HandyFlowyのOPML機能の基本(HandyFlowy Ver.1.4)
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WorkFlowy
HandyFlowyは、スマートフォンから使うWorkFlowyを快適にするアプリです。
HandyFlowyは、Ver.1.4で、OPMLの書き出しと読み込みに対応しました。
この記事では、HandyFlowyのOPML機能について説明します。
目次
1.OPMLとモバイル版WorkFlowy
(1) OPMLとは?
OPMLは、XML 1.0をベースとするマークアップ言語のひとつです。
OPMLを使えば、環境やアプリに依存せず、情報の階層構造を表現できます。そのため、異なるアプリ間・異なる環境間で、階層構造を持つデータをやり取りすることも可能です。そのため、OPMLは、アウトライナーの一般的なデータ形式となっています。
WorkFlowyも、階層構造を基本枠組みとするツールで(あり、アウトライナーの一種で)す。そのためか、WorkFlowyは、OPMLに対応しています。
まず、Export。パソコン版WorkFlowyのExportメニューから、OPMLを書き出せます。
次に、Import。WorkFlowyにOPMLのコードをペーストすると、(そのOPMLが文法的に正しいOPMLでさえあれば、)WorkFlowyには、(OPMLのコードそのものではなく、)OPMLが表現する階層構造がインポートされます。
- WorkFlowyのExportの基本(テキストファイル、Word、Evernote、Gmail)
- WorkFlowyで文章を執筆するフローを構築するための、「出口」と「入口」の基礎知識
- WorkFlowy now supports OPML import and export – WorkFlowy Blog
(2) OPMLの活用
では、OPMLを使うと、どんなことができるのでしょうか。
抽象的にいえば、階層構造の情報が持つ意味の構造を活用できる、ということです。階層構造の形をとる情報は、(そこに記載された文字が持つ意味とは独立に、)階層構造だけで一定の意味を持っています。OPMLを使えば、アプリやOSに依存せず、この意味の構造を広く活用できるわけです。
具体的な活用例としては、ハサミスクリプトがそのひとつです。ハサミスクリプトは、WorkFlowyから書き出したOPMLをHTMLなどに変換してくれます。この変換は、OPMLが持つ階層構造を活用しています。
WorkFlowyをブログツールに。ハサミスクリプトファミリーの整理(Win&Mac・HTML&マークダウン&はてな記法)
また、バックアップにもなります。OPMLは、アウトライナーのアウトラインが持っている情報の大部分を表現できる、標準的なデータ形式です。アプリや環境に依存しませんので、OPMLのコードをテキストエディタによってOPML形式で保存しておけば、10年後も20年後も、アウトライナーで作成したデータを読み返すことができます。
(3) モバイル版WorkFlowyとOPML
さて、そんな便利そうなOPMLですが、これをモバイル版WorkFlowyで活用するには、どうしたらよいでしょうか。
実は、それほど簡単ではありません。
大きな問題は、OPMLを書き出す機能がないことです。モバイル版WorkFlowyには、パソコン版WorkFlowyで使えるExportメニューがありませんので、OPMLを書き出すこともできません。
そこで、HandyFlowyの出番です。HandyFlowyは、今回のVer.1.4へのバージョンアップで、OPMLの書き出し機能を備え、HandyFlowyのペースト機能によってOPMLを読み込むことができるようになりました。つまり、OPMLの読み書きに完全に対応した、ということです。
HandyFlowyのバージョンアップによって、スマートフォンから使うWorkFlowyにおいても、OPMLを活用することができます。
2.HandyFlowyのOPML機能
HandyFlowy Ver.1.4に備わったOPML機能を、ExportとImportに分けて、説明します。
(1) OPMLのExport
まず、Exportから説明します。
HandyFlowy Ver.1.4は、OPMLを書き出す機能を備えました。パソコン版WorkFlowyのExportメニューのうち、OPMLに相当する機能です。
利用方法は、大きく分けて2つあります。どちらも簡単です。
a.右ドロワーメニューのExportTEXT
まず、右ドロワーメニューのExportTEXTです。
ExportTEXTは、Zoomしているリスト内に存在するトピックを対象に、OSのペーストボードにテキストデータをコピーする機能です。
書き出し形式を選択できることがひとつの強みですが、今回のバージョンアップで、新たに、OPML形式を追加しました。
b.カスタマイズツールバーのExportTEXTボタン
次に、カスタマイズツールバーのExportTEXTボタンです。このボタンは、今回のバージョンアップで加わりました。
このボタンによるExportの対象は、「カーソルのあるトピックとその子トピック」です。書き出しの形式は、右ドロワーメニューと同じように選択可能なので、ここからも、OPML形式を選択できます。
この機能からも、書き出し先は、OSのペーストボードです。テキストデータの形で、OPMLのコードが入りますので、あとは任意のアプリの任意の場所にペーストすれば、OPMLの階層構造を活用できます。
(2) OPMLのImport
次に、OPMLのImportです。
WorkFlowyのImportは、要するに、ペーストです。インポートするデータをWorkFlowyアウトラインのどこかにペーストすれば、それがImportになります。
WorkFlowyのImportの基本(テキストファイル、Excel、Evernote)
ところで、HandyFlowyは、iOSによるペーストメニューの他に、HandyFlowy独自のペースト機能を持っています。
HandyFlowyのカスタマイズツールバー内にあるペーストボタンによって、OSのペーストボード内のデータをペーストできる、というシンプルな機能です。でも、iOSのペーストメニューがあまり使いやすくないため、便利な機能だと自負しています。
ところが、従来、HandyFlowyのペースト機能は、OPML形式のImportに対応していませんでした。つまり、OPML形式のコードをペーストする場合に、
- iOSのペーストメニューでペーストすれば、OPMLが表現する階層構造がImportされるのに対して、
- HandyFlowyのペースト機能でペーストすれば、OPMLのコード自体がImportされてしまい、OPMLが表現している階層構造がImportされない
という事態になっていました。
これに対して、今回のバージョンアップによって、HandyFlowyのペースト機能も、OPMLペーストに対応しました。つまり、
- iOSのペーストメニューでペーストすれば、OPMLが表現する階層構造がImportされるし、
- HandyFlowyのペースト機能でペーストしても、OPMLが表現する階層構造がImportされる
ということです。
これで、HandyFlowyは、OPMLを取り込む機能を獲得しました。
(なお、OPMLペースト機能のためのコード解析も、マロ。さんによる仕事です。)
3.「離れた場所へトピックを移動する」への応用
(1) カット&ペーストによるトピック移動の代案
OPMLのExport&Importを使うと、「アウトライン内の離れた場所にトピック(及びその子トピック)をコピーする」ということを比較的簡単に実現できます。
WorkFlowyを使う上で、トピックを移動することは、基本的な操作のひとつです。トピック移動は、ドラッグ&ドロップ、ショートカットキーなどによって実現できるのですが、カット&ペーストという方法もあります。移動対象のトピックをクリップボードにカットし、移動先の場所へペーストする、という方法です。
WorkFlowyのトピック移動機能とは何で、どのような役割を果たすのか?
