すべてのワクワクを同時に実行する生き方。『ソース〜あなたの人生の源は、ワクワクすることにある。』
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本
1.はじめに
今から2ヶ月ほどまえ、Kindleストアで『ソース~あなたの人生の源は、ワクワクすることにある。』を見つけました。
『ソース』を私が最初に読んだのは、4年ほど前の2012年1月のことです。その紙の本を私はとても面白く読んだので、限られた本棚スペースの一角に並べていたのですが、その後4年弱の間、読み返す機会がありませんでした。そんなとき、Kindleストアで目にし、その存在を思い出し、読み返したくなり、改めてKindle版を読み返しました。
今回も、とても面白く読むことができました。
●
『ソース』は、「あなたの人生の源は、ワクワクすることにある。」という副題を持っています。この副題が示すとおり、本書のキーワードは、「ワクワク」です。
いくぶん大雑把ですが、私なりに本書のメッセージを要約すれば、
- (1) あなたには、たくさんのワクワクすることがあるはずだ。ワクワクすることは、あなたが生まれ持って携えた、あなたの本質である。
- (2) それらのワクワクすることを、あなたは、全部実行するべきである。そうすれば、全部うまくいく。元気が湧いてきて、ストレス知らずで、人間関係もうまくいき、お金も(いつかは)ついてくる。
- (3) 生まれ持って携えたすべてのワクワクを同時にすべて実行する生き方こそが、あなたにとっての責任ある生き方だ。皆がそんな生き方をすればするだけ、この世界はすばらしい場所になる。
という感じです。
どんな印象を受けるでしょうか。
(1)はともかくとして、(2)と(3)は、多くの方が眉唾と感じるのではないかと思います。ワクワクすることを全部やっていては、時間もお金も身体ももちません。ワクワクはしないけれど、自分がやるべきことだって、この世には存在するはずです。そんな自分の使命を果たしてこそ、責任ある生き方ではないでしょうか。「きれいごとばかりのセミナー勧誘文句なんじゃないの?」とすら思ってしまうほどです。
しかし、(事実として『ソース』はセミナーの販促本という側面も持っているのですが、それはさておくとして、)本書を丁寧に読み進めていってわかることは、本書が、必ずしも耳障りのよい言葉を無根拠に並べているだけの本ではない、ということです。そこかしこに「なるほど、そうかもしれない」という記載がたくさんあり、それらが積み重なることで、「ワクワク」という本書のメッセージが、徐々に染みこんできます。
少なくとも私は、本書を最後まで読んだときに、「本書の内容は、確かに常識に反することもあるかもしれない。でも、これはこれでうまく機能するんじゃないか。」と納得できました。
そんな『ソース』を、紹介します。
2.「すべてのワクワクを同時に実行する生き方」への疑問に対する『ソース』の回答
『ソース』は、「すべてのワクワクを同時に実現する生き方」を示します。この生き方に対しては、いくつかの自然と疑問が浮かびます。『ソース』は、これらの疑問に対し、ひとつひとつ、丁寧に回答します。それが、「第二部 誰もが信じているウソ」の各章です。
私が主観的に面白く感じたものを中心に、『ソース』が示す回答の一部を紹介します。
(1) 生きていくうえでは、ワクワクよりも大切なものがあるんじゃないの?
疑問
生きていくうえでは、自分がワクワクすることよりも、もっと大切なものがあるんじゃないの?
自分がワクワクすること大切にする生き方は、責任感を欠いた生き方なのでは?
回答
ワクワクは、いちばん大切なこと。自分のワクワクは、生まれ持って携えたギフトのようなもの。自分がワクワクすることを実行することこそが、生きる責任を果たすこと。
『ソース』からの引用
人にとって最高の責任感とは、自分自身に正直になり、自分の心からの願いやニーズに忠実になることです。
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生まれながらのワクワクを追求することこそ、もっとも責任ある生き方であり、人間として一番大切な行為なのです。
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もっとも責任のある生き方は、自分が大好きなことを見つけ、それだけを追求することです。
location 498
私たちのワクワクは生まれつきのもので、それには存在意義があります。
自分のワクワクに気づき、それを充分に生活の中で生かしきり、最終的にはそれを使って社会や人類に貢献すること。それがこの世に生を受けた、あなたの存在意義なのです。
location 502
(2) 能力や適性があるなら、たとえワクワクしなくても、やるべきではないか?
