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Evernoteでブログ原稿を書く理由

公開日: : Evernote, 書き方・考え方

1.なぜ、Evernoteでブログ記事を書くのか

私は、このブログに投稿した記事を、すべてEvernoteで書いています。Evernoteは、記事のアイデアを思いつくところから投稿した記事をバックアップするところまでのプロセス全体を、上手に扱うことができるツールです。

Evernote×ブログ記事。すき間時間を活用してブログ記事を栽培する方法

でも、Evernote以外にも、ブログ記事を書くために使える道具はいろいろあります。文章を編集するための機能の点では、Evernoteよりも秀丸エディタのようなテキストエディタの方が優秀です。操作のシンプルさや動作の軽さ、ファイル形式の使いやすさなどの点では、紙copiの方が優れているようにも感じます。Google Driveなら同期に気を遣う必要がありません。さらに、WordPressにはそこそこ優秀な下書き機能がありますので、これを使ってブログ記事を書くことも選択肢のひとつです。

その中で、なぜ私は、Evernoteを使ってブログ記事を書くのでしょうか。

理由は3つです。

  1. たくさんの記事を形にできる
  2. 自分なりに納得できる記事にできる
  3. Evernote自体が育つ

1番目はアウトプットできる量の問題、2番目はアウトプットの質の問題、3番目はちょっと別観点ですが、Evernote自体を育てるということです。順に説明します。

2.Evernoteでブログ記事を書く意義

(1) たくさんの記事を形にできる

まず、Evernoteを使うと、たくさんの記事を形にできます。

私が今のペースでブログ記事を形にできているのは、Evernoteを使っているからこそです。厳密な比較検証はできないのですが、Evernoteではないツール(たとえば秀丸エディタ×AsR(ファイラ)×Dropboxとか、紙copi(×Dropbox)とか、WordPressの下書き機能とか、Google Driveとか)を使ってブログ記事を書く場合と比較して、Evernoteを使うと、同じ時間で形にできる記事の数は、かなり増えるような気がしています。

Evernoteを使うと形にできる記事の数が増える理由は、イナーシャがないことと、マルチタスクに強いことのふたつではないかと思います。

a.イナーシャがない

『「超」整理法』などで有名な野口先生は、文章を書くにはイナーシャを克服することが肝心だ、というようなことを言っています。

イナーシャというのは、物体の動きにくさみたいなものです。止まっている物体を動かすのは、すでに動いている物体を動かし続けるよりも大きな力が必要です。

これと同じように、文章を書き出すためには大きなエネルギーが必要なのですが、書き始めてある程度勢いがつけば、その後はそんなに大変ではありません。

ですから、文章を書くためには、とにかく書き出すことを大切にすることが有効です。

Evernoteで文章を書くことには、イナーシャはほとんどありません。多少はありますが、無視できるくらい小さいです。

まず、Evernote for Windowsを立ち上げているなら、新しい文章を書き始めるためにしなければいけないことは、Ctrl+Nを押すだけです。これで新しいノートを作ることができ、そこに何かを書けば、書き始めることができます。ファイルの保存場所を考える必要もなければ、手をマウスに移動することすら必要ありません。

また、パソコンに触っていないときであっても、手元にスマートフォンさえあれば、思いついたことを、PostEverなどでEvernoteに投稿することができます。単語ひとつだけのメモであっても、そのノートが存在することによって、イナーシャは消え去ります。

b.マルチタスクに強い

『ザ・ゴール』は、マルチタスクはリードタイムが伸びるので効率的ではない、シングルタスクの方がよい、と説きます。

その理屈は正しいと私も思うのですが、私は、マルチタスクの方が好きです。特に、頭を使って文章を書くときは、その時の気分次第、そのときの自分のノリで、書き進める文章を選ぶ方がよいのではないかと感じています。

マルチタスク型とシングルタスク型、どちらがより生産的か?

Evernoteは、同時並行でたくさんの文章を書き進めるのが得意です。めちゃくちゃ得意です。理由はいくつかあります。

ひとつは、仕掛品の文章がたくさんあっても、それらをきちんと管理できることです。途中で放り出した文章も、ちゃんとそこにあります。

それから、保存のための操作が必要ない、というのも大きいです。ひとつの文章を書き進めて、気が進まなくて、別の文章に移ったとして、もともとの文章の保存を気にしなくても、ちゃんと保存されてます。

さらに、ひとつの文章から別の文章への乗り換えがスムーズだと言うこともも大きいです。リストビューでもサマリービューでもカードビューでも、該当のノートをクリックするだけで、一瞬にして、別のノートへの乗り換えができます。

Evernoteは、マルチタスクに、めちゃめちゃ強いです。現に、私は、ブログ原稿進行中のノートブック(「202.苗」のノートブック)の中に、書きかけの文章を300個以上入れてありますが、それで何も困っていません。

マルチタスクに強くて、めちゃめちゃな数の文章を同時並行で書き進めることができる、ということが、Evernoteの強みのひとつです。

(2) 自分なりに納得できる記事にできる

次に、Evernoteを使うと、記事の質が上がります。ブログ記事の質をはかる客観的な指標があるわけではないので何とも言えないのですが、私自身の感触としては、Evernoteを使って秋進めた方が、自分なりに納得できる記事にできる可能性が高まるように思います。

これは、Evernoteのテクノロジーによって、次の3つが可能だからです。

a.「まだだ」と思ったとき、安心して寝かせられる

ひとつめは、書きかけの文章を「まだだ」と感じたときに、安心して寝かしておくことができる、ということです。思考が進んだり、材料が集まったり、書く時間をじっくりとることができたりするときまで、待つ、ということが、安心してできます。

いいアイデアが浮かび、そのアイデアをブログ記事にしようとしても、いつもうまく書けるわけではありません。時には、待つことが必要です。

でも、待っている間に書きかけの文章データがどこかに行ってしまうと、書きかけのものは無駄になってしまいます。そうなると、なかなか安心