見出しと項目番号を大切にする理由と、見出しと項目番号の実例
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書き方・考え方
1.私が見出しと項目番号を大切にする理由
私は、文書を作成する上で、一番大切なのは、見出しと項目番号だと思っています。この理由は、見出しと項目番号を大切にすれば、文書の受け手に、自分が文書で表現したい思考や情報を、わかりやすく正確に伝えられる可能性が、格段に高まるからです。
(1) 見出しと項目番号とは何か
a、見出しとは何か
文書の見出しとは、文書の中に存在する、文や段落のまとまりに付けられたタイトルです。文書の中には、たくさんの文があります。いくつかの文は、段落という単位にまとまります。いくつかの段落は、項目という単位にまとまります。項目に付けられたタイトルが、見出しです。
この記事で説明すれば、見出しとは、「1.私が見出しと項目番号を大切にする理由」や「(1) 見出しと項目番号とは何か」や「a、見出しとは何か」のことです。「a、見出しとは何か」という見出しの後には、「見出しとは何か」というテーマでまとめられた項目が続きます。この項目の中には、「文書の見出しとは」で始まる段落と、「この記事で説明すれば、」で始まる段落とがあります。また、それぞれの段落の中に、複数の文が存在します。
b、項目番号とは何か
項目番号とは、見出しの冒頭に付けられた番号のことです。
「1.私が見出しと項目番号を大切にする理由」における「1.」や、「(1) 見出しと項目番号とは何か」における「(1)」、「b、項目番号とは何か」における「b、」のことです。
(2) 見出しと項目番号を使えば、構造のある文書を、簡単に、作成できる
見出しと項目番号を使うことによって何ができるかと言えば、構造のある文書を、簡単に、作成できます。
a.見出しを付けることで、まとまりのある項目を作ることができる
見出しを付ければ、簡単に、まとまりのある項目を作ることができます。それは、見出しを付けることで、自分の思考をコントロールできるからです。
概して思考は自由奔放なので、頭を流れる思考のままにキーボードをたたき、文書を作成すると、いろんなところに話が飛んでしまいます。aという内容を述べた後で、あんまり関係のないbという内容が出て、再度、aと関連するa’に戻る、という感じになってしまいがちです。そうなると、ひとつの項目にいろんなことがごちゃごちゃに盛り込まれてしまいますので、まとまりのある項目を作ることができません。
これに対して、見出しを付けて文書を作成すれば、その見出しに関連する内容だけを書こうという気になります。「(a) 自分の思考をコントロールする」という見出しをつけて、何かを書けば、「見出しを付けることでどのように自分の思考をコントロールすることができるか」に関係した内容だけを書く気になります。こうなれば、ひとつの項目に盛り込まれる内容は、見出しに関係することだけです。
項目の見出しをつけてから項目の中身を書くことによって、自分の思考をコントロールでき、結果として、まとまりのある項目を書くことができます。
b.項目番号を付けることで、簡単に、項目間の関係性を表現できる
(a) 文書における項目間の関係性
文書は、いくつかの項目によって成り立っています。そして、文書の中に存在する複数の項目は、相互の関係性を持っています。たとえば、その文書のテーマを明らかにする項目、テーマに対する結論を主張する項目、理由に至る結論を説明する項目、などです。さらに、理由に至る結論を説明する項目の中に、理由1を説明する項目、理由2を説明する項目、有力な反論を説明する項目、有力な反論に対する再反論を説明する項目などが存在することもあります。
(b) 項目番号は、文書における項目間の関係性を、どのように表現するか
文書における項目間の関係性を表現する手段は、いくつかあります。たとえば、接続詞を使う方法があります。また、項目の最初や最後に、他の項目との関係を記載する方法があります。そして、項目番号を活用する方法があります。
項目番号は、見出しの前につけられた番号です。番号なので、順序を表現することができます。また、項目番号は、レベルを表現することもできます。
たとえば、「2.」から始まる見出しを持つ項目は、「3.」から始まる見出しを持つ項目の前に位置づけられ、「1.」から始まる見出しを持つ項目の後に位置づけられる、ということを表現できます。また、公用文のルールに従うとすれば、「1.」から始まる見出しを持つ項目は、「(1)」「(2)」から始まる見出しを持つ項目を包含する関係にあり、「第1」から始まる項目に包含される関係にある、ということを表現することができます。
c.まとまりのある項目が、明確な関係性を持って配置されている文書が、構造のある文書
まとまりのある項目が、明確な関係性を持って配置されている文書は、構造を持っています。文書の構造とは、文書の骨組みのようなものです。文書が扱うテーマは何で、その文書が主張する結論がどんなもので、その結論を支える理由は何なのか、さらに、結論を支える理由はどのように構成されているか。構造のある文書は、これらの要素が、組み立てられることによって、成り立っています。
(3) 文書の構造は、文書の理解を助ける
文書の構造は、文書の理解を助けます。
その文書が扱うテーマが何で、その文書が主張する結論が何で、その結論に至る理由がなんなのか、さらに、理由の組立て方が明らかな文書は、わかりやすい文書です。構造のある文書なら、読み手は、その文書の見出しと項目番号を見れば、その文書がどのような構造になっているかを、簡単に把握することができます。読解力がなくても、誤解することなく、その文書のテーマと結論と理由、それから理由の組立て方を知ることができます。
文書に構造をつけることは、文書の受け手に、自分が文書で表現したい思考や情報を、わかりやすく正確に伝えるための、最も効果的な手段のひとつではないかと思います。
2.「単純作業に心を込めて」における見出しと項目番号の付け方実例
(1) ブログ記事に、見出しと項目番号を付ける理由
私は、このブログに作成する記事に、できる限り、構造をつけようとしています。文書の構造は、文書の理解を助けるからです。
構造のある文書としてブログ記事を作成するため、私は、できる限り、ブログ記事に見出しと項目番号をつけることにしています。
(2) 「単純作業に心を込めて」の見出しと項目番号の付け方ルール
ブログ「単純作業に心を込めて」が、記事に見出しと項目番号を付けるルールは、以下の通りです。4つのレベルの見出しを使っており、それぞれのレベルに、ルールに従った項目番号をつけています。
- 大見出しの項目番号:1、2、3、……
- 中見出しの項目番号:(1)、(2)、(3)、……
- 小見出しの項目番号:a、b、c、……
- もっと小さい見出しの項目番号:(a)、(b)、(c)、……
(3) ルールの補足説明
a.基本のルール=公用文方式
項目番号の基本ルールは、公用文方式です。公用文方式については、以前、以下の記事でご紹介しました。
文章を書くときの項目番号の付け方(「公用文方式」と「理科系の作文方式」) | 単純作業に心を込めて
b.アレンジ1:「第1、第2、第3、……」を抜く
ブログ記事であることの特性から、若干のアレンジをしてあります。
まず、「第1、第2、第3、……」を抜いています。「第1、第2、第3、……」が大げさだと感じるためです。
そこで、「1,2,3,……」を、一番上のレベルの見出しとして使っています。
c.アレンジ2:「ア、イ、ウ、……」と「(ア)、(イ)、(ウ)、……」を抜く
次に、「ア、イ、ウ、……」と「(ア)、(イ)、(ウ)、……」を抜いています。
インターネット上で「ア、見出し」という形式の見出しを見た記憶があまりなかったためです。また、「ア、イ、ウ、……」というカタカナの番号は、「イ、ロ、ハ、……」という順序と若干紛らわしいためです。
そこで、「(1)、(2)、(3)、……」の次は、「a、b、c、……」に飛んでいます。
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