なにかおもしろいことができる自分の場所を育てる。『「Chikirinの日記」の育て方』を読んだその後。
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書き方・考え方, 本 『「Chikirinの日記」の育て方』
目次
1.『「Chikirinの日記」の育て方』から得た「なにかおもしろいことができる自分の場所を育てる」という考え方
先日読んだ『「Chikirinの日記」の育て方』の中で、私が衝撃を受けたのは、ブログを場所として捉えて、その場所を価値ある場所に育てていく、という考え方です。本書の中の「なにかおもしろいことができる、自分の場所」という言葉に激しく共感して、私は、この「単純作業に心を込めて」を、なにかおもしろいことができる自分の場所へと育てることを決めました。
『「Chikirinの日記」の育て方』を読んで、「単純作業に心を込めて」というブログをどんな場所に育てたいのか、考え始めた。
ところで、この「なにかおもしろいことができる自分の場所を育てる」という考え方は、ブログに限定されるわけではありません。自分の生き方全体にインパクトを与えるコンセプトになり得るんじゃないかなあと感じています。
そこで、この、「なにかおもしろいことができる自分の場所を育てる」という考え方を、どんな風に自分の生き方に活かせるか、考えてみます。
2.「なにかおもしろいことをする」と「なにかおもしろいことができる自分の場所を育てる」
(1) 似て非なるふたつの姿勢
まず考えたいのは、「なにかおもしろいことをする」と「なにかおもしろいことができる場所を育てる」の違いです。このふたつの姿勢には、「なにかおもしろいこと」に価値を置く点では共通していますが、本質的な違いがあります。
「なにかおもしろいことをする」という姿勢で生きる人は、世界を、「なにかおもしろいことはないかな?」「なにかおもしろいことができないかな?」「なにかおもしろいことをくっつけられないかな?」という視点で見ています。これも十分クリエイティブな視点だと思うのですが、なかには、おもしろいことはなく、おもしろいことをすることもできず、おもしろいことをくっつけることすらできない場合もあります。この姿勢では、このような場合に、価値を生み出すことができません。
これに対して、「なにかおもしろいことができる自分の場所を育てる」という姿勢で生きている人は、世界を、「なにかおもしろいことができないかな?」という視点で見ると共に、(仮に今なにかおもしろいことができないとしても、)「この場所をなにかおもしろいことができる場所に育てるために、なにかできることはないかな?」という視点で見ることができます。「なにかおもしろいことができる(自分の)場所を育てる」ためにできることは無限にありますので、なにかおもしろいことが今現在は何もなくても、その場所をなにかおもしろいことができる場所に育てるためのことなら、できることがたくさんあります。そのため、この姿勢を持っていれば、どんな場合でも、何らかの価値を生み出すことができます。
「なにかおもしろいことをする」と「なにかおもしろいことができる自分の場所を育てる」は、共通する価値観に立ちながら、基本的な姿勢が違うために、生み出すことができる価値の点で、別次元の違いがあるのではないかと思います。
(2) P/PCバランスの考え方と通じるものがある
このことを考えながら思い出したのは、『7つの習慣』におけるP/PCバランスのお話です。
P/PCバランスは、成果(P)と成果達成能力(PC)のバランスが大切だ、という話なのですが、私にとっては、「すぐにPを達成できないときでも、PCを伸ばすことはできる。PCという概念で成果を見ることによって、Pがだめなときは、PCに集中すればよい。」という意味において、衝撃的でした。
「なにかおもしろいことをする」と「なにかおもしろいことができる自分の場所を育てる」の違いは、「なにかおもしろいこと」というPだけを見るか、このPと同時に「なにかおもしろいことができる自分の場所を育てる」というPCのことも大切にするか、という、まさに、P/PCバランスと共通する話なのではないかと思います。
3.「なにかおもしろいことができる自分の場所を育てる」を、どう活用するか
次に考えたいのは、「なにかおもしろいことができる自分の場所を育てる」という考え方を、どのように活用するか、ということです。
(1) 現在、決断に活用する
まず、現在に活用できます。決断をするとき、この決断によって「なにかおもしろいことができるか」という観点だけでなく、この決断によって「なにかおもしろいことができる自分の場所を育てることができるか」という観点を持とうと思います。
