どのようにタスクを区切ると、「今やるべきことはない!」と判断できるか?
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仕事の方法論 タスク管理・スケジュール管理
目次
1.「今やるべきことはない!」と判断するには、タスクを区切ることが必要
「今やるべきことはない!」と判断するには、タスクを区切ることが必要です。手持ちタスクをゼロにするのは無理なので、手持ちタスクを「今やるべき」ものとそうでないものに区切ることによってしか、「今やるべきタスクはない!」と判断することは不可能です。
問題は、「今やるべき」タスクとそうでないタスクを、どのように区切るかです。この区切り方を考えます。私が気をつけているポイントはふたつあって、ひとつは、何を基準にして区切るか、です。「今」をどう捉えるか、ということです。もうひとつは、「やるべき」の意味として、「やれる」と捉えるか「やる必要がある」と捉えるか、ということです。
2.どのように「今やるべき」タスクを区切るとよいか?
(1) 「今」をどう捉えるか。タスクを区切る2つの基準
まず、「今やるべき」の「今」です。
「今」か否かを区切る基準は、2つあります。「今」というのを、時間的なものと捉えれば、時間軸で区切ることになります。「今」というのを、今の状況という状況的なものと捉えれば、状況ごとに区切ることになります。
a.時間軸を基準にして区切る
まず、時間軸を基準にする区切り方です。作業スケジュールや締切りがこれにあたります。
たとえば、あるタスク(タスクAとします)の締切りを今日にして、別のタスク(タスクBとします)の締切りをあさってにした場合、今日が締切りのタスクという区切り方で、タスクAとタスクBを区切ることができます。このとき、タスクAを終えてしまえば、タスクBが残っていても、今日やるべきことは全部終わったのですから、「今やるべきことはない!」と判断することができます。
一日の仕事が終わったときに、「今日やるべきことは終わった! 今日はこれでよいのだ。」と確信できることは、幸せなことです。しかし、多くの仕事は、日をまたいでいろんなことを積み重ねることによって、仕事を前に進めます。とすれば、「今日やるべきことは終わった!」と考えて一日の仕事を終えるためには、自分が抱えるタスクを、一日ごとに区切る必要があります。
タスクを1日でできる大きさに分解し、締め切りを設定すれば、一日ごとの区切りを作ることができます。
b.状況を基準にして区切る
次に、状況を基準にする区切り方があります。状況というとわかりにくいのですが、場所や使用する道具や一緒にやる人です。
たとえば、記帳をするというタスクは、銀行という場所でないとできません。メールチェックをするというタスクは、インターネット回線につながった状況でないとできません。これらのタスクがあるとしても、今の状況が、銀行ではない場所にいたり、インターネットにつながっていないのなら、これらのタスクが残っていても、「今やるべきことはない!」と判断することができます。
この区切りが役に立つかは、仕事のスタイルによります。働く状況のバリエーションが多いなら、状況を基準にタスクを分ける意味があります。
(2) 「やれる」と「やる必要がある」をどう考えるか
次は、「今やるべき」の「やるべき」です。
「やるべき」という言葉には、いくつかの意味があります。タスクを管理する上で大切なのは、「やれる」つまり可能である、ということと、「やる必要がある」ということの、2つです。
a.「やれる」と「やる必要がある」
「やれる」というのは、可能か否かの問題です。今やることが不可能なタスクを、今やるタスクのタスクリストに加えることはできません。他方、「やれる」けれどやらない、という選択肢はあり得ますので、「やれる」タスクではあるけれど、「今やるべきタスク」のリストには加えない、という選択肢はあり得ます。
これに対して、「やる必要がある」というのは、必要性の問題です。義務と言い換えてもよいとも思います。今やる必要があるタスクは、必ず、「今やるべきタスク」のリストに加えなければいけません。
となると、問題は、「今やるべきタスク」のリストに、「やれる」タスクをどこまで加えるか、です。
b.理想的なタスクリストなら、「やる必要がある」だけでよいはず
本当にすべての「やる必要がある」タスクをリストにしたタスクリストなら、「今やるべきタスク」には、「やる必要がある」タスクだけを並べておけばよいのではないかと思います。本当の意味で、現時点で「やる必要がある」タスクの全部をきちんと完了させることができれば、未来永劫、全然困らないはずだからです。つまり、理想的なタスクリストなら、「やる必要がある」タスクだけを並べておけばよく、「やれる」タスクを盛り込む必要はありません。
他方で、本当の意味で、すべての「やる必要がある」タスクを、タスクリストに並べることは、必ずしも簡単なことではありません。
たとえば、10日後に提出締め切りが来るレポートを抱えていたとして、10日後にレポートを提出するには、9日後までにはレポートを完成させておきたいし、8日後までには推敲を終えたいし、7日後までにはある程度形になった原稿を完成させたいし、……とさかのぼって、今日中には参考文献を読んでおく必要がある、のかもしれません。しかし、目に見えるのは、10日後の締切りだけなので、何も考えずにタスクリストを作ると、10日後のところに「レポート提出」というタスクが載るだけになってしまいます。
これを防止するには、必要最低限の「やる必要がある」タスクだけでなく、今のうちに「やれる」タスクを適宜タスクリストに加えていくことが有効なのですが、これをすると、「今やるべきタスク」のリストには、「やれる」けれど「やる必要がある」わけではないタスクが増えることになります。
結局は、自分が作ったタスクリストでうまくタスクを管理するためのバランスなのではないかと思います。
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