Toodledoは、タスクを片付けなければ消えないストレスを消せないけれど、タスクを片付けることに集中させてくれる
目次
1.Toodledo(タスク管理)では消せないストレスが残る理由
(1) Toodledoは、ストレスを消すけれど、すべてのストレスを消すわけではない
私は、Toodledoを使って、タスクを管理しています。
私がToodledoでタスクを管理する目的は、ストレスを減らすためです。Toodledoでタスクを管理することで、私は、かなりの程度、ストレスを消すことができています。
でも、Toodledoを使えばすべてのストレスを消せる、というわけではありません。仮に、Toodledoを使いこなし、完璧なタスク管理をしても、Toodledoでは消せないストレスも残ります。
(2) Toodledoで消せないストレスが残る理由
Toodledoで消せないストレスが残る理由は、「Toodledo自体がタスクを片付けてくれるわけではない。タスクを完璧に管理しても、それだけでタスクが片付くわけではない。」ということです。
Toodledoにできるのは、
- すべてのタスクを、そのタスクの状態とともに保存する
- 保存されたタスクを、一定の条件で抽出して、表示する
ということです。
Toodledoは、すべてのタスクを完璧に覚えておいてくれます。また、そのときやらなければいけないタスクは何かを整理して教えてくれます。タスクを覚えていてくれることと、タスクを教えてくれることが、Toodledoがしてくれることです。
タスクを覚えていてくれて、タスクを教えてくれるのは、それだけで、十分ありがたいことです。でも、見方によっては、それだけです。Toodledoは、タスクを片付けてくれません。
そのため、タスクを片付けなければ消えないストレスは、Toodledoだけでは消えません。Toodledoを完璧に使っても、タスクを片付けなければ消えないストレスは、残ります。
2.私の場合の、タスクを片付けなければ消せないストレス
タスクを片付けなければ消えないストレスとは、どんなストレスでしょうか。
生活スタイルや性格などによってちがってくるでしょうから、これはひとそれぞれだと思いますので、とりあえず、私の生活スタイルや性格を前提に考えてみると、次の3つかなあと思います。
- 取り組むことが憂鬱なタスクを抱えているストレス
- 片付け方が分からないタスクを抱えているストレス
- 「タスクを片付けるための時間>自分の手持ち時間」のストレス
それぞれについて、
- どんなストレスなのか
- Toodledoにできることはないのか
を順番に、考えてみます。
(1) 取り組むことが憂鬱なタスクを抱えているストレス
a.どんなストレス?
ひとつめは、取り組むことが憂鬱なタスクを抱えているストレスです。
取り組むことが憂鬱なタスクは、そのタスクに取り組んでいるときに憂鬱になるのはもちろん、そのタスクに取り組んでいないときですら憂鬱になり、ストレスを生みます。
私の場合は、作業が嫌いなタスクとか、関わる人に苦手意識を持っているタスク、失敗しそうな案件のタスクなどが、取り組むことが憂鬱なタスクです。
このストレスは、その取り組むことが憂鬱なタスクが存在しているかぎり、消えません。Toodledoでこのタスクを管理するだけでは、ストレスは残ります。
b.Toodledoにできることは?