このカット&ペーストによるトピック移動は、パソコン版WorkFlowyでなら、ごく簡単に使えます。とりわけ、遠く離れた別の場所に移動するときには、カット&ペーストがいちばん便利です。
でも、モバイル版WorkFlowyでは、使えません。モバイル版WorkFlowyが、複数トピックをまとめてカット&ペーストすることに、対応していないためです。
ですが、今回HandyFlowy Ver.1.4が備えたOPMLの書き出し&読み込み機能を利用すれば、カット&ペーストと似たようなことが可能になります。
- 移動対象のトピックのOPMLを書き出し、
- 移動先にOPMLをペーストし、
- もともとのトピックを削除する
という手順です。
厳密にいえば、これは、パソコン版WorkFlowyでの「カット&ペーストによるトピック移動」とは異なります。カット&ペーストはトピックの移動なので、WorkFlowyのURLが維持されるのですが、このコピー&ペーストは「コピー&ペースト」と「元トピックの削除」なので、WorkFlowyのURLが変わってしまいます。
でも、だいたい同じです。
離れた場所にトピックを移動したいときには、便利です。
(2) 方法
わざわざ説明するほどでもないかもしれませんが、一応、方法を説明します。
a.移動したいトピックのOPMLを書き出す
まず、移動したいトピックのOPMLを書き出します。
- 当該トピックにZoomした後で、右ドロワーメニューのExportTEXTを使う
- 当該トピックにカーソルを置いてカスタマイズツールバーを出して、同ツールバー内のExportTEXTボタンを使う
のいずれかです。
少し時間がかかることがありますが、しばらく待てば、「ペーストボードにコピーしました」というメッセージが出て、OPMLの書き出しが完了します。
b.移動先にカーソルを置き、ペースト
次に、移動先にカーソルを置きます。離れた場所でも構いません。
そして、ペーストします。HandyFlowyのペーストボタンでも大丈夫ですし、OSのペーストメニューでも問題ありません。
c.元トピックを削除する
「移動」にしたければ、元トピックは不要なので、削除します。
削除するためにも、カスタマイズツールバーの削除ボタンが便利です。
もっとも、元トピックを残しておいても問題なければ、残しておいてもよいとは思います。
(3) OPMLを経由するメリット
WorkFlowyは、単なるテキストデータであっても、行頭スペースの数によって、階層構造を表現できます。そのため、階層構造を再現するだけなら、OPMLを経由するのではなく、もともとHandyFlowyが備えていたExportTEXTの「インデント」でも足ります。
では、わざわざOPMLを経由するメリットはどこにあるのでしょうか。
大きな点は、noteです。
WorkFlowyは、noteという要素を持っています。このnoteはトピックの注のような存在なのですが、トピック本文とは別次元の存在であり、トピックの階層構造と同一次元に位置づけることができません。そのため、行頭スペースだけでnoteの構造を再現することは困難です。
WorkFlowyのnoteとは何か? どう活用できるのか?
これに対して、OPMLは、トピックのnoteを扱うことができます。そのため、OPMLを経由すれば、noteを正確に再現できるわけです。
4.まとめ
WorkFlowyは、優れたテキスト管理ツールです。でも、WorkFlowyによるテキスト管理は、WorkFlowyだけでは完結しません。
WorkFlowyがその真価を発揮するには、他のツールが扱うテキストデータを取り込み、また、他のツールへとテキストデータを書き出すことが必要不可欠です。そして、OPMLは、WorkFlowyの「入口」と「出口」として、大きな可能性を持っています。
WorkFlowyで文章を執筆するフローを構築するための、「出口」と「入口」の基礎知識
しかし、これまでのモバイル版WorkFlowyは、OPML対応が不十分でした。
これに対して、今回、HandyFlowyは、OPML機能を備えました。モバイル版WorkFlowyの「入口」と「出口」を強化するものであり、WorkFlowyの力を発揮させることを促すバージョンアップといってよいと思います。
若干大げさになっちゃいましたが、ご活用いただければ幸いです。
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