『文章教室』(結城浩)練習問題実践記録・第4回「自然な順序で書きましょう」
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書き方・考え方
この文章は、『文章教室』の練習問題に取り組んだ記録です。
『文章教室』は、結城浩先生がご自身のウェブサイトに公開しているコンテンツです。よい問題・解答例・丁寧な添削が掲載されていますので、文章を書くための練習として、この上ない教材です。
結城先生の『文章教室』は、こちらです。
第1回~第3回の記録は、こちらです。
目次 [非表示]
1.第4回「自然な順序で書きましょう」
(1) 自然な順序
『文章教室』第4回のテーマは、「自然な順序で書きましょう」です。
順序は、ある意味で、文章の書き方のかなり大きな部分を占めます。
文章は、一本の線のような一次元の構造をしています。でも、文章によって表現される対象は、一次元ではありません。そこで、文章を書くときは、一次元ではないものを一次元の構造に入れ込む、という作業が必要になります。
一次元でないものを一次元に入れ込むために使える道具は、基本的には、順序だけです。そのため、順序によって、文章の正確さや読みやすさは、かなりの程度、決まってしまいます。
正確で読みやすい文章を書くためには、読者にとっての「自然な順序」で言葉を並べる必要があります。
『文章教室』第4回で、結城先生は、いくつかの「自然な順序」を紹介しています。
書いた文章を読み返すときには、 「自然な順序」は何であるかを意識しましょう。 自然な順序の例をいくつか示します。
- 時間の順序
- 春→夏→秋→冬→春→…
- 朝→昼→夜→朝→…
- 過去→現在→未来(場合によっては逆順も)
- 一昨年→昨年→今年→来年→再来年→…
- 空間の順序
- 上→中→下(あるいは下→中→上)
- 頭→胴体→足
- 前→後
- 構造の順序
- 全体→部分
- 概要→詳細
- 本→章→節→段落→文→文節→単語→字
(第4回 問題編より)
(2) 練習問題
これを踏まえて、練習問題は、以下のとおりです。
仕事は、314という番号がついた部屋で行いますが、 机と椅子は部屋の中にありますし、 紙とペンと百科事典は、机の上に用意してありますし、 仕事というのは百科事典を書き移す仕事なんですが、 部屋に入る前には入室手続きが必要となりますけど、 最初に、事務所に入って右手にある自動販売機のような機械で入室手続きをしてください。
(第4回 問題編より)
2.私の解答
(1) 解答
——–
あなたの仕事は、314号室で百科事典を書き写すことです。今から手順を説明します。
まず、事務所で入室手続きをしてください。入室手続は、事務所に入って右手にある自動販売機のような機械で行います。部屋番号は、314号室です。
入室手続きを済ませたら、314号室に入ってください。仕事に必要なものは、314号室の中に用意してあります。机と椅子はありますし、机の上には百科事典と紙とペンが用意してあります。
314号室に入ったら、椅子に座って、紙とペンを使って、百科事典を書き写してください。
——–
(2) 思考過程
クラスメイトのるうさんのまねをして(※るうさんによる第1回のチャレンジ※)、私も、自分の思考過程を、できるかぎり丁寧に記載します。
a.一読して、意味を把握する
まず、課題文の意味を把握します。
この文章を分解すると、次のようなことを意味しています。
- 仕事は、314という番号がついた部屋で行う(仕事をする場所)
- 机と椅子は部屋の中にありますし、 紙とペンと百科事典は、机の上に用意してあります(仕事に使う道具の説明)
- 仕事というのは百科事典を書き移す仕事(仕事の内容)
- 部屋に入る前には入室手続きが必要となります(部屋に入る前にやるべきこと)
- 最初に、事務所に入って右手にある自動販売機のような機械で入室手続きをしてください(入室手続の方法)
ざっくりと整理すると、ここに含まれる意味は、
- 314号室で、百科事典を書き写す仕事をする。
- 仕事に必要な道具は、314号室に用意されている。
- 314号室に入る前に、事務所で入室手続きをする必要がある。
- 入室手続のやり方の説明。
というものです。
