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『文章教室』(結城浩)練習問題実践記録・第8回「まずはどんどん書きましょう」

公開日: : 書き方・考え方

この文章は、結城浩先生の『文章教室』に取り組んだ記録です。

文章教室

第1回~第7回の記録は、こちらです。

『文章教室』2014期生は、いつでも、新入生募集中です。

結城浩先生の『数学文章作法 基礎編』を読んでから、『文章教室』2014期生のクラスメイトができるまで(あるいは、『文章教室』2014期生へのお誘い)

1.第8回「まずはどんどん書きましょう」

(1) 第8回のポイント

『文章教室』の第8回は、「まずはどんどん書きましょう」がテーマです。

文章を書くことに対して苦手意識を持っている人に対して、結城先生は、「まずはどんどん書きましょう」と呼びかけます。

どんどん書き進めると、文章はぐちゃぐちゃになるでしょう。 でも、それでいいのです。 話し言葉と違い、書き言葉は校正ができるからです。 読者に見せる前に、きちんと校正すればよいのです。 頭の中にしかないものを校正することはできません。 ですから、頭の中にあるものを、まずは外に出すのが大事なのです。

文章教室 第8回 問題編より)

コンピュータを使って書くなら、いったん書いたものを修正するのは、簡単です。最初から完成品を書くことははなから目的とせず、とりあえず書き始めることが、現代の有効な文章作成法だと、結城先生はおっしゃいます。

ポイント:考え込まずに、まず、どんどん書き、後からていねいに校正する。

(2) 練習問題

さて、「まずはどんどん書きましょう」の練習問題です。今回の練習問題は、ちょっと変わっています。

以下の(A)と(B)の両方を投稿してください。

(A) どんどん書いた文章

「私は毎日、」という書き出しの後、思いつくまま、どんどん文章を書いてください。 文章のねじれや、無用な繰り返し、おかしな文字などを気にせず、 話題がそれてもかまわず、読み返さず、思いつくまま何でも、書き続けてください。 体言止めでも会話文でもかまいません。形式を気にせず、思いついたことをとにかく書きます。 目安としては10~15分程度書き続けますが、時間にこだわる必要はあまりありません。 読み返さず、どんどん書くことがポイントです。 書いて書いて書き続けて、もう何にも思いつかなくなったところでやめます。 この文章を(A)とします。 これ以降、(A)を修正してはいけません。

(B) 読み返して校正した文章

(A)をコピー&ペーストして、新しい文章の土台とします。 その土台を読み返し、 段落をつけたり、文章のねじれを直したり、誤字脱字を整理したり、 具体例をふくらませたり、無駄を削ったりして、 何らかのまとまりを持ち、読みやすくなるように校正してください。 何度も読み返して、少しでもわかりやすくなるように努力します。 削るときには思い切って削ります。必要なら好きなだけ加筆します。 こうやってできた校正後の文章を(B)とします。 (B)を作っているうちに(A)を修正したくなりがちですが、(A)は修正しないでください。

文章教室 第8回 問題編より)

2.私の解答

(1) 解答

こんな感じになりました。

(A) どんどん書いた文章

——–

私は毎日、昼ご飯を食べます。当たり前のことですが。昼ご飯は毎日食べなくちゃいけないものなので、ある意味、タスクでもあります。でも、せっかく食べるなら、その時間を良い物にしたいと思う。

仕事に行く日の昼ご飯の方針。少し前は、おいしくて、価格もお値打ちで、栄養もあって、というものを求めていた。また、時間が早い、というのも大切。さくっと出てきて、ぱっと食べられる。それで仕事に戻ることができる。この観点から、いくつかのお気に入りのお店を決めていた。そして、そのいくつかのお店(5つくらい)をぐるぐる回していた。ルーティーン。わるくない。

でも、最近は、別の観点も入れた。昼休みは1時間あるんだから、この1時間で、第三の時間を過ごそう、と思った。仕事は仕事。家に帰ると、家事や育児。生活の大部分は第2,第1の時間。これに加えて、第3の時間をどこかに作りたい。Kindleのおかげで、通勤や出張の電車が第3の時間にはなったけれど、これはインプットだけ。アウトプットもしたい。そこで、昼休みの1時間を第3の時間にすることにした。

