Eml2Imapを使って、spモードメールも、Gmailに集約する(WindowsPC・無料)
目次
1.spモードメールをGmailにバックアップするメリット
Gmailから他のメールを送受信することによってGmailに他のメールアドレスのメールを集約する方法をまとめました。
Gmailを使う(1) Gmailからすべてのメールアドレスのメールを送受信し、Gmailにすべてのメールを集約する | 単純作業に心を込めて
しかし、spモードメールは、POPの受信にもSMTPの送信にも対応していませんし、すべてのメールを自動転送することもできないため、spモードメールをGmailから送受信することはできません。
ですが、spモードメールをGmailにバックアップすることは可能です。Gmailへspモードメールをバックアップすれば、送信日時・送信者等の情報はそのまま反映されますし、添付ファイルもデコメも表示されます。
spモードメールをGmailにバックアップすれば、保存と検索というGmailの強みを活かして、過去のspモードメールからいろんな情報を取り出すことができます。また、spモードメールアプリから過去のメールを消去することができるため、spモードメールアプリの動作改善にも役立ちます。
2.大きく分けて、2つの方法
spモードメールをGmailにバックアップするためには、大きく分けて、2つの方法があります。
(1)「SPモードメール バックアップ plus SMS」
ひとつは、有料のAndroidアプリを使用する方法です。
SPモードメール バックアップ plus SMS – Google Play の Android アプリ
この方法なら、アプリは有料ですが、Android上の操作だけで、spモードメールをGmailにバックアップすることが可能です。
(2)Eml2Imap
ふたつめは、WindowsPC上で、Eml2Imapというフリーソフトを使う方法です。
SPモードメールのバックアップファイル(eml, vmg形式)を Gmail へ IMAP4 経由で保存(コピー) + PCへバックアップ
WindowsPCの広い画面で操作を行うことができますし、フリーソフトが何をしているかが分かりやすく安心なので、私はこの方法を使っています。
以下、Eml2Imapを使ってspモードメールをGmailにバックアップする方法をまとめます。
3.Eml2Imapの紹介
Eml2Imapのサイトには、以下のような説明が記載されています。
Eml2Imapの説明
SPモードメール(docomo Android) のバックアップファイル(eml形式、vmg形式)を IMAP4 経由で、Gmailへ送り込むアプリです
(同時にPCへのバックアップや 端末バックアップファイル(eml形式、vmg形式) の削除が可能)
必要な環境
Windows XP, Vista, 7
OpenSSL を利用しています libeay32.dll と ssleay32.dll が必要です -「利用方法」参照
IMAP4 が有効な Gmailアカウント
特徴(抜粋)
Dateヘッダを、Gmailの一覧日付へ反映
最終アップファイルを記録して、次回は続きからアップ
送信メールを判断して、別のフォルダ(ラベル)へアップできます
Gmailへ送信と同時に、PCへバックアップ or バックアップ後削除 or バックアップせずに削除
Gmail側で、絵文字は表示できず □ になります
(データとしては欠落していないので、絵文字フォントの環境などでは見られたりする)
デコメは、HTMLメールなので反映されるみたい
4.Eml2Imapを使って、spモードメールを、Gmailにバックアップする手順
(0)Eml2Imapのインストール
a.ダウンロード
(a)eml2imap.zip
SPモードメールのバックアップファイル(eml, vmg形式)を Gmail へ IMAP4 経由で保存(コピー) + PCへバックアップ
Eml2Imapのサイトから、zipファイルをダウンロードします。
- eml2imap.zip
(b)openssl-*.*.**-i386-win32-rev*.zip
また、Eml2Imapを使うために必要なので、以下のサイトから、openssl-*.*.**-i386-win32-rev*.zipというファイルを選んで、ダウンロードします。
- openssl-*.*.**-i386-win32-rev*.zip
b.解凍
ダウンロードした2つのzipファイル、
- eml2imap.zip
- openssl-*.*.**-i386-win32-rev*.zip
これらを解凍します。
c.フォルダ移動
解凍したファイルを、同じフォルダに入れます。eml2imapフォルダの中身をopenssl-*.*.**-i386-win32-rev*フォルダに移しても、逆でも、両方を新しいフォルダに入れても、何でもかまいません。そのフォルダの置き場所も、どこでも大丈夫です。
これで、Eml2Imapのインストールは完了です。
(1)spモードメールのバックアップ【Androidでの作業】
次に、spモードメールのデータをバックアップします。これは、Androidでの作業です。
- spモードメールアプリを起動します。
- 「受信メール」を開きます。
- メニューの中から、「SDへコピー」をタップします。
- 「形式選択」で「eml(バックアップ用)」を選択します。
- 保存先フォルダを選択して、「コピー」をタップします。(デフォルトの保存先は、「mnt/sdcard/private/docomo/mail/export」です。) これで、すべての受信メールが、フォルダにバックアップされました。