これは、大きな決断だけでなく、ささやかな決断にも活用できる視点ではないかと思います。たとえば、今、私は、社外で開催される会議の開催前の待ち時間20分を利用して、会場ビルの1階にあったスターバックスに来て、パソコンをたたいています。この20分をどのように過ごすかというのは、ひとつの決断です。会場に先に行って本を読みながら過ごすか、周辺を散歩するか、スターバックスでコーヒーを飲みながら「なにかおもしろいことができる自分の場所を育てる」ということについて考えるか、という決断です。このときに、どの道を選ぶことが「なにかおもしろいことができる自分の場所を育てる」ということにつながるだろうか、と考えて決断すれば、よい決断ができそうですし、決断した結果もよいものになりそうです。
(2) 将来、目的・ゴール・目標に活用する
次に、将来に活用できます。いろんなことについて、こうしたい、ああしたい、という将来像を描いて、目的・ゴール・目標を設定する際、「なにかおもしろいことができる自分の場所を育てる」という観点を大切にしたいと思います。
たとえば、私は、以前、このブログの目的・ゴール・目標を考えました。そのときは、ブログの目的は成長と貢献と収益の3本柱で、そのために2014年5月までに月間30万PVを達成するぞ、と思っていたのですが、このときはこのブログを「なにかおもしろいことができる自分の場所を育てる」という観点ははっきりとは意識していませんでした。これに対して、「なにかおもしろいことができる自分の場所を育てる」という観点を明確にして、目的・ゴール・目標を考え直せば、たぶん、そのときとは違う目的やゴールや目標が見えるのではないかと思います。
(3) 過去、納得に活用する
最後に、過去にも活用できます。
自分がしたすべての選択や行動は一瞬で過去になります。過去になった選択や行動は、過去の事実として永久保存されてしまい、もはやそれを動かすことはできません。
でも、過去の事実をどのような観点で捉えるかは、今の自分次第です。自分に関する過去の事実を「なにかおもしろいことができる自分の場所を育てる」という観点から捉え直せば、おそらく、過去の事実について、今までとは違った観点で評価し直すことができて、結果として、過去を納得できる度合いが高まるはずです。
たとえば、大学受験に落ちて浪人することになったとします。浪人生活自体はあんまり楽しくなくて、価値も生み出せなくて、「なにかおもしろいこと」ではなかったとします。でも、「なにかおもしろいことができる自分の場所を育てる」という観点からふり返れば、浪人中に一緒に勉強する仲間ができたことや、浪人中にしっかり勉強して考え方をトレーニングしたことが大学入学後に役だったことを思い出したとします。そうであれば、この浪人生活は、「なにかおもしろいことをする」という観点では灰色でも、「なにかおもしろいことができる自分の場所を育てる」という観点では、大きな意味がある期間だったことになります。
「なにかおもしろいことができる自分の場所を育てる」という観点で自分の過去をふり返ることで、今まで必ずしも肯定できていなかった自分の過去を納得できることもあるはずです。
4.ぴったりくる言葉と出会えたことに感謝
以上、このような感じで「なにかおもしろいことができる自分の場所を育てる」という考え方を活用したいと思っています。ただ、考え方を活用する、というレベルを超えて、この「なにかおもしろいことができる自分の場所を育てる」という言葉自体を、私はとても気に入っています。
私は、昔から、「なにかおもしろいこと」という言葉が好きでした。ワクワクします。すごく仲のよい友人とは、「なにかおもしろいことしよう。」とか、「なにかおもしろいことしたいねえ。」とか、そんなへんてこな会話をしてました。
「場所を育てる」という言葉もいいなと思います。この言葉に、大きな価値と、可能性を感じます。昔やってたNPO活動でも、学生として学んでいた大学のゼミでも、講師として教えている大学の授業でも、本業のお仕事でも、今からふり返れば、全部、「場所を育てる」ということを大切にしてきたように思います。
「なにかおもしろいことができる自分の場所を育てる」という言葉は、このふたつの言葉がくっついた言葉です。私が大切にしたい方向を、ぴったり表現した言葉だなと思います。
『「Chikirinの日記」の育て方』を読んだことは、ブログにとってすばらしいことだったなと思っているのですが、「なにかおもしろいことができる自分の場所を育てる」というすばらしい言葉に出会えたことに、なによりも感謝しています。
『「Chikirinの日記」の育て方』を読んで、「単純作業に心を込めて」というブログをどんな場所に育てたいのか、考え始めた。
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