b.誤字のチェックと、単語の書き替え
次に、誤字のチェックです。
「書き移す」は「書き写す」の誤字です。今回は、これだけかな。
そして、単語の書き替えです。
「314という番号がついた部屋」は「314号室」と言い換えた方がわかりやすいですかね。
これくらいでしょうか。
c.自然な順序
さて、いよいよ、自然な順序です。
まず、時間順を考えると、
- 入室手続き(@事務所)→314号室に入る→仕事をする(百科事典を書き写す)
です。
でも、この順序だと、仕事の内容が最後まで出てきません。また、仕事に使う道具の話や、入室手続きのやり方説明を、どこに入れるかがむずかしいです。
そこで、以下のように、二重構造の順序にしました。
- 仕事のアウトラインの説明
- 仕事の詳細手順の説明
- 入室手続き
- 314号室への入室&314号室に揃えてある道具
- 仕事内容)
d.解答
あなたの仕事は、314号室で百科事典を書き写すことです。今から手順を説明します。【仕事のアウトラインの説明】
まず、事務所で入室手続きをしてください。入室手続は、事務所に入って右手にある自動販売機のような機械で行います。部屋番号は、314号室です。【詳細手順(1) 入室手続き】
入室手続きを済ませたら、314号室に入ってください。仕事に必要なものは、314号室の中に用意してあります。机と椅子はありますし、机の上には百科事典と紙とペンが用意してあります。【詳細手順(2) 入室&揃えてある道具】
314号室に入ったら、椅子に座って、紙とペンを使って、百科事典を書き写してください。【詳細手順(3) 仕事内容】
3.解答編を読んだ後
(1) もっと自由に考えていいんだ!
さて、解答編を読みます。
結城先生の解答例は、いい感じです。私の好みに、かなり近い。
が、今回の解答編で衝撃を受けたのは、読者の皆さんの解答です。
まず、ナナさんの解答の最初の1行。
ナナさんの解答(の1行目)
百科辞典を書き移す仕事に来られたかたへ
(第4回 解答編より)
なるほど。最初に宛先を書くと、一気にわかりやすくなります。
次に、山羊さんの解答は、圧巻でした。シャーロックホームズを読んでたら、もっと楽しめたんだろうなあ。ぜひ、原文をご覧ください。
また、優等生の柴田純一さんの解答もよかったです。
柴田純一さんの解答
今回、依頼する内容は次の通りです。
(1) 仕事内容:百科事典の書き写し(紙とペンは作業場所にあり)
(2) 作業場所:314号室
(3) 注意事項:部屋に入る前に「入室手続き」が必要です。 最初に、事務所に入って右手にある自動販売機のような機械で 「入室手続き」を済ませてください。
以上、よろしくお願いいたします。
(第4回 解答編より)
箇条書きにすればよかったのか! そりゃそうですね。
私に足りないのは、もっと自由に考えることだと、痛感。
(2) 大好きな階層付き項目番号を使う
ということで、私も、大好きな階層付き項目番号スタイルで書いてみます。
——–
1.お願いするお仕事
今回、お願いするのは、百科事典を書き写すお仕事です。
2.お仕事の説明
(1) 場所と持ち物
お仕事の場所は、314号室です。
必要なものはすべて314号室に用意しておきますので、手ぶらで来てください。
(2) 当日の仕事の手順
以下の手順で、お仕事を進めてください。
a.入室手続き
まず、事務所で入室手続きをしてください。入室手続きには、事務所に入って右手にある自動販売機のような機械を使ってください。
b.314号室にて
その後、314号室に入ってください。314号室には、お仕事に必要なものを全部用意してあります。書き写していただく百科事典は机の上です。紙とペンもあります。もちろん、机と椅子もあります。ご自由にお使いください。
——–
(3) 感想
第4回の解答編は、読者の方の解答がすごくのびのびしていて、読んでいるだけで楽しかったです。『文章教室』が、ひとつのクラスになっているなあ、と感じました。
ウェブを使えば、こんな学びも可能になるんだと、感動。
私も、クラスメイトのるうさん、特別ゲストの倉下さんと、『文章作法』2014年期生を盛り上げていけたらいいなあ。
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