でも、ストレスを消すことまではいかなくても、Toodledoを使えば、この種のストレスと、比較的うまくつきあうことができます。
(a) それ以外のときに、忘れていられる
ひとつは、取り組むことが憂鬱なタスクに取り組んでいるとき以外のときに、そのタスクを忘れていられる、ということです。
Toodledoでタスクを管理すれば、Toodledoにタスク全部を預けることができるため、自分自身でタスクを覚えている必要がありません。そのため、普段は、自分がどんなタスクを抱えているのかを、忘れることができます。
取り組むことが憂鬱なタスクからのストレスの多くは、そのタスクに取り組んでいないときに、「あぁ、あんなタスクが残っているなあ。」と思い出してしまうストレスです。そのため、そのタスクに取り組んでいるとき以外に、その憂鬱なタスクを忘れていられれば、取り組むことが憂鬱なタスクからのストレスは、かなりの程度、軽くなります。
(b) ロボットになってタスクを片付ける
もうひとつは、取り組むことが憂鬱なタスクに取り組むときに、余計なことは考えずに、淡々と、そのタスクを片付けることに集中できる、ということです。
取り組むことが憂鬱なタスクは、取り組むことが憂鬱なので、先送りしたくなります。このように、「今やらなくてもいいんじゃないかな。」「今は別のこのタスクをしたらいいんじゃないかな。」などということをうじうじと考えること自体が、取り組むことが憂鬱なタスクから生じるストレスの一部です。
これに対して、Toodledoに全部のタスクを預け、締め切りやコンテキストなどの要素を加えているなら、Toodledoが教えてくれるタスク一覧は、自分が今、やらなければしかたないタスクの一覧です。ということは、Toodledoが取り組むことが憂鬱なタスクを今やるタスク一覧として示しているなら、「このタスクは、明日でもいいんじゃないかな。」などという迷いは一蹴されます。ただやるだけ、です。
こうなれば、自分にできることは、ある意味、そのタスクを片付けることだけをプログラムされたロボットになって、ただ淡々とそのタスクを片付けるだけです。
ロボットになってタスクを片付ければ、取り組むことが憂鬱なタスクに取り組んでいることから来るストレスは、比較的、軽くなります。
(2) 片付け方が分からないタスクを抱えているストレス
a.どんなストレス?
ふたつめは、片付け方が分からないタスクを抱えているストレスです。
片付け方が分からないタスクは、ふたつの意味でストレスをもたらします。
ひとつは、やり方が分からないことがストレスになります。うまくできるだろうかという不安や、やり方を調べなければいけないことを面倒に思う気持ちから来るストレスです。
もうひとつは、見通しがつかないというストレスです。片付け方が分からないと、そのタスクを片付けるためにどれだけの時間やどれだけの集中力が必要なのかもよく分かりません。うまくいくかいかないのかも、見当がつきません。何も見通しがつかないことは、ストレスです。
このストレスは、その片付け方が分からないタスクが存在しているかぎり、消えません。Toodledoでこのタスクを管理するだけでは、ストレスは残ります。
b.Toodledoにできることは?
このストレスに対しても、Toodledoにできることはありそうです。
(a) 自分に分かるところまで分解して、最初の一歩を踏み出す支えにする
分からないことは、ストレスです。失敗するかもしれないことは、ストレスです。むずかしいことは、ストレスです。
でも、分からないこと、失敗するかもしれないこと、むずかしいことも、細かく分解すれば、その中に、分かること、まずうまくいくこと、簡単なことも、かなりたくさん含まれています。
Toodledoなどを使ってタスク管理をすれば、分からなくて、失敗しそうで、むずかしいことを、細かく分解して、そこから、分かること、うまくいきそうなこと、簡単なことを切り出すことができます。
分かること、うまくいきそうなこと、簡単なことなら、そのタスクを片付けるのは、全然ストレスではありません。さくっと片付けることができます。
大切なのは、分からないこと、失敗しそうなこと、むずかしいことの一部だった、分かること、うまくいきそうなこと、簡単なことを、きちんと片付けてしまうと、最初の一歩を踏み出すことができる、ということです。そして、最初の一歩を踏み出した状態は、分からないことに不安になって立ち止まっているときと比較すれば、格段に進んだ状態です。0と1の間には、計り知れない差があります。
Toodledoは、片付け方が分からないタスクの最初の一歩を支えてくれます。
(b) 分からないなりの見通しを立てる
見通しがつかないことは、ストレスです。片付け方が分からないタスクは、見通しをつけるのもむずかしいので、見通しがつかないストレスもあります。
でも、Toodledoを使えば、分からないなりの見通しを立てることができます。Folderやタグを使って、片付け方が分からない一連のタスクをグルーピングした上で、とりあえずこんなふうに進むのだろう、という、自分に分かるかぎりのタスクの進行を、適当にどんどんToodledoに追加します。
具体的なタスクを追加しようとすると、分からないことがどんどん出てきます。漠然と分からない状態から、具体的にこれがわからないという状態になります。つまり、分からないことが具体化されます。
分からないことが具体化されれば、その具体的な分からないことを、調べたり、聞いたり、考えたりすることができます。調べたり、聞いたり、考えたりしたことを、またToodledoに追加します。
こうしていくと、何となく、その分からないタスクの片付け方が、Toodledo上で、かたちになります。
もちろん、分からないタスクなので、その見通しは、分からないなりの見通しです。でも、分からないなりの見通しであっても、Toodledo上に見通しを作ることができれば、それだけで、かなりの程度、見通しがつかないことから来るストレスは減ります。
(3) 「タスクを片付けるための時間>自分の手持ち時間」のストレス
a.どんなストレス?