疑問
ワクワクよりも、能力や適性や才能や上手さが大切なのではないか?
何かの才能を天から与えられ、それをとても上手にできるのであれば、たとえそれにワクワクしないとしても、それをやるべきではないか? 才能は無駄遣いしてはいけないはず!
回答
能力や適性があったとしても、ワクワクしないなら、やるべきではない。
ワクワクしないことのために自分の生を使ってはいけない。
天から才能を与えられ、能力や適性があり、それを上手にできるとしても、ワクワクしないなら、やらなくていいし、やるべきじゃない。
『ソース』からの引用
適性があると言われたからといって、それをする必要もなければ、好きになる必要もない。
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上手でなければやってはいけない、上手ならばやらなくてはいけない、という通念をうのみにしていると、自分が本当にやりたいことがやれなくなってしまいます。
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(3) 能力や適性がないなら、たとえワクワクするとしても、やらないほうがよいのではないか?
疑問
たとえワクワクするとしても、天から才能を与えられなかったなら、諦めたほうがいいのでは? 才能や適性のないことを実行しても、上手にできるようにはならないので、結局、つまらないのではないか?
才能や適性のないことに人生を費やすのは、時間の無駄では?
回答
能力や適性がなくても、ワクワクするなら、断固、やるべき。たとえ上手にならなくたって、全然問題ない。才能がなくたって、上手にならなくたって、ワクワクするなら、やるべき。
「才能があるか? 適性があるか? 上手になれるか?」を気にする必要はない。大切なのは、「ワクワクするか?」だけ。
『ソース』からの引用
「適性があると言われたからといって、それをする必要もなければ、好きになる必要もない。しかし、適性がなくてもワクワクすることなら、やったほうがよい」
location 634
ワクワクすることや好きなこと適性がないと思う場合は、なおさらそれをやろう、と「ソース」のプログラムは主張します。
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上手でなければやってはいけない、上手ならばやらなくてはいけない、という通念をうのみにしていると、自分が本当にやりたいことがやれなくなってしまいます。
location 684
自分がワクワクする分野に適性や能力がある人はすばらしいと思います。迷わずにそのまま突き進んでください。しかし能力や適性がないと思っている人も、そのワクワクを実行に移しましょう。
これは選択の問題ではなく、自分に対する義務なのです。自分のワクワクを無視して能力や技術だけをみがいていても、仕事の能力が優れているだけの、心の空洞に気づくことすらない、孤独でさびしい人間になってしまうかもしれないからです。
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(4) ワクワクするたくさんのことのうち、もっともワクワクすることだけに集中するほうが、もっとワクワクできて、もっとうまくいくのではないか?
疑問
ワクワクすること実行するとしても、「全部」実行する必要があるのか? もっともワクワクすることに絞って、限定したことだけに集中するほうが、ぐっとワクワクできるのではないか?
「全部」やろうとすると、キャパシティオーバーで、パンクするのではないか?