- 「送信メール」を開いて、同じことをします。
- メニューの中から、「SDへコピー」をタップします。
- 「形式選択」で「eml(バックアップ用)」を選択します。
- 保存先フォルダを選択して、「コピー」をタップします。 これで、すべての送信メールが、フォルダにバックアップされました。
これで、「mnt/sdcard/private/docomo/mail/export」に、すべての受信メールと送信メールが保存されました。
(2)バックアップデータの移動【Android→WindowsPC】
次に、バックアップデータを、AndroidからWindowsPCに移動させます。
Androidの機種によって違うのですが、USBモードでAndroidとWindowsPCを接続すれば、Android内のデータを、Windowsから閲覧することができます。
Windowsから、先ほどメールを保存したフォルダ「mnt/sdcard/private/docomo/mail/export」を開き、中のメールをすべてWindowsのハードディスクへコピーします。(exportフォルダごとコピーすればよいと思います。)
(3)Gmailの設定【Gmailの作業】
次に、Gmailの設定です。
a.IMAPを有効にする
Eml2Imapは、IMAP4という接続方法でGmailにメールデータをインポートするため、Gmail側で、IMAP4を有効にする必要があります。
Gmailの設定メニューから、「メール転送とPOP/IMAP」に進み、「IMAPアクセス」欄の「IMAPを有効にする」にチェックを入れます。
ステータスのところに、「IMAP有効」と表示されれば、IMAPの設定はうまくいっています。
b.spモードメール用のラベルを作る
バックアップしたspモードメールが他のメールと混ざって欲しくなければ、spモードメール用のラベルを作っておきましょう。(以下、「spモードメール」というラベルを作ったと仮定します。)
Eml2Imapなら、送信メールと受信メールに異なったラベルをつけることも可能です。
ただし、ToやFromで検索すれば、spモードメールからバックアップしたメールのみをピックアップすることができるため、あえてラベルを貼らなくてもいいのではないかとは思います。
(4)Eml2Imapの設定【Windowsでの作業】
Gmailの設定が終わったら、Eml2Imapを起動します。
先ほどEml2Imapをインストールしたフォルダを開き、「Eml2Imap.exe」をダブルクリックすれば、Eml2Imapが起動します。画面左下の「設定」をクリックすると、設定メニューにいけます。
設定メニューで設定する必要があるのは、次の3つです。
a.IMAP4接続
まず、IMAP4接続に、spモードメールを保存するGmailのアカウントを入力します。
ホストとポートはそのままで、「アカウント」と「パスワード」に、Gmailのアカウント、パスワードを入力します。
「接続テスト」をクリックして、「接続が確認されました」と表示されれば、問題ありません。
b.ラベルを選択する
次に、インポートするspモードメールにつけるラベルを選択します。
設定の「IMAP4保存先」の「保存先ラベル」欄で、付与するラベルを選びます。「参照」をクリックすると、ラベル一覧が出ますので、先ほど作成した「spモードメール」というラベルを選択するだけです。
なお、送信メールに別のラベルをつける場合は、「送信メールは、ラベルを変更する」にチェックを入れて、「送信メール保存先ラベル」に、あらかじめ作った送信メール用のラベルを選択してください。
c.spモードメールのデータの場所を設定する
最後に、spモードメールのデータがある場所を設定します。
設定の「Eml/vmgファイル」のフォルダ欄に、spモードメールのemlファイルが保存されているフォルダを指定します。
「export」フォルダごとWindowsにコピーしたのであれば、その「export」フォルダを指定すればよいです。
なお、Windowsにデータをコピーせず、AndroidとUSB接続したままで、Android上のフォルダを指定することも可能なようですが、WindowsからAndroidにアクセスする分、余計な時間がかかるため、いったんWindowsのハードディスクにデータをコピーするほうがよいと思います。
(5)Gmailへ移す作業【Windowsで待つだけ】
ここまでの準備が完了したら、Eml2Imapに、メール一覧が表示されます。
あとは、右下の「開始」をクリックするだけです。
すると、徐々に、Gmailの「spモードメール」ラベルに、未読のメールが増えていきます。「spモードメール」ラベルを開くと、少しずつ昔のspモードメールがGmailにインポートされていくので、見ていても楽しいと思います。
なお、アップロードが完了するまでの所要時間の目安は、私の環境の場合、100通のメールをGmailにアップロードするために1分程度でした。2000通なら20分、3000通なら30分くらいです。
5.おわりに
Eml2Imapを使って、spモードメールをGmailにバックアップしてしまえば、Gmailから過去のspモードメールを確認することができるため、spモードメールから、すべてのメールを消すことができます。定期的にこの作業を行うと、spモードメールアプリをすっきりさせることができます。
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