマは、GiveとTakeの関係です。Win-WinとGive and Takeは、深く関連していますので、『あなたがあたえる』を読むと、Win-Winを考えるヒントが得られます。
(なお、『あなたがあたえる』については、以前、書評記事を書きました。→あたえ続ける生き方が、結果として、成功につながる。『あなたがあたえる』)
『あなたがあたえる』は、Win-Winなんて考えなくていい、といいます。でも、基本的には、『7つの習慣』第4の習慣「Win-Winを考える」と、同じ方向を向いています。
共通点のなかでわかりやすいのは、「豊かさマインド」です。これは、すべての人を満足させることが可能であるという考え方なのですが、『あなたがあたえる』は、ある意味、この「豊かさマインド」のあり方を説明するための物語です。
『あなたがあたえる』で「豊かさマインド」の具体的なイメージを持つことは、「Win-Winを考える」ために、役に立ちます。
b.交渉とWin-Win
ロジャー フィッシャーほか『ハーバード流交渉術』
Win-Winが大きな問題になる場面は、交渉です。複数の人間が同じ方向を向いているなら、わざわざWin-Winを考えなくても、Win-Winになります。複数の人間が向いている方向が対立しているからこそ、わざわざWin-Winを考える必要が生じます。
しかし、交渉は、その構造上、利害対立を前提とします。そのため、交渉をWin-Winで考えるのは、難しいことです。
この困難な課題、交渉をWin-Winで考える、という課題に、理論的にアプローチした本が、『ハーバード流交渉術』です。
『ハーバード流交渉術』は、原則立脚型の交渉を提唱します。共通の利益の焦点を合わせることや、人ではなく事柄(利害や問題)に焦点を合わせることを説きます。
これは、Win-Winを支えるためにはWin-Winのシステムやプロセスが必要なんだと説く第4の習慣と、同じ方向を向いていると思います。
(5) 第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」と関連づけて読んできた2冊
第5の習慣は、「まず理解に徹し、そして理解される」です。
ポイントは2つです。
ひとつめは、自分が相手を理解することが、自分が相手に理解してもらうよりも、先に来る、ということ。つまり、理解する→理解される、という順番です。
ふたつめは、理解に「徹する」ということ、つまり、相手を理解することに全力を注ぐことです。
a.聞くことを学び、練習する
ふたつめの点、理解に「徹する」ために一番大切なのは、おそらく、理解しようとする意欲です。理解しようとする意欲さえあれば、多くの点で、理解が進みます。
でも、理解するためのスキルも大切です。理解する意欲なしにスキルだけあっても仕方ありませんが、理解する意欲があるなら、理解するためのスキルが大きな力を発揮します。
『7つの習慣』は、コミュニケーションに関する動作は「書く」「話す」「読む」「聞く」の4つだが、多くの人が学ぶのは「書く」「話す」「読む」の3つであって、「聞く」を学ぶ人はほとんどいない、というようなことを言っています。
(日本では、そもそも「書く」「話す」「読む」を自覚的に学んでいる人がどれくらいいるかも微妙なのですが、この点はさておくとしても、)確かに、「聞く」を学ぶ機会は、教育課程上、普通は用意されていません。
でも、世の中には、「聞く」を学ぶ職業があります。それは、カウンセラーです。
そこで、この一冊。
東山 紘久『プロカウンセラーの聞く技術』
カウンセラーは、聞くことのトレーニングを受けます。理論的には、「傾聴」と言われる技法だそうです。
「傾聴」を学べる本は、世の中にあまたあります。でも、どの本を読むかは、そんなに大差ないと思います。私は、当時ベストセラーになっていたこの本を読みました。
この本のよいところは、聞くことの大切さを学べること、聞くことに徹することで大きな成果が得られることを理解できること、ではないかと思います。
b.理解するにも、理解されるにも、論理は大切
相手を理解するためのスキルとして、「聞く」のほかにもう一つ大切だと私が思うのは、論理の道筋を把握する力です。
一般には、論理というものは、自分の考えを発信するための手段として認識されているように思います。つまり、自分の考えを理解してもらうために論理を使う、ということです。
でも、論理は、相手の考えを理解するためにも使えます。論理を道具として扱えるようになると、相手の考えがどのような論理構造を持っているのかが見えるようになります。論理は、相手の考えを理解するための強力な手段です。
相手の考えを理解する手段として論理を使うのは、相手の考えの論理的な穴を見破って相手を論破することを目的とするのではありません。論理的には穴があったとしても、そこから相手を論破するのではなく、その穴も踏まえて相手の考えを理解するために、論理がとても役に立ちます。
このような使い方で論理を扱えるようになるための、最も優れた教材が、次の1冊です。
野矢茂樹『新版 論理トレーニング』
この本の中にある「論証図」という思考ツールは、大変役に立ちます。また、「論証の構造を捉える」ための練習問題は、相手の考えを論理的に理解するための、たいへんよい練習になります。
『論理トレーニング』のエッセンス 論証・論証図・結合論証と合流論証 → 論証の構造を捉える
(6) 第6の習慣「シナジーを創り出す」と関連づけて読んできた2冊
第6の習慣は、「シナジーを創り出す」です。
『7つの習慣』によれば、シナジーとは、全体の合計が個々の部分の総和よりも大きくなる、ということです。それぞれ5の力を持つAさんとBさんがいたとして、ABが一緒になって何かをすることで、個々の部分(AとB)の総和である10よりも大きな、たとえば15とか20とか50とかの成果が、AB全体から生み出される、ということです。
