項目番号はアウトライナーになる(項目番号によって文章の構造を組み立てる)
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書き方・考え方
目次
1.なぜ、こんなに項目番号を推すのか
(1) 項目番号がすき
私が好きなものは、Evernoteと村上春樹と、それから項目番号です。
というのはつまらない冗談なのですが、私が項目番号のことが大好きなのは、ほんとうです。Evernoteと村上春樹に匹敵するほどではありませんけれども。
このブログの文章を書くとき、私は項目番号をつけまくっています。こんなにうるさく項目番号をつけているブログを、寡聞にして私は知りません。
大学で文章の書き方を指導するとき、私は、「コウモクバンゴウヲツケマショウ」と、壊れた音楽プレーヤーのように繰り返しています。他にも言うべきことはあるのですが、項目番号を使いこなすことのコストパフォーマンスのよさを痛感しているため、ついつい、項目番号のことばかり言ってしまいます。
(2) 項目番号が好きな2つの理由
なぜ、私は、こんなにも項目番号が好きなのでしょうか。理由は2つです。
まず、意見を述べる文章を書くときのポイントは文章の構造を表現することだと私は信じているのですが、文章の構造を表現するためのもっとも簡単な方法が、項目番号です。これがひとつめの理由。
次に、意見を述べる文章を書くためには、文章の構造を組み立てることが大切なのですが、(アウトライナーなどの特別なツールを使わずに、テキストエディタやEvernoteだけで)文章の構造を組み立てるためには、項目番号がすごく便利です。これがふたつめの理由
(3) ふたつめの理由=項目番号はアウトライナーになる
ひとつめの理由については、これまでにも何度か書きました。
公用文式項目番号付け方ルールに従うことには、どんなメリットがあるか
文章を書くときの項目番号の付け方(「公用文方式」と「理科系の作文方式」)
そこで、ここでは、ふたつめの理由について考えてみます。ふたつめの理由を言い換えると、「項目番号はアウトライナーになる」ということではないかと思います。
2.項目番号があれば、テキストエディタがアウトライナーになる
(1) 項目を作る段階から、項目番号をつける
私は、文章(あるテーマについて意見を述べる文章)を書くとき、項目単位で書きます(項目単位で文章を組み立てると、意見を述べる文章を速く書くことができる)。そして、各項目には、項目を書き始めた段階から、項目番号をつけます。
ここがポイントです。私は、全部の項目が着いてから、最後に項目番号をつけるのではありません。項目を組み立てているとき、つまり、項目がまだ固まっていないときから、その段階での項目番号をつけています。(そのため、私は、アウトライナーやWordなどに備わっている、項目名の先頭に項目番号を自動でつける、という機能を必要としていません。)
(2) 項目番号をアウトライナーとして使うのには、トップダウンとボトムアップの2方向がある
項目番号をアウトライナー的に使う場合に、項目番号が働く方向は、トップダウンとボトムアップのふたつの方向があります。
a.トップダウン方向
項目番号をトップダウン的に使う場合、ひとつの文章を書くプロセスは、こんな感じです。
- 最初に項目番号付きの項目を作る(その記事の目次を作る)
- 各項目のトピックセンテンスを書く
- トピックセンテンスだけで全体が流れていることを確認する
- 各項目を書く
この場合、文章全体の構造を項目番号できちんと整えてから、各項目に書くべきことを割り振って、その後、各項目を書きます。トップダウン的な書き方です。
b.ボトムアップ的に働く場合
これに対して、ボトムアップ的に項目番号を使うこともあります。この場合は、項目番号の書き直しが、頻繁に生じます。こんなプロセスです。
- 思いつきをたくさん書いてみる。
- その中から、テーマを見つけて、たとえば「1.テーマ」といった項目番号&項目名をつける。結論や理由も同じように、適当な結論と理由を考えて、「2.結論」「3.理由」といった項目番号&項目名をつける。
- 思いつくままの思索の中から、テーマに関連しそうなものがあったら「1.テーマ」の項目番号&項目名の下に記載し、理由に関連しそうなものがあったら「3.結論」の項目番号&項目名の下に記載する。そのうち、それらの素材がたまってきたら、共通項をくくり出したり、対比を際立たせたりすることを心がけて、項目番号付きで、項目名を記載する。
- 既存の項目にうまく当てはまらない要素が出てきたら、項目自体を立て直す。項目を立て直したら、項目間の関係からなる文章の構造も変わるので、構造を組み立て直す。これに伴って、項目番号も書き換える。
