Evernote×ブログ記事。すき間時間を活用してブログ記事を栽培する方法
目次
1.「単純作業に心を込めて」の記事は、Evernoteで栽培
私は、この「単純作業に心を込めて」に投稿する記事を、全部、Evernoteで書いています。アイデアを思いつくところから記事としてまとまった文章にするまでの一連のプロセスすべてに、Evernoteを使っています。
これまでに私がこのブログに投稿した記事は、この記事で475本です。2012年2月にブログを始めたときは、こんなにたくさんの記事を書けるとは、正直、思っていませんでした。
これだけの数を書くことができたのは、Evernoteのおかげです。書きたいと思ったことをすべてEvernoteに集中し、Evernoteの中で少しずつ文章を書き進めたおかげで、すき間時間を活用して、それなりの数の記事を形にすることができました。
私にとって、Evernoteは、ブログ記事を栽培するための畑です。可能なときに、種をまいたり苗に水をやったり枝を剪定したりしていると、少しずつブログ記事が実ってきます。収穫できると判断したタイミングで、収穫して、ちょっと形を整えて、出荷します。
以下、私がEvernoteという畑でブログ記事をどのように育てているか、その栽培方法をまとめます。
2.Evernoteでブログ記事を栽培する流れ
私がブログ記事をEvernoteで栽培する流れは、
- 書きたいと思ったことのノートをEvernoteに作り(種まき)
- 必要なことを調べたり考えを深めたり筋道を整理したりすることで文章の形を整理し(肥料、水やり、剪定)
- ブログ記事としての文章を完成させ(収穫)
- ブログエディタで整形して投稿し(出荷)
- 投稿した文章は保管しておく(出荷管理)
というものです。
(1) 種まき
すべてのブログ記事は、最初はちょっとした思考の断片です。どんなに長い記事でも、元をたどれば、ちょっとした思考の断片です。
私は、ブログ記事にしたいなと思う思考の断片を見つけたら、Evernoteにノートをひとつ作って、その思考の断片をメモします。そして、そのノートを少しずつ文章として整えて、記事にします。
この、Evernoteに思考の断片をメモしたノートを作ることが、種まきにあたります。
すべての種が芽を出すわけでもなく、すべての種から果実が実るわけでもありません。でも、種をまかなければ、果実は実りません。
Evernoteの畑にまいた種は、なくなりません。時の経過で消えてしまうことも散逸することもありません。ずっとEvernoteの中で、いつか手をかけてもらえるときを健気に待ち続けてくれています。
なので、Evernoteへの種まきは、気楽にどんどん行えばよいです。
私は、
- Evernote for Windowsでブログ記事を書いている途中に思い浮かんだ思考の断片を、新しいノートにメモする
- 外出中に思い浮かんだ思考の断片を、AndroidスマートフォンのPostEverからメモする
- 手元にある紙に適当に書いた思考の断片を、写真撮影してEvernoteに放り込む
という種まき方法をとっています。
ブログ記事の原稿を書くなら、Evernoteが一番。アイデアを、素早くキャッチし、気長に育てる。
(2) 肥料、水やり、剪定
Evernoteに思考の断片をメモしたノートを作っても、それは単なる思考の断片です。これでは種に過ぎず、公開できるブログ記事ではありません。
この種をブログ記事まで育てるには、肥料をまいたり水をやったり枝を剪定したりなど、いろいろと手をかける必要があります。
Evernoteは、すき間時間を使ってちょっとずつブログ記事手をかけるために、最適の道具です。私が、Evernoteをブログ記事を栽培するための畑だと考えているのは、このためです。
a.何をするか
ひとつの思考の断片をブログ記事にするまでには、
- 思考を膨らませて文章の形にする
- 材料を集める
- 形式を整える
などの作業が必要です。
(a) 思考を膨らませる
思考を膨らませて文章の形にするのは、その思考の断片に関連することをいろいろと考えて、文章にする作業です。どんなテーマで、どんな問いを立てて、どんな結論を、どんな理由から導くことができるのかを考えれば、思考が膨らみます。
具体的には、思考の断片をメモしたノートを開き、思いつくままにメモしたり、マトリクスを作ってみたり、リストを作ってみたり、並び替えたり一部削除したり、いろいろと編集します。
(b) 材料を集める
一定のブログ記事は、自分で勝手に考えるだけでは完成しません。何かを引用したり、リンクを張ったりするためには、材料を集める必要があります。ウェブにある材料なら、Evernoteのウェブクリップなどで材料を集めます。ウェブにない材料なら、紙の本から書き写したり、スキャンしたり、スクリーンショットを撮影したりします。
具体的には、Evernoteでノートを開き、ウェブクリップの一部をコピペしたり、本の一節を書き写したり、スクリーンショットを貼り付けたりします。
(c) 形式を整える
公開できるブログ記事にするためには、ある程度、形式を整える必要があります。段落と項目に分け、項目番号と見出しを整え、記事のタイトルを考えます。思考を膨らませて文章の形にする段階で、これらの作業はひととおり終わっていますが、最後にもう一度、全体を見ながら整えます。
具体的には、段落をわけ、項目をまとめ、項目名をつけ、項目番号を整えます。
b.どんな道具が役に立つか
この作業には、ある程度の時間がかかります。