なぜこんなことが発生するかといえば、ひとつには、各部分の関係自体がひとつの部分として機能するから、もうひとつには、その部分が触媒の役割を果たすから、です。ABの関係自体が5や10や40の価値を持つ部品として機能したり(ひとつめの理由)、ABの関係自体がAやBに触媒として影響を与え、A、Bそれぞれの力を10や20に増やすということが生じる(ふたつめの理由)ということです。
a.違いを理解し、違いを活かす
と、シナジーを解説してみましたが、抽象的でよくわかりません。
そこで、シナジーを具体的にイメージするために役立つ本が、こちらです。
岡田斗司夫『人生の法則』
『人生の法則』は、「欲求の4タイプ」という手法を、小説パートと解説パートによって解説した本です。「欲求の4タイプ」とは、欲求の偏りによって人間を4タイプに分ける、という手法です。
シナジーが発揮されるのは、違いが活かされたときです。同じ人が2人いたら、そのうちの1人はムダであるといのが、『7つの習慣』の教えです。『人生の法則』の小説パートを読めば、「欲求の4タイプ」が揃うことで、どのようなシナジーが発揮されるのか、よくわかるのではないかと思います。
なお、『人生の法則』の「欲求の4タイプ」は、相手を理解するためにも役に立ちますので、第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」にも関連づけて読むことができます。
b.ファシリテーションという武器
世の中に、ファシリテーションという手法があります。私の理解では、ファシリテーションは、以前からNPOや市民活動などで活用されていた手法です。そして、ここ10数年の間に、ビジネスの世界でも明示的に応用されるようになってきました。
ファシリテーションについて解説した本はいろいろありますが、私が好きなのは、これです。
マイケル・ドイル『チームが絶対うまくいく法』
ただ、残念ながら、絶版です。
そこで、同じ著者の、もうちょっと基礎的な本『会議が絶対うまくいく法』もあわせてご紹介します。
(7) 第7の習慣「刃を研ぐ」と関連づけて読んできた2冊
第7の習慣は、「刃を研ぐ」です。一番基礎的なPCである自分自身をメンテナンスしましょう、ということです。
a.ムリしないで、回復に努める
自分をメンテナンスするということを、わかりやすくかつ効果的にまとめた本は、これではないかと思います。
下園壮太『自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術』
ムリ・ムダ・ムラという3つのキーワードを使って、どのように自分をメンテナンスすべきかを、わかりやすくまとめています。
b.身体のメンテナンス
心のメンテナンスと同じくらい大切なのが、身体のメンテナンスです。
身体のメンテナンスで大切なのは、食事・運動・睡眠という健康的な生活だと思うのですが、私がおおいに影響を受けているのは、村上春樹です。
村上春樹は、多くの小説やエッセイ集で、身体のメンテナンスに対して気を配っていることを具体的に述べています。その中でも、比較的ストレートに述べているのは、次の2つかなあと思います。
『走ることについて語るときに僕の語ること』
『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』
なお、齋藤孝『「できる人」はどこがちがうのか』も、村上春樹の身体メンテナンスについて、たくさん語っています。これもおすすめ。
3.関連づけて読むことで、シナジーが創り出される
以上、私が『7つの習慣』と関連づけて読んできた15冊(+α)をご紹介しました。
これらの本の中には、客観的にも、『7つの習慣』と直接の関連を持っている本もあるかと思います。『7つの習慣』に影響を与えた本や、その逆に『7つの習慣』から影響を受けている本です。たとえば、『それでも人生にイエスという』『フランクリン自伝』『ハーバード流交渉術』などは前者です。
他方で、『7つの習慣』との客観的な関連は、全然持っていない本もあるでしょう。まあ、『7つの習慣』と共通する第三の何かから影響を受けた、という程度の関連性ならあるかもしれませんが、客観的な関連が薄い本があることはまちがいありません。たとえば、『人生の法則』や『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』は、たぶん、『7つの習慣』とは関係ありません。
でも、客観的な関連はなくても、私は、これらの本の全部を、『7つの習慣』と関連づけて、読んできました。そして、『7つの習慣』と関連づけて読むことで、これらの本を単体で読むよりも多くのことを、これらの本から学びました。
これは、『7つの習慣』のいうシナジーとも言えます。『7つの習慣』とのこれらの本との間に関連性を見出すことで、その関連性自体が価値を持つとともに、関連性が『7つの習慣』やそれらの本の価値を増やした、とも言えるかと思います。
いろんな本との間でシナジーを創り出す力を持っていること。これも、私が『7つの習慣』を自分の基本を構成する1冊だと考えている理由のひとつです。
□参考記事一覧□
(1) 自分の基本となる本たち
Amazonアソシエイトで、自分の土台を構成する本のリストを設置する
(2) 『7つの習慣』そのもの
『7つの習慣』とGTD 〜スケジュール管理のトップダウンとボトムアップを考える〜
(3) 『7つの習慣』と関連づけて読んできた本
「ゴール」から「目的」と「目標」を見つける方法とそのメリット(『ザ・コーチ』のご紹介)
あたえ続ける生き方が、結果として、成功につながる。『あなたがあたえる』
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