回答
自分がワクワクすることは、全部、大切。ワクワクすることすべての集合体が、自分である。だから、いずれかのワクワクを無視していると、バランスも悪くなるし、満たされなかったワクワクが足を引っ張って、結局、満たされない。
それぞれは少しずつでいいから、自分がワクワクするたくさんのことの「全部」を実行するべき。
『ソース』からの引用
けれども人間は私たちが考えているよりもはるかに複雑で多面的な存在なのです。私たちはダイヤモンドの鉱石のようなもので、隠れた素質を上手に引き出して、多くの面がすべて輝き出すように磨き上げる必要があります。
location 1102
誰もがワクワクをたくさん持っています。無意味だと思えても、まんべんなく関心を払いましょう。自分のあらゆる面を発見したら、そのすべてを生活に取り入れる努力をしてください。たくさんあるワクワクのうち、たったひとつでも無視すると、生活全体がアンバランスになり、心の満足は得られません。
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いいですか? これらの多面的なワクワクはすべて常に実践されていることが望ましいのです。これが次章で紹介する「ソース」の「同時実行」の概念です。
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生まれ持ったワクワクが「ソース」プログラムの心臓だとすれば、本章で説明する「同時実行」の考えはその肉体だと言えます。「同時実行」の考えは「ソース」プログラムの中でもとりわけ議論の中心になる部分ですが、ひとことで言えば、「自分がワクワクすることはひとつ残らず、すぐに実行したほうがいい」という考えです。あなたにとって大切なことはすべて、今すぐ実行する価値のあることです。
location 1125
自分のワクワクはすべて実行しましょう。たとえ一部でも、おろそかにしたり無視したりすると、その人らしさの一部が欠けてしまい、全体の美しさや輝きがそこなわれてしまうのです。
location 1132
(5) ワクワクすることを全部やるとしても、優先順位をつけて、ひとつずつ順番にやっていくべきではないか?
疑問
ワクワクすることを全部やるのが大切だとしても、物事には順序というものがある。全部を同時に実行するのではなく、優先順位をつけて、ひとつずつ順番にやるほうがよいのではないか?
全部を同時にやろうとすると、結局、全部できないのではないか?
回答
優先順位をつけると、優先順位を低くした一部は、実行されずに終わってしまう。でも、私たちは全人的存在なので、自分のニーズを部分に分けて、そのうちの重要な一部分だけを満たす、などということはできない。
すべてのワクワクが大切である。すべてのワクワクを大切にするには、すべてのワクワクを同時に実行するしかない。
それぞれのワクワクに対する実行のひとつひとつは、ほんの小さな一歩でいい。目標を立てる必要もない。方向性だけ定めて、小さな一歩を踏み出せば、すべてのワクワクを同時に実行できる。
『ソース』からの引用
私たちは精神的にも肉体的にも知的にも満足を求める全人的存在です。自分のニーズを部分に分けて、そのうちのひとつか二つだけ満たしても絶対にうまくいきません。ワクワクに優先順位をつけてはいけないのです。それらのすべてが大切であり、すべてを生かさなくてはなりません。
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人生において大切なことはたったひとつ。自分が生まれた目的を見つけ、心も体も満たしてくれる方向に向かって歩んでいくことです。自分が生まれながらに持っているワクワクや夢をすべて実現する方向です。人生の目標地点を定めたりせずに、方向のみを定めましょう。達成すべき目標を決めると、創造性や柔軟性がうしなわれ、ストレスが高じます。逆に、方向だけを決めて進んでいくと「失敗」がありません。
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数あるワクワクに同じ量の情熱を傾け、すべて生活に生かしましょう。どれも一生懸命に追求しましょう。そうすれば、思ってもみなかったほど多くの時間や体力が自分にあったことに気づき、自分の存在意義が見えてくるはずです。
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3.おわりに
もういちど、『ソース』の基本メッセージを書きます。
- (1) あなたには、たくさんのワクワクすることがあるはずだ。ワクワクすることは、あなたが生まれ持って携えた、あなたの本質である。
- (2) それらのワクワクすることを、あなたは、全部実行するべきである。そうすれば、全部うまくいく。元気が湧いてきて、ストレス知らずで、人間関係もうまくいき、お金も(いつかは)ついてくる。
- (3) 生まれ持って携えたすべてのワクワクを同時にすべて実行する生き方こそが、あなたにとっての責任ある生き方だ。皆がそんな生き方をすればするだけ、この世界はすばらしい場所になる。
いかがでしょう。再び、このメッセージを読んだ今、どのような感想を抱くでしょうか。最初に読んだときと比べたら、抵抗が薄くなっているのではないかなと期待します。
『ソース』には、ここで紹介した疑問に対する回答のほか、自分のワクワクをすべて同時に実行するための具体的な提案も紹介されています。
興味をお持ちの方は、ぜひご一読ください。毎日の暮らしのなかに、ワクワクを追加するためのヒントが盛り沢山です。
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