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文章を二次元で書く(文章の構造とは何か)

公開日: : 書き方・考え方

1.文章はほんらい一次元

言葉を発するとき、私たちは、頭に登場する言葉から順番に言葉を発します。言葉を受け取るとき、私たちは、頭に登場する言葉から順番に言葉を受け取ります。

一本の線の上に並んだ言葉を順番にたどっていくことになります。この意味で、言葉は一次元です。

文章も同じです。文章は書かれた言葉です。文章を書くとき、私たちは、冒頭に書いた言葉から末尾に書いた言葉までが一本の線の上に並ぶように書きます。また、文章を読むとき、私たちは、冒頭に書かれた言葉から末尾に書かれた言葉までを、一本の線の上に並べて、ひとつひとつたどりながら読みます。

文章は、一次元です。

2.概念のレベルという次元を加えて、二次元で書く

(1) 文章を二次元で書く

文章は、ほんらい、一次元の存在です。でも、文章を二次元で書くことが可能です。

加える次元は、概念のレベルという次元です。言葉は、いろんな概念を表現することができます。言葉が表現する概念には、レベルがあります。レベルの大小関係は、文章の中にうまく表現されれば、あたかも文章のひとつの次元のように機能します。

こうして、文章を二次元で書くことが可能になります。

(2) 概念のレベルとは何か

概念のレベルとは、概念の大小関係のことです。

具体的に示します。次の2つの文章を読んでください。

例1

昨日、私は、イオンモールに行った。時間が空いたので、携帯電話売り場に行った。すると、auにMNPすれば、iPhone5cが一括0円+waonポイント3万5000円分で手に入ることを知った。そろそろ機種変更しようと思っていたし、機種変更の機会にauにMNPしようと思っていたし、auにMNPするならiPhone5cがいいかなと思っていたので、私はauのiPhone5cにMNPした。悪くない判断だったのではないかと、満足している。

例2

昨日、イオンモールに行ったとき、私は、docomoのAndroid(Xperia SX)からauのiPhone5cへ機種変更をした。

この理由は、以下のとおりである。

まず、次の2つの理由から、Xperia SXから機種変更する必要性を感じていた。

ひとつめはバッテリーのもちが悪いこと、ふたつめは内部ストレージがいっぱいになってきたことである。

次に、次の2つの理由から、機種変更をするなら、現在のdocomoからauにMNPすることを決めていた。

ひとつめは、妻がauなので、妻との通話を無料にするには私もauにする必要があること、ふたつめは、自宅の光がauひかりなので、auにするとスマートバリューでかなりお得になることである。

ここまでで、auへMNPするという結論になったので、auへのMNPを前提に、どの機種を選ぶとよおいかを考えたところ、以下のとおり、iPhone5cがいちばん自分に合っているという結論に至った。

私の使い方を満たすには、AndroidかiPhoneのどちらかである必要はなかったけれど、片手で操作可能なサイズでなければいけなかった。auのAndroidでそれなりによいなと思える機種は、幅が70mmを超えていて、片手で操作するのはきつかった。

おまけに、iPhoneは、5sも5cもAndroidに比べて負担額が安かった。とすると、Androidにこだわる必要はない。

そこで候補はiPhone5sとiPhone5cになった。このうち、次の理由から、iPhone5cにした。

まず、次の理由から、iPhone5sである必要はなかった。

第一に、指紋認証は必要ない。第二に、iPhone5cの性能があれば十分。第三に、iPhone5cとiPhone5sの外観を比較しても、iPhone5sの方がすき、というわけでもない。

次に、次の点で、iPhone5cには経済的なメリットが大きかった。

まず、iPhone5cは一括0円だった。2年未満で機種変更しても、機種代の負担がまったくない。

次に、iPhone5cなら、waonポイントが3万5000円分もらえた。waonは日常的に使っている電子マネーだから、waonポイント3万5000円分もらえるということは、私にとっては、現金3万5000円をもらえるのとほぼイコールである。

