思考を育てるシステムの構成要素としてのEvernoteとブログ
1.Evernoteが、思考するためのツールである理由は、ブログがあるから
(1) Evernoteが思考するためのツールになっているのは、まとまった文章を書いているから
Evernoteは、私にとっては、思考するためのツールです。少なくとも現時点では、事実として。
なぜ、私にとってEvernoteが思考するためのツールになっているかといえば、それは、私がEvernoteで文章を書いているからです。それも、単にEvernoteに思いついた文章をメモしているだけでなく、Evernoteで書く文章を、ある程度まとまった形にしようとしているから、です。
これは以前、『いきなり「整想」発想術』として書いたのですが、私の思考スタイルは、思考の断片を捕まえたときに、それをいきなり文章という形へと整えようとする過程の中で、いろんなことを発想する、というものです。そのため、私がもっともよく思考を進めることができるのは、つかまえた思考の断片を、まとまった文章の形へと整えようとしているときです。
「着想」→「連想」→「整想」という発想の3プロセスと、「いきなり「整想」発想法」
そのため、私にとっては、思考の断片をまとまった文章の形へと整えることが得意なツールは、思考することに役立つツールです。そして、Evernoteは、私にとって、思考の断片をまとまった文章へと育てるための、ものすごく便利なツールです(なぜ、文章を書く道具として、Evernoteを使うのか)。
このような理由から、Evernoteは、私にとって、思考のための便利なツールなのだろうと思います。
まとめると、私にとって、Evernoteが思考のための便利なツールになっている理由は、Evernoteのおかげで、まとまった文章をたくさん書くことができているから、です。
(2) まとまった文章を書いているのは、ブログに投稿できるから
では、次に、なぜ私はまとまった文章を書いているのか、ということです。大きな理由は、ブログに投稿するため、です。
a.もともと、考えるための文章を書いていたが、書き散らかしていた
私は、もともと、文章を書くことが好きでした。私が文章を書くのは、主に、考えるためです。文章を書くことによって、自分の考えを進めようとしていました。そのため、ブログを始めた2年前よりも前から、日常的に、日記のような自省録のような文章を、毎日ちょいちょい書いていました。
しかし、当時書いていた文章は、書き散らかした文章でした。誰かに読んでいただくことをまったく想定していなかったので、思いつくまま書き綴り、そのままでした。読みやすいように筋を整えたり、記述の順序を変えたり、てにをはや接続詞を書き直したり、といったことは、全然していませんでした。まとめよう、整えよう、という意図を、まったく持っていませんでした。
b.ブログに投稿するために、まとまった文章を書くようになった
これに対して、ブログを始めてからは、まとまった文章を書くようになりました。
ブログに投稿するからには、誰かに読んでいただくことを想定した文章を書きたいと思います。私の場合、思いつくままに書いた文章は、ほんとうに書き散らかされた文章になってしまっていて、ひとさまに読んでいただけるような代物ではありません。そのため、ブログに投稿するための文章を書くときは、その文章をまとまったかたちへと整える、という作業をするようになりました。
このような、文章をまとまったかたちに整えるという経験をしてみた結果、文章を整えることによっていろんな発想が生まれてくる、ということに気づきました。これが、「いきなり「整想」発想術」です。
でも、文章をまとまったかたちに整えるという作業は、けっこう大変です。大変なので、やってみれば発想が生まれることがわかっていても、純粋に自分で考えるための文章を書くときには、なかなか文章をまとめる作業をする気になれません。
そのため、私がまとまった文章を書くことができているのは、ブログがあるからこそです。
(3) Evernoteが、思考するためのツールになっている理由は、ブログがあるから
つまり、こういうことになります。
私にとって、Evernoteが思考のためのツールになっているのは、Evernoteを使って、まとまった文章を書いているからです。そして、私がまとまった文章を書いているのは、ブログがあるからです。ということは、私にとってEvernoteが思考のためのツールになっている大きな理由は、ブログがあるからだ、ということになります。
