*

『文章教室』(結城浩)練習問題実践記録・第10回「ストレートに書きましょう」

公開日: : 最終更新日:2014/05/09 書き方・考え方

この文章は、結城浩先生の『文章教室』に取り組んだ記録です。

文章教室

第1回~第9回の記録は、こちらです。

『文章教室』2014期生は、いつでも、新入生募集中です。

結城浩先生の『数学文章作法 基礎編』を読んでから、『文章教室』2014期生のクラスメイトができるまで(あるいは、『文章教室』2014期生へのお誘い)

1.第10回「ストレートに書きましょう」

(1) ポイント

『文章教室』第10回のテーマは、「ストレートに書きましょう」です。もってまわった言い回し、どっちつかずの表現、思わせぶりの言葉遣いをやめて、ストレートに書く、ということです。

読みやすく、分かりやすい文章を書くためには、 ストレートに書くことが大切です。 もってまわった言い回し、 どっちつかずの表現、 思わせぶりの言葉遣いは避けましょう。

文章教室 第10回 問題編より)

ストレートに書くのは、勇気がいります。私も、ついつい、もってまわった言い回しをしてしまいます。たとえば、「少なくとも」とか「思われる」とか「など」とか「というようなこと」とかです。

これらのもってまわった表現に、きちんと説明できる存在理由があるのであれば、問題ありません。でも、多くの場合、私は、これらの表現を、きちんと説明できる存在理由もないのに、ストレートに書き切ることを避けるためだけに使っています。

勇気を持って、ストレートに書くことを心がけます。

(2) 練習問題

さて、練習問題です。

本などを書くというのはたいそう挑戦的で、 心などがとてもわくわくする仕事だったりする。 新しい本などを書いたりする準備段階などでは、次のようなことを考えることがある。 まずはもちろんのこと内様について考える。どういうことを書こうかと考えるのだ。 それから読者について考えたりもする。 どんな人が読むのか、その人たちはどんなことを知りたいと思っているのだろうか、 などと考えたりします。 読者とか、内容とかを考えたなら、その両方を思考の片隅に置き据えながら、 どのような順番で書き進めるかを考えることになる。 これがいわゆる章立てといわれる作業に相当すると言えるかもしれないと思われる。 これらの作業を頭の中だけで作業すると混乱するかもしれないので、 必ずこれらを自分のアイディアメモなどに書いて作業すると絶対に混乱が少なくなるかもしれないと考えることができよう。

文章教室 第10回 問題編より)

ここまで書かれると、笑ってしまいます。でも、自分も、大なり小なり、これと同じような文章を書いています。自戒を込めて、ばっさりばっさりとストレートに書き切ります。

2.私の解答

(1) 解答

——–

本を書くのは、とても挑戦的で、わくわくする仕事です。新しい本を書くには、どのような手順で作業を進めるとよいでしょうか。

まず、内容と読者を考えましょう。内容とは、何を書くか、です。また、読者とは、どんな人が、何を知りたいと思って、読むのか、です。

次に、内容と読者を念頭において、記載する順序を考えましょう。この記載順序が、本の章立てになります。

これらの作業は、頭の中だけで済ませようとすると、混乱します。そこで、混乱を少なくするため、アイデアメモに書き出すなど、頭の外を使いましょう。

——–

(2) プロセス

思考プロセスを書きます。

フリーライティングから文章が出来上がっていくまでの過程を見ることができます。 これが一番面白い。

文章教室第8回「まずはどんどん書きましょう」#1 – LawDesiGnより)

a.理由のないもってまわった言い回しを削除する(&誤字の修正)

——–

などを書くというのはたいそう挑戦的で、 心などがとてもわくわくする仕事だったりする[である]。新しい本などを書いたりする[く]準備段階などでは、次のようなことを考えることがある。 まずはもちろんのこと内様について[内容を]考える。どういうことを書こうかと考えるのだ。 それから読者について[を]考え[る]たりもする。 どんな人が読むのか、その人たちはどんなことを知りたいと思っているのだろうか、 などと考え[る]たりします。 読者とか、内容とかを考えたら、その両方を思考の片隅に置き据えながら、 どのような順番で書き進めるかを考えることになる。 これがいわゆる章立てといわれる作業に相当すると言えるかもしれないと思われる。 これらの作業を頭の中だけで作業すると混乱する[。]かもしれないので、 必ずこれらを自分のアイディアメモなどに書いて作業すると絶対に混乱が少なくなるかもしれないと考えることができよう

——–

こうなります。

——–

本を書くのは挑戦的で、わくわくする仕事である。新しい本を書く準備段階では、次のことを考える。 まずは内容を考える。どういうことを書こうかと考える。 それから読者を考える。 どんな人が読むのか、その人たちはどんなことを知りたいと思っているのだろうか、と考える。 読者と内容を考えたら、その両方を思考の片隅に置き据えながら、 どのような順番で書き進めるかを考える。 これが章立てに相当する。 これらの作業を頭の中だけですると混乱する。アイディアメモに書いて作業すると混乱が少なくなる。

——–

b.段落分け

段落わけします。

——–

本を書くのは挑戦的で、わくわくする仕事である。

新しい本を書く準備段階では、次のことを考える。 まずは内容を考える。どういうことを書こうかと考える。 それから読者を考える。 どんな人が読むのか、その人たちはどんなことを知りたいと思っているのだろうか、と考える。