まず考えたのは、この目的に適切なお店探し。ファミレスもわるくない。でも、やっぱり、スタバが一番。スタバは、コーヒーを飲むところだと思っていたから、フードには期待してなかった。ジャンクフードだろうと思ってた。でも、違った。かなりおいしい。私の口に合う。クロックマダムが大好き。キッシュもおいしい。温めてもらうシナモンロールもよい。2つフードを頼んで、ショートのドリップコーヒーをつけると、だいたい1000円弱。多少贅沢だけれど、まあ、第3の時間のためなら、問題なし。

週に2回くらいはスタバに行くことにした。

スタバによく行くようになって、スタバのプリペイドカードを作った。

最近、チャージをしたら、5000円で1ドリンクサービスのチケットをもらった。1000円までのドリンクに使えるらしいから、はじめて、フラペチーノというやつを頼んでみた。バナナのがおいしそうだったけれど、売り切れだったから、ダークモカにした。どうでもいいけれど、バナナの人気はすごいらしい。昼で売り切れって、なんだそりゃ。足りないのがバナナなんだから、スターバックスもバナナをもっと用意すればいいのに。それとも、売り切れを維持しておくことが、プレミアム感や午前中に行かなきゃ感が出て、いいのかな。

話を戻すと、それで、スターバックスで昼ご飯を食べることが多くなった。週2回くらい。

たいていは、ノートパソコンを持ち込んで、30分くらい、ブログ記事を書いたり、日記を書いたりする。30分でも、じっくりと文章を書くと、第3の時間という感じが出て、とてもよろしい。

毎日かならずやってくるお昼ご飯という時間に、第3の時間を設定することで、家庭と仕事に没頭しつつも、自分の時間も確保できるから、私はこの習慣がお気に入りである。

——–

(15分程度)

(B) 読み返して校正した文章

読み返して校正しました。多少長くなったので、別記事として投稿しました。

第3の場所スターバックスで昼ご飯を食べて、自分ひとりの時間を確保する

(3時間以上だと思う)

(2) 発見したこと、感じたこと

a.校正の費用対効果が、あんまりよくない

15分で書いた文章(A)と、それを元に3時間以上書けて書いた文章(B)を比較し、まず感じたのは、15分と3時間以上の差があるのだろうか、ということでした。

どんどん書いた(A)を(B)に校正するまでに、私は3時間以上の時間を費やしました。(A)を15分で書いたことからすると、15分と180分なので、10倍以上の時間です。

でも、成果物である(A)と(B)だけを比較すると、10倍以上の差はないような気がします。ひょっとしたら、むしろ、(A)の方がよいかもしれない、とすら思います。

成果物を比較すると、私の校正のやり方は、あまり費用対効果がよろしくありません。

b.ていねいに校正することは、考えるための手段

他方で、(A)と(B)を書く過程に着目すれば、(A)から(B)にするためのていねいの校正は、必ずしも悪くないかもしれません。どんどん書いた(A)をていねいに校正して(B)にする過程で、いろんなことを考えることができたからです。

たとえば、枝葉を削ったりまとまりを作ったりしようとする過程で、私は、「この文章で私が言いたいことは何だろう?」と考えました。そして、私が言いたいのは、スターバックスのすばらしさよりも、自分ひとりの時間を確保するための試行錯誤なんだろうと感じました。また、例を作ったり、パラレリズムを使おうとする過程で、私は、仕事の時間、家庭の時間、自分ひとりの時間という概念を整理することができました。

(A)と(B)は、成果物を比較すれば、10倍の差はありません。でも、(A)と(B)を書く過程で私が考えることができた内容を比較すれば、10倍くらいの差はあるように思います。

自分がどんどん書いた文章をていねいに校正することは、考える手段としては、けっこう効果的です。

3.おわりに

『文章教室』の魅力のひとつは、「文章を書くのは自由で楽しい」ということを体感できるところです。今回のテーマ「まずはどんどん書きましょう」は、文章を書くことの自由さや楽しさを感じるための、とてもよいアドバイスではないかと感じます。

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