Evernoteは、私にとって、思考のためのツールです。でも、Evernoteさえあればそれで思考が進むのかといえば、そういうわけではありません。Evernoteが思考のためのツールとしての力を発揮するには、私にとっては、ブログが必要です。
2.Evernoteは、思考を育てるシステムの構成要素
(1) Evernoteやブログを、システムの中で捉える
この文章は、Evernoteと思考との関係を考えるために書き始めた文章です。
しかし、この文章がたどり着いた結論は、Evernoteが思考のためのツールになっているのは、ブログがあってこそだ、ということです。ブログがなければ、Evernote単体で、思考のためのツールとして十分な力を発揮することはないのではないか、ということです。
他方で、ブログさえしていれば、Evernoteを使わなくても思考が育つのかといえば、そういうわけでもないように思います。私がこれだけのブログ記事を書けているのは、Evernoteでブログ記事を育てているからです。Evernoteなしの、ブログ単体でも、思考のためのツールとしては不十分です。
となると、Evernoteもブログもそれだけでは思考のためのツールとしては十分ではなくて、Evernoteとブログの両方が必要だということを意味します。そして、ここには、おそらく、Evernoteとブログの両方を含んだ、何らかのシステムがありそうです。
(2) 「なぜ、私は、思考するツールとして、Evernoteを使うのか?」との関係
「なぜ、私は、思考するツールとして、Evernoteを使うのか?」というテーマは、今私が考えている大きなテーマです。
でも、今回、この文章を書いてみて、Evernote単体に着目して考えると、うまく思考を進めることができないのかもしれないなあ、と感じました。
Evernoteは、思考を育てるためのシステムの構成要素です。自分が考えるときにどんなシステムが動いていて、そのシステムの中でEvernoteがどんな役割を果たしているのか、ということを、自分なりに整理してみることは、有益かもしれません。
「なぜ、私は、思考するツールとして、Evernoteを使うのか?」の「はじめに」
思考の一部を捨てても死なない(なぜ、私は、思考するツールとして、Evernoteを使うのか)
アイデアの「畑」と「地層」:『ハイブリッド発想術』読書メモ(「なぜ、私は、思考するツールとして、Evernoteを使うのか」番外編)
スポンサードリンク
関連記事
-
どこに何が書いてあるか、はっきり示す(文章を書くときの簡単で効果が高いコツ)
1.文章を書くときの、簡単で効果が高いコツには、どんなものがあるか 仕事をする上で、なんらかのテー
-
『WorkFlowy文章作法』第1章「2つの原則」(前半「知的生産のフロー」)
この記事は、『WorkFlowy文章作法』の第1章「2つの原則」のうち、前半の「知的生産のフロー」で
-
アナログでの思考を、Evernoteに集め、アウトプットにつなげる
1.はじめに 近頃の私は、しばしば、スターバックスで昼ご飯を食べます。1時間の昼休みをフルに使い、
-
「自分のすべてを行うワークスペース」で、「作業場としてのEvernote」に光が当たる。
1.Evernoteの新しいメタファーとキャッチフレーズ 2014年10月2日・3日、Everno
-
Evernoteの「共有するタグ」機能を妄想する
1.Evernoteで、ノーブックにできて、タグにできないことは、共有 Evernoteの整理に取
-
『WorkFlowy文章作法』の「はじめに」
本書について こんにちは。本書『WorkFlowy文章作法』では、 WorkFlowyで文章を書く
-
Evernoteを、データベースという役割から解放して、使いたいように使う
1.Evernoteを整理した 先週末、Evernoteのノートを整理しました。ずいぶん前にウェブ
-
文章の個数(WorkFlowyで文章を書くこと)
1.文章の個数は仮のもの WorkFlowyで文章を書くようになって実感したことは、「文章の個数は
-
WriteNote Proリリース! 画像添付機能がつき、複数のノート設定が可能になりました。
1.WriteNote Proがリリースされました WriteNoteは、Evernoteに投稿す
-
Evernoteという「大きな引き出し」に人生を「しまう」ことで、「Evernoteを育てる」
昨日、WorkFlowyで、このブログのWorkFlowyの固定ページを作りました。 WorkFlo