Toodledoを使う(10) 「Toodledoにいつ何を教えてもらいたいか?」を考える
公開日:
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最終更新日:2012/07/13
Toodledo
1.「Toodledoをどう使うか」の考え方
(1)Toodledoの長所と短所
Toodledoは、高機能でありながら、使い方を押しつけないサービスです。これは、Toodledoの長所です。
他方で、使い方の自由度が高いために、Toodledoをどう使うかを、自分で考えなければいけません。しかし、「Toodledoをどう使うか」は、とらえどころのない問いであり、どのように考えを進めたらよいか、迷います。そのため、自分としてToodledoをどう使うかをなかなか定めることができず、結局、Toodledoをうまく使えない状態になりがちです。これは、Toodledoの短所です。
(2)「Toodledoをどう使うか」を、どう考えるか
では、「Toodledoをどう使うか」を考えるには、何を考えたらよいのでしょうか。
まず、「Toodledoをどう使うか」を考えることは、以下の2点を決めることではないかと思います。
- Toodledoに入れたタスクにどんな要素を付与するか
- タスクをどのように並べるか
次に、このふたつを考えるためには、「Toodledoにいつ何を教えてもらいたいか?」を考えるのがよいのではないかと思います。
2.「Toodledoにいつ何を教えてもらいたいか?」
(1)結局、Toodledoは、何をしてくれるのか?
Toodledoは、タスク管理システムです。タスク管理システムは、何をしてくれるのでしょうか。
タスク管理システムは、タスクを片付けてくれません。タスクを管理するのは、あくまでも自分であって、タスク管理システムではありません。タスク管理システムを作るだけで、自動でタスクが片付くわけではありません。
しかし、タスク管理システムは、タスクを管理してくれます。つまり、タスク管理システムは、自分が行うべきすべてのタスクを把握した上で、それらのタスクを特定の順序で並び替えたり、それらのタスクのうち特定のタスクだけを表示したりしてくれます。
結局、Toodledoがしてくれるのは、タスクについての情報を記憶し、タスクについて、以下のようなことを教えてくれることなのではないかと思います。
- あなたが行うべきタスクは、全部でこれだけです。
- あなたが今日中に完了させなければいけないタスクは、これだけです。
- あなたが今取りかかることのできるタスクは、これとこれです。
(2)Toodledoに何を教えてもらいたいか?
とすれば、Toodledoをうまく使うために、まず考えるべきことは、Toodledoに、タスクに関する何を覚えてもらい、何を教えてもらいたいのか、です。ポイントは、教えてもらう必要のないことは、教えてもらわなくてもよい、ということです。Toodledoに教えてもらう必要がないのであれば、Toodledoがその機能を持っていたとしても、無理してその機能を使う必要はありません。
Toodledoが教えてくれるのは、タスクに関する以下のようなことです。
- タスクの締め切りはいつか。
- タスクの優先度はどれくらいか。高いか低いか。
- タスクの状態はどうか。すぐに取りかかることのできるタスクなのか、待ちなのか。
- タスクが属するプロジェクトは何か。
- タスクを完了するためにどんな道具が必要か。
- タスクを完了するために誰と一緒である必要があるか。
- タスクを片付けるために何時間かかるか。
- タスクに取りかかるとき、どんな気分でいる必要があるか。
- タスクを行う場所はどこか。
- タスクを行う時間帯はいつか。
(3)Toodledoにいつ教えてもらいたいか?
そして、次に考えるべきは、タスクに関する情報を、いつ、教えてもらいたいか、です。「いつ」というのは、時刻だけでなく、特定の条件が整ったとき、という意味です。特定の視点からタスクを絞り込んだり並べ替えたりといったことです。
この意味での「いつ」教えてもらいたいかは、「何を」教えてもらいたいか、に対応します。
- タスクの締め切り → 締め切りが迫ってきたとき、締め切りが近いタスクの一覧を教えてもらう。(または、締め切りが近い順にタスクを並べてもらう。)
- タスクの優先度 → 優先度の高いタスクの一覧を教えてもらう。(または、優先度の高い順にタスクを並べてもらう。)
- タスクの状態 → 今自分が実行できるタスクの一覧を教えてもらう。次に自分が実行するタスクの一覧を教えてもらう。
- タスクが属するプロジェクト → 特定のプロジェクトに取り組んでいる瞬間、そのプロジェクトに属するタスクの一覧を教えてもらう。
- タスクを完了するために必要な道具 → 特定の道具が手元にあるとき、その道具を使う必要のあるタスクの一覧を教えてもらう。
- タスクを完了するために必要な人 → 特定の人と一緒にいるとき、その人が必要なタスクの一覧を教えてもらう。
- タスク完了の所要時間 → 5分で完了できるタスクの一覧を教えてもらう。
- タスクに取りかかるときの自分の気分 → 特定の気分にあるとき、その気分で行うタスクの一覧を教えてもらう。集中しているときのタスク一覧、逆に、集中力を欠いて眠たいときのタスク一覧。