このような理由で、私は昨日iPhone5cに機種変更をした。悪い判断ではなかったと思っている。

例1は、一次元の文章です。一本の線の上に配置された言葉を順番にたどりながら書かれている文章です。

これに対して、例2は、二次元で書かれた文章です。例2は、概念のレベルを何階層も使っていますので、概念の大小関係という次元を意識して書かれています。

例2の文章が概念の大小関係という次元を使って、二次元で書かれていることは、次のように、表にすると明らかです。

 

(1)

(2)

(3)

(4)

結論

     

昨日、イオンモールに行ったとき、私はdocomoのAndroid(Xperia SX)からauのiPhone5cへ機種変更をした。

理由1

     

Xperia SXから機種変更する必要性を感じていた

 

理由1-1

   

バッテリーのもちが悪い

 

理由1-2

   

内部ストレージがいっぱいになってきた

理由2

     

機種変更をするならdocomoからauにMNPすることを決めていた

 

理由2-1

   

妻がauなので、妻との通話を無料にするには、auにする必要があった

 

理由2-2

   

家の光がauひかりなので、auにするとスマートバリューが使えた

理由3

     

auのラインナップから機種を選んだら、iPhone5cがいちばん自分に合っているという結論に達した

 

理由3-1

   

AndroidかiPhoneかでは、iPhoneにすることにした

   

理由3-1-1

 

AndroidかiPhoneかは、どちらでもよかった。

   

理由3-1-2

 

片手で操作可能な幅が必要不可欠だったけれど、auのAndroidで片手操作可能なサイズのスマートフォンには、いいものがなかった

 

理由3-2

   

iPhoneのうち、iPhone5sよりもiPhone5cの方がいいと判断した

   

理由3-2-1

 

iPhone5sである必要がなかった

     

理由3-2-1-1

指紋認証は必要なかった。

     

理由3-2-1-2

iPhone5sほどの性能は必要なかった。

     

理由3-2-1-3

iPhone5sとiPhone5cのデザインを比較すると、どっちも好きだった。

   

理由3-2-2

 

iPhone5cは、経済的にかなりお得だった

     

理由3-2-2-1

iPhone5cは、一括0円だった

     

理由3-2-2-2

iPhone5cは、waonポイントが3万5000ポイントもらえた。私はwaonを日常的に使っているので、waonポイント3万5000円分は、現金3万5000円分相当の価値がある。

この表の左側の4列は、その行の文章が、文章の構造上、どのレベルの概念に属するのかを示しています。左の方が概念のレベルが大きくて、右の方が概念のレベルが低いです。

この文章は、大きなレベルの概念だけを取り出すと、「イオンモールでdocomoのAndroidからauのiPhone5cに機種変更した。理由は以下のとおりである。まず、今のXperia SXに機種変更する必要を感じていた。また、次に機種変更をするときにはauにMNPしようと思っていた。そこで、auのスマートフォンラインナップから検討したところ、iPhone5cがいちばん自分に合うと判断した。」という文章になります。

例文2は、この大きなレベルの概念の筋に、それぞれ理由を付け加えることで成り立っています。そして、理由の階層は4階層にまで及んでいます。

これが、文章を二次元で書く、ということです。例文2は、結論を提示してそれを理由づける、という方向の次元と、理由をどんどん細かくしていく次元があります。これを上の表でいえば、結論を提示してそれを理由づける、上から下に流れる次元と、それぞれの理由をどんどん細かくしていく、概念のレベルをどんどん小さくしていく、表でいうと、左から右へと流れる次元とがある、ということです。

これが、文章を二次元で書く、ということです。

3.文章の構造とは何か

文章を書くときは、文章に構造をつけることが大切である。これが私の持論です。

では、文章の構造とは何なのか。

文章を二次元で書くということは、文章に構造をつけることと、ほぼイコールです。文章の構造とは、ほんらい一次元で一本の線の上に線的に並んでいる文を、二次元の平面を作って、その上に配置する、ということです。

上の表を見れば、そこには、文章の構造があります。二次元で文章を書けば、そこに構造が生まれます。

文章に構造をつけるためには、文章を二次元で書くことを意識すればよいのではないかと思います。

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