このように、思いついたことを単に並べるだけでなく、適宜グループ分けや階層化を加えることによって、個々の思いつきの文から、全体としてある程度一貫性のある文章を組み立てることができます。
これが、項目番号をボトムアップ的に使う、ということです。
(3) 項目番号を使えば、テキストエディタでもアウトライナーになる
このように、項目番号を使えば、単純にテキストを入力するだけで、そのツールは、アウトライナーのような機能を果たします。
要するにテキスト入力ができればよいので、秀丸エディタのようなテキストエディタでもよいですし、Evernoteでもかまいません。
Evernoteにアウトライナー機能はありませんが、Evernoteのノート内で項目番号を使えば、Evernoteのエディタ部分を、アウトライナー的に使うことが可能になります。
アウトライナー機能を持たないツールでも、項目番号を使えば、アウトライナー的な作業が可能になる。これが、私が項目番号を使う理由です。
3.項目番号をアウトライナーとして使うための3つの心がけ
とはいえ、項目番号を使いさえすれば、アウトライナー的な作業が可能になるわけではありません。項目番号をアウトライナーとして使うためには、大切なことが、3つあります。
(1) 項目番号のルールを決める
いちばん大切なのは、項目番号のルールを決めることです。
項目番号のルールとは、項目の大小関係のルールです。たとえば、このブログの場合、
- いちばん大きな項目の項目番号:1,2,3,4,5
- 次に大きな項目の項目番号:(1)、(2)、(3)、(4)、(5)
- その次の項目の項目番号:a、b、c、d、e
- さらにその下の項目の項目番号:(a)、(b)、(c)、(d)、(e)
というルールになっています。
大切なのは、このルールを固定することです。ルールを固定することで、自分自身が、「(1)(2)(3)は、1の直下の項目番号であり、(2)の中にa、b、cという項目がある」といった、項目間の関係を掴むことができます。
項目番号のルールを固定して、項目間の大小関係を熟知することが、項目番号をアウトライナーとして使うための、いちばん大切な心がけです。
公用文式項目番号付け方ルールに従うことには、どんなメリットがあるか
(2) 項目番号を辞書登録する
次に大切なのは、項目番号をすばやく出すために、辞書登録を使う、ということです。特にこれは、公用文方式で項目番号をつけるときに、必要な工夫です(理科系の作文技術方式なら、必要ないかもしれません)。
たとえば、私は、「(1)」を、「カッコ1」と登録してあります。「(1)」を使う機会は多いのですが、「(1)」を入力するためには、「Shift+8、1、Shift+9」を押す必要があります。Shift+という慣れない入力なので、遅いです。それよりは、「カッコ1」と入力する方が、速いです(少なくとも、私にとっては、こちらの方がかなり速い)。少しでも速く「(1)」を入力できるように、辞書登録してあります。
項目番号を無意識に素早く入力できてこそ、項目番号をアウトライナーとして使うことが可能になります。そのための工夫として、辞書登録は大切です。
(3) 項目を組み替えることをいとわない
最後に大切なのは、いったん作った項目を組み替えることをいとわない、ということです。
項目番号付きで項目を書いていると、項目を組み替える際に、項目番号をつけ直さなければいけません。これは多少手間です。でも、項目を組み替えた方がよいのではないか、という気がしたら、項目番号を付け替えることをいとわずに、項目の組み替えをした方がよいです。それでこそ、アウトライナー的な使い方が可能になります。
項目番号を付け替えることは、たしかに手間です。しかし、項目番号の付け替えや項目の入替えは、思考を刺激します。項目番号を付け替えているときに、その文章をもっといいものにするためのアイデアがポンと思い浮かぶことも、多々あります。
4.でも、ほんとうは、アウトライナーの方がよさそう……。
このように、私は、項目番号をアウトライナーとして使っています。項目番号の入力操作に慣れ、自分なりの項目番号のルールが頭にしみこめば、項目番号をアウトライナーとして使うことは、けっこう使い勝手がよいです。
でもまあ、そうはいっても、このアウトライナーは、ぜんぜん高機能ではありません。特に、特定のレベルの項目のみを抜き出して表示する、といった機能がありません。文章全体の構造を俯瞰するためには不向きです。
そのため、ほんとうは本物のアウトライナーの方がいいんだろうな、と感じています。この意味からも、Evernoteに簡易アウトライナー機能が備わったらいいのになあ、という期待を持ち続けています。
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