- タスクを行う場所 → 特定の場所にいるとき、その場所で行うタスクの一覧を教えてもらう。
- タスクを行う時間帯 → 特定の時間帯に、その時間帯に行うタスクの一覧を教えてもらう。
Toodledoを使えば、特定の条件が整ったときに、その条件に合致するタスクのみを、特定の視点から並べて表示する、ということが、簡単に実現可能です。
3.「いつ何を教えてもらいたいか」に対応したToodledoの使い方の例
「Toodledoにいつ何を教えてもらいたいか」がはっきりすれば、あとは、Toodledoの豊富な機能を活用し、タスク管理をするだけです。タスクに様々な要素を付与することは面倒ではありますが、「いつ何を教えてもらいたいか」が明確になっていれば、その要素を付与する意味が明らかなので、続けられる可能性が高まります。
以下、いくつかの例を考えてみます。
(1)今、自分が抱えている手持ちタスクすべてを、締め切りの近い順に並べて、教えてほしい。
Toodledoにすべてのタスクをいれておけば、Toodledoに、自分が抱えている手持ちタスクすべてを教えてもらうことができます。
Toodledoのタスクに締め切りを設定しておけば、タスクを締め切り順に並べて表示することができます(Fieldsは、Due Dateを使います)。
また、今日が締め切りのタスクだけを絞って表示させることもできます。(「明日できることを今日やるな」方式なら、今日締め切りのタスクだけを絞って表示させることには意味があります。)
以上から、「今、自分が抱えている手持ちタスクすべてを、締め切りの近い順に並べて、教えてほしい。」という要望をかなえるためには、
- Toodledoにすべての手持ちタスクを入れる
- 締め切りのあるタスクにはすべて締め切りを設定する(Due Date)
という2点を満たせばよいのではないかと思います。
(2)今から30分のまとまった時間をとることができそうなので、その間に片付けることができるタスクを教えてほしい。
ときに、ぽっかりと30分程度の時間が空くことがあります。そんなときに、30分の間で完全に片付けてしまえるタスクをやりたい、という気分のときがあります。
その場合には、自分の頭で、今から30分で最後まで片付けるタスクを探すよりも、Toodledoに何をするべきかを教えてもらえれば、楽です。
Toodledoに、「今からの30分で完了させることができるタスクは何か?」を教えてもらいたい場合、以下のような使い方をするのがよいのではないかと思います。
- まず、それぞれのタスクの所要時間を記入しておく必要があります。これにより、30分以上かかるタスクは除外されます。
- 次に、何かを待っているタスクとそうでないタスクを区別する必要があります。誰かからのメールの返信がないとできないタスク、先にお役所で書類をもらってこないとできないタスクなどは、除外する必要があります。
- さらに、何らかの道具が必要なタスク、誰かと一緒じゃないとできないタスク、特定の場所にいるときしかできないタスクについては、今ある道具、今一緒にいる人、今いる場所でできるタスクのみに絞って表示させる必要があります。
Toodledoの機能との関係では、以下のようになるのではないかと思います。
- 所要時間は、Lengthを使うのが一般です。
- 何かを待っているタスクかそうでないタスクの区別は、StatusかStarで区別するのがよいのではないかと思います。
- 何らかの道具が必要なタスク、誰かと一緒じゃないとできないタスクについては、TagかContextが使えそうです。特定の場所にいるときしかできないタスクは、Locatisonを使えばOKです。
(3)今、とても気分が乗っている。優先度が高くて、気分が乗っているときでしかできないタスクをやりたい。そんなタスクを教えてほしい。
集中しているとき、気分が乗っているときに片付けたいタスクがあります。他方、ルーティンの事務作業で、たいして頭を使わないタスクもあります。
ときに、集中力は高く、やる気も十分で、頭がきびきび動く状態が訪れます。そんなときには、優先度が高く、気分が乗っているときしかできないタスクを行いたいと思います。そんなときに、いつでもできる事務作業で時間を消費したくありません。
Toodledoにこれらを教えてもらうには、以下の機能を使い、タスクに気分や優先度を記入することです。
- ContextやTagを使えば、そのタスクを行うときの気分を記録することができます。
- 優先度は、Priorityで設定可能です。
4.おわりに
Toodledoは、タスク管理システムです。タスク管理システムがしてくれるのは、タスクを片付けることそのものではなく、タスクに関するもろもろを記憶した上で、状況に応じていろいろと教えてくれることです。
たったそれだけといえばそれだけですが、自分の手持ちタスクについて、適切なタイミングで適切な事柄を教えてくれるタスク管理システムは、優秀な秘書並みに役立つ存在だと思います。
「Toodledoにいつ何を教えてもらいたいか?」を考え、それに応じた設定と使い方をすれば、Toodledoを優秀な秘書に育てることができます。
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