読者と内容を考えたら、その両方を思考の片隅に置き据えながら、 どのような順番で書き進めるかを考える。 これが章立てに相当する。

これらの作業を頭の中だけですると混乱する。アイディアメモに書いて作業すると混乱が少なくなる。

——–

c.整える

これを整えて、最初に書いた解答に至りました。

——–

本を書くのは、とても挑戦的で、わくわくする仕事です。新しい本を書くには、どのような手順で作業を進めるとよいでしょうか。

まず、内容と読者を考えましょう。内容とは、何を書くか、です。また、読者とは、どんな人が、何を知りたいと思って、読むのか、です。

次に、内容と読者を念頭において、記載する順序を考えましょう。この記載順序が、本の章立てになります。

これらの作業は、頭の中だけで済ませようとすると、混乱します。そこで、混乱を少なくするため、アイデアメモに書き出すなど、頭の外を使いましょう。

——–

3.おわりに

『文章教室』は、第10回でお休みになったようです。練習問題が用意されているのは、今回の第10回までです。

私が『文章教室』で学んだことはたくさんありますが、いちばん大切なのは、文章を書くことの楽しさです。ここで学んだ文章を書くことの楽しさを大切にして、これからも、文章を書き続けていこうと思います。

こんなすてきな教室を提供してくださった結城先生と、一緒に学んでくださったクラスメイトたちに、深く感謝しています。それから、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

スポンサードリンク

関連記事

no image

Androidをどう使うかの転換~情報を消費するツールから思考と生産を補助するツールへ~

1.いちばん身近にある道具の使い方 先日ふと気づいたのですが、私にとって、いちばん身近にある道具は

記事を読む

no image

文章になる枠の外に、混沌さを排出する、という文章の書き方

1.文章を書くことと、情報の秩序 私にとって、「文章を書く」ということには、2つの意義があります。

記事を読む

no image

WorkFlowyで、文章となる枠の外に混沌さを排出して、文章を書く

私のしつこいおすすめ活動の成果か、ウェブ経由ではない何人かの知り合いが、WorkFlowyを使い始め

記事を読む

no image

なぜ、WorkFlowyは、文章の推敲に向いているのか? (WorkFlowy×『数学文章作法 推敲編』その1)

1.問い「なぜ、WorkFlowyは、文章の推敲に向いているのか?」と検討の指針 (1) Work

記事を読む

no image

思考の枠組みを活用することで、考えることを具体的な作業にする

1.まとめ (1) テーマ 考えることから、一定レベルのアウトプットを安定して生み出すには、どう

記事を読む

no image

項目番号はアウトライナーになる(項目番号によって文章の構造を組み立てる)

1.なぜ、こんなに項目番号を推すのか (1) 項目番号がすき 私が好きなものは、Evernote

記事を読む

no image

研究者が考察を深める仕組み:「その時点までの考察をアウトプットして、フィードバックを得る仕組み」

1.研究者の道を真剣に検討したことで、何を得たか 私事ですが、学生時代に自分の生業を考えていたとき

記事を読む

no image

私は、こんな道具を使って、文書を作りたい。(その3・「切り出し」による文書作成)

WorkFlowyやUlyssesからヒントを得て、「私は、こんな道具を使って、文書を作りたい。」と

記事を読む

no image

『文章教室』(結城浩)と『アリスの物語』監修PDF(倉下忠憲・藤井太洋)に、ウェブによる教育の可能性を見る

1.よい校正の具体例を、ウェブ上で無料で入手するチャンス (1) ウェブ上に無料で公開された2つの

記事を読む

no image

彩郎流二毛作。知的生産の治具マクロ「WFtoMSWD.dot」で、Word文書作成プロセスから得る収穫を倍にする。

1.マロ。さんの知的生産の治具工房による新作Wordマクロ「WFtoMSWD.dot」 マロ。さんの

記事を読む

スポンサードリンク

スポンサードリンク

no image
お待たせしました! オフライン対応&起動高速化のHandyFlowy Ver.1.5(iOS)

お待たせしました! なんと、ついに、できちゃいました。オフライン対応&

no image
「ハサミスクリプト for MarsEdit irodrawEdition」をキーボードから使うための導入準備(Mac)

諸事情により、Macの環境を再度設定しています。 ブログ関係の最重要は

no image
AI・BI・PI・BC

AI 『〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則』を読

no image
[『サピエンス全史』を起点に考える]「それは、サピエンス全体に存在する協力を増やすか?」という評価基準

1.「社会派」に対する私の不信感 (1) 「実存派」と「社会派」 哲学

no image
[『サピエンス全史』を起点に考える]サピエンス全体に存在する協力の量と質は、どのように増えていくのか?

『サピエンス全史』は、大勢で柔軟に協力することがサピエンスの強みだと指

→もっと見る

  • irodraw
    彩郎 @irodraw 
    子育てに没頭中のワーキングパパです。1980年代生まれ、愛知県在住。 好きなことは、子育て、読書、ブログ、家事、デジタルツールいじり。
    このブログは、毎日の暮らしに彩りを加えるために、どんな知恵や情報やデジタルツールがどのように役に立つのか、私が、いろいろと試行錯誤した過程と結果を、形にして発信して蓄積する場です。
    連絡先:irodrawあっとまーくtjsg-kokoro.com

    feedlyへの登録はこちら
    follow us in feedly

    RSSはこちら

    Google+ページ

    Facebookページ

PAGE TOP ↑