知的生産のフローが、ずっとそこにあり続けること
公開日:
:
知的生産
「知的生産はフローである。」
これが、知的生産に関する私の考え方の根幹です。
●
知的生産とは、新しい情報の生産です。
どんなアイデアをメモしても、どんな読書ノートを作っても、どんなことを考えても、それだけでは、知的生産ではありません。
インプットした情報をもとに、考えて、何らかの形にアウトプットして、社会に対して新しい情報を追加する。ここには、情報の流れがあります。流れの最後まで情報を流してこそ、知的生産は意味を持ちます。
「知的生産はフローである。」というとき、私が念頭に置いていたのは、こんな川のような流れの上に、滞りなく情報を流すことの大切さでした。
●
他方で、「知的生産はフローである。」を、川のようなイメージで捉えてみたら、もうひとつのポイントに気づきました。
川を構成するのは、水です。川の一点を観察すると、ある一瞬、そこに存在していた水は、すぐに流れ去っていきます。でも、川そのものは、ずっとそこにあり続けます。
知的生産のフローも、同じかもしれません。
知的生産のフローを構成するのは、情報です。知的生産のフローの一点を観察すると、ある一瞬、そこに存在していた情報は、知的生産のフローの上を、流れ去っていきます。でも、知的生産のフローそのものは、その情報が流れ去ったあとも、そこにあり続けることができるかもしれません。
「知的生産はフローである。」という考え方の、もうひとつの大切なポイントが、ここにあります。あるひとつの情報(たとえば、ふと思いついたアイデアとか、読んだ本から感銘を受けた一節とか)が、知的生産のフローの上を乗ってアウトプットまで流れていくことは、大切です。でも、知的生産のフローが、ずっとそこにあり続けることは、それと同じくらいかそれ以上に大切です。
スポンサードリンク
関連記事
-
-
【2015年の思考】WorkFlowy/情報の構造/Twitterで知的生産プロセスを共有/ブログで考察を深める/本を書いて「プル型知的生産」
12月になったのを機に、自分にとっての個人的な2015年をふり返っています。これまでに、読書と文章と
-
-
好きな素材を、上達論のテキストとして使い込む
1.「上達論のテキストとしてみる習慣」という考え方 齋藤孝の『「できる人」はどこがちがうのか』に、
-
-
ずっと完成しないで変化し続ける有機体から、暫定的な作品群を切り取るためのハサミ
1.ずっと完成しないで変化し続ける有機体と、そこから切り取った暫定的な作品群を公開する場所 (1)
-
-
すべてのメール・すべてのノート・すべてのタスクの凄み(Gmail・Evernote・Toodledoから得る価値を大きくする)
1.すべてのメール・すべてのノート・すべてのタスク (1) Gmail・Evernote・Tood
-
-
「個人の継続的な知的生産」と、「全体・一部分」&「それより上の階層がない・それより上の階層がある」
1.はじめに 先日、これを書きました。 全体と一部分(それより上の階層がない・それより上の階層が
-
-
「コンテナ」と「トピック」〜WorkFlowyの中に知的生産のフローを流すシステム〜
1.[はじめに]知的生産のフローと『コンテナ物語』をつなぐもの 次の2つの記事を書きました。 知的
-
-
アウトライナーで考えるための3つのコツ(『アウトライン・プロセッシング入門』より)
1.はじめに 『アウトライン・プロセッシング入門: アウトライナーで文章を書き、考える技術』は、「ア
-
-
WorkFlowyを「書き上げる」ための道具として機能させるための、2つの条件・3つのイメージ
Tak.さんのTweetに触発されて。 WorkFlowyやOmniOutlinerなどのプロセス型
-
-
マンダラ「個人のための知的生産システムを構成するウェブサービス」を読む
1.はじめに(このエントリの位置づけ) このエントリは、さきほど創ったこのマンダラを、〈読む〉こと
-
-
[具体例]本からの引用を格納した「トピック」は、WorkFlowyの中を、どのように流れていくのか?
1.テキスト情報を格納した「トピック」が、WorkFlowyの中を流れる (1) 「トピック」とい
スポンサードリンク
- PREV
- 「起点」「目盛り」「焦点」(Re:発想法と「中心」)
- NEXT
- 「作品」と「価値」をめぐる時間軸

