趣味と仕事の関係
公開日:
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仕事の方法論
目次
1.趣味と仕事の関係を、辞書的な意味を出発点として、整理する
(1) 「趣味」と「仕事」の辞書的な意味
例の会社員ブロガーを巡る一連の記事群を読んでから、趣味と仕事の関係を考えています。抽象的に考えてても前に進まないので、この記事では、「趣味」と「仕事」の辞書的な意味を出発点として、両者の関係を考えてみます。
「趣味」と「仕事」の辞書的な意味は、それぞれ、以下のとおりです。(それぞれいくつか定義がありますが、このテーマで私が考える定義のみを抜粋します。)
趣味
仕事・職業としてでなく、個人が楽しみとしてしている事柄。「―は読書です」「―と実益を兼ねる」「多―」
仕事
生計を立てる手段として従事する事柄。職業。「将来性のある―を探す」「金融関係の―に就く」
(2) 辞書的な意味から、関係を分析する
a.分析
この定義からは、いくつかのことがわかります。
まず、趣味と仕事は、どちらも、自分が従事する事柄の一部です。どちらの定義にも、自分が従事する事柄という意味合いの言葉が入っています。
次に、趣味と仕事は、重なりません。趣味の定義の中に、「仕事・職業としてではなく」というものが入っているからです。
そこで仕事とは何かといえば、「生計を立てる手段として従事する」というのがポイントです。自分が従事する事柄のうち、生計を立てる手段として従事する事柄が、仕事です。
他方で、仕事以外は全部趣味かといえば、そういうわけではありません。趣味の定義には「個人が楽しみとしている」が入るからです。
b.図で表現
以上を図にすると、こんな感じです。
外側の円が、自分が従事する事柄全体です。それより外は、自分が従事しない事柄です。
左側の黄色いところが、仕事です。
灰色部分と黄緑部分が、仕事ではない事柄です。
仕事ではない事柄の内、黄緑部分が趣味で、灰色部分が趣味でも仕事でもない事柄です。
c.マトリクスで表現
マトリクスで整理することもできます。こんな2×2のマトリクスです。
生計を立てる手段 | 生計を立てる手段ではない | |
楽しみとしている | 仕事(黄色) | 趣味(緑) |
楽しみとしていない | 仕事(黄色) | 仕事でも趣味でもない(灰色) |
2.楽しみとして従事することを、趣味としてするか、仕事としてするかは、ある程度選択できる
ここまでの整理を前提に、趣味と仕事の関係について、軽く考察します。
(1) 楽しみとしていても、楽しんでいなくても、生計を立てる手段であれば、仕事
まず、楽しみとしているか否かは、仕事か否かとは、まったく関係ない、ということです。仕事の定義には、楽しみとしているかどうかは、入ってきません。生計を立てる手段として従事するか否かだけが、仕事であるか否かを決めます。
そのため、楽しみとして従事していることが仕事になることもあれば、楽しみとしていないことが仕事になることもあります。
(マトリクスの右と左の関係)
(2) 楽しみとして従事していることは、趣味か仕事かどちらか
次に、楽しみとして従事していることは、趣味か仕事かのどちらかです。
楽しみとして従事していることが、生計を立てる手段であれば、それは仕事です。楽しみとして従事していることが、生計を立てる手段ではないなら、それは趣味です。
楽しみとしていることは、趣味と仕事に分かれます。
(マトリクスの上の部分の区別)
(3) 趣味か仕事かは、ある程度、選択できる
楽しみとして従事していることを、趣味と仕事に区別するのは、「生計を立てる手段として」か否かです。
そして、生計を立てる手段とするかどうかは、ある程度、自分の選択にかかっています。
そのため、楽しみとして従事していることを、趣味としてするのか、仕事としてするのかは、ある程度、自分で選択できます。
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