みっつめは、「タスクを片付けるための時間>自分の手持ち時間」のストレスです。
これは個々のタスクの話ではなく、タスク全体の話なのですが、自分がやらなければいけないタスクを片付けるための時間が、自分の手持ち時間よりも大きいと、時間内に終わりません。
現状の手持ち時間を前提にすれば、締め切りを守ることができず、ストレスです。
締め切り厳守にしようとすれば、自分の手持ち時間を増やさなければいけないため、たとえば残業や休日出勤したり、たとえば昼休みにブログを書くのを控えて働いたりなど、自分の時間が減ってしまうため、ストレスです。
このストレスは、タスクを片付けるなどして、「タスクを片付けるための時間≦自分の手持ち時間」となるまで消えません。Toodledoでタスクの総量を管理するだけでは、ストレスは残ります。
b.Toodledoにできることはないのか?
このストレスに対しても、Toodledoにできることがあります。
(a) 足りるか足りないかの状況を、明らかにできる
まず、Toodledoを使えば、自分が抱えているタスクの全体を、具体的に把握できます。
今日締め切りのタスクがいくつあって、その内容がなんなのかが、タスク一覧になって、画面に示されます。タスクの所要時間(Length)を管理していれば、今日締め切りのタスクを片付けるために必要な見積り時間も、具体的な数字で教えてくれます。
そのため、「タスクを片付けるための時間>自分の手持ち時間」の状態なのか、そうじゃないのか、また、「タスクを片付けるための時間>自分の手持ち時間」だとして、どれくらい足りないのか、という状況を、明らかにできます。
私も含めて多くの人は、「タスクを片付けるための時間>自分の手持ち時間」のストレスを感じるとき、漠然と、「タスクを片付けるための時間>自分の手持ち時間」ではないかなあと予想して、その予想に不安になり、ストレスを感じます。
これに対して、Toodledoでタスクを管理すれば、「タスクを片付けるための時間>自分の手持ち時間」か否かとその度合いを、具体的に把握できます。
自分で漠然と予想して、その予想に不安になる、ということを防止できます。
(b) 状況を明らかにして、納得して、諦められる
次に、具体的に把握して、やっぱり「タスクを片付けるための時間>自分の手持ち時間」だということが分かったときにも、Toodledoは、役に立ちます。それは、状況が明らかになれば、納得して、対策を決められるからです。
具体的、客観的に、「タスクを片付けるための時間>自分の手持ち時間」であれば、選択肢は2つです。タスクを片付けるための時間を減らすか、自分の手持ち時間を増やすか、どちらかです。
タスクを片付けるための時間を減らすために、タスクを減らすなら、人に頼むとか、タスクを先送りするとかして、自分で締め切り内にタスクを片付けることを諦めることになります。
自分の手持ち時間を増やすなら、残業したり休日出勤したり昼休みを短くしたり、タスクに取り組まないことにしていた自分の時間を諦めることになります。
いずれにしても、状況を具体的に明らかにすれば、納得して諦めることができます。
気づいたら今日も残業だった、やむなく上司に尻ぬぐいしてもらった、という状態と比べれば、納得感が、全然違います。
3.Toodledoだけでは消せないけれど、Toodledoは役に立つ
まとめます。
Toodledoは、タスクを片付けてくれません。タスクを片付けるのは、Toodledoではなく、自分です。Toodledoをどんなに使い込んでも、タスクを片付けなければ消せないストレスは、残ります。
でも、タスクを片付けなければ消せないストレスについても、Toodledoは、役に立ちます。
それは、Toodledoがタスクに関するいろんなストレスを消してくれるので、自分は、タスクを片付けることに集中できるためです。
Toodledo(タスク管理)だけですべてのストレスが解決するわけではありません。でも、Toodledoなどを使ってタスク管理をすることには、タスクから来るストレスを解決する、ひとつの方向性なのではないかと感じます。
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