しかし、私はプロブロガーではありません。フルタイムの仕事を持ち、子育てにも時間を注ぎ込みたいと思っています。ですから、これらの栽培作業のために無尽蔵にまとまった時間を確保できるわけではありません。
そこで、私の場合、すき間時間を活用できるかが死活問題です。ちょっとでもすき間時間があったら、そのすき間時間を使ってブログ記事の栽培作業を行う、という体制が重要です。
このために役に立つ道具は、私の場合は、次の2つです。
(a) すぐに立ち上がるノートパソコン
ひとつめは、すぐに立ち上がるノートパソコンです。Mac Book Air以降、すぐに立ち上がるノートパソコンは、普通に手が届く道具になりました。すばらしい。
私が今使っているのは、SSD+Windows8のVAIO Tです。すき間時間ができて、どこかに座ってから、Evernoteで文章を書き始めるまで、1分もかかりません。
(b) スマートフォン
ふたつめは、スマートフォンです。私はXperia SXというAndroidスマートフォンを使っています。1年以上前の機種で、画面も小さなコンパクトスマートフォンですが、Evernote公式アプリから、Evernoteのノートを開いて、編集をすることは、そこそこ快適です。
電車の中など、椅子と机がないときにブログ記事を育てたくなったら、スマートフォンを使います。
(3) 収穫
ブログ記事がまとまった文章になったら、収穫します。
すぐに投稿しちゃうことが大半ですが、たまには、しばらく寝かすことにして、Evernoteの中にとっておくこともあります。
何にしても、栽培中なのか、果実が実って収穫したものなのか、区別する必要があるため、収穫作業は行います。
具体的には、Evernoteの中に、実った果実用のノートブックを作って、まとまったブログ記事となったノートを果実用のノートブックに移します。
(4) 出荷
ブログ記事として公開することが、出荷です。
私は、Windows Live WriterというMicrosoft製のフリーのブログエディタを使っています。Wordと同じような感覚で使えるため、Wordを使い慣れている方は、普通に使えると思います。おすすめです。
Windows Live Writerでやることは、次の3つです。
a.Evernoteのノートから、コピペする
まとまった記事になったEvernoteのノートから、ノートの内容を、そのままWindows Live Writerにコピーします。
Evernoteのノートに写真が貼り付けてあっても、その写真がインデックス化されているなら、写真ごとWindows Live Writerに貼り付けられます。とても便利です。
b.見出しタグをつける
Evernoteからコピーしただけでは、HTMLのタグがついていません。そこで、タグを追加する必要があります。
「単純作業に心を込めて」の記事は、見出しがやたらと多いので、見出しタグをつけるのが作業の大半です。
Windows Live Writerの場合、「Ctrl+Alt+数字」で、h1~h6の見出しをつけることができます。このショートカットキーには、ものすごく助けられてます。
c.その他のタグをつける
見出し以外のHTMLタグを使っていないことも多々あるのですが、リンクやリストや引用などを使っている場合は、その他のタグをつけます。
Windows Live Writerは、直接HTMLを編集することができるので、どんなタグでも自由につけることができます。
(5) 出荷管理
ブログに投稿することで出荷した記事は、二重に管理しています。
ひとつは、Evernoteのノートを、投稿済みのノートブックに蓄積しておく、ということです。
もうひとつは、ブログのRSSから全文を自動取得して、Evernoteに蓄積する、ということです。
なお、ブログのRSSから全文を自動取得してEvernoteに蓄積するには、iftttを使っています。
3.ノートブックの構成と補足説明
(1) ブログに関するノートブック構成
以上の栽培の流れをEvernote上で実現するために、私は、現在、Evernoteのノートブックを、こんな構成にしています。■がスタック、□がノートブックです。
■200.ブログの畑
□201.種
□202.苗
□203.果実(出荷前)
■210.ブログの畑管理
□211.果実(出荷後)
□212.畑メンテナンス(ブログ管理)
□213.RSS
(2) 補足説明
栽培の段階ごとにノートブックを分ける、という考え方です。
最初の思考の断片は「201.種」に集中し、育てる気になったら「202.苗」に移します。
「202.苗」に置かれているノートをすき間時間で少しずつ育てて、投稿可能な状態になったら「202.果実(出荷前)」に移動します。
投稿できるタイミングでWindows Live Writerから投稿して、投稿したらそのEvernoteノートを「211.果実(出荷後)」に移します。
その後、ブログのRSSからifttt経由で取得した全文データが、「213.RSS」に自動的に保存されます。
「212.畑メンテナンス(ブログ管理)」は、ブログの方針について考えたり、WordPressのテーマをいじったり、Google Analyticsを分析したりしたことを、いろいろ入れておくノートブックです。
4.Evernoteは、ブログ記事を書くための道具として、優れている
Evernoteは、ブログ記事を書くための道具として、優れています。Evernoteを使うと、最初はちょっとした思考の断片に過ぎなかったメモが、形になる可能性が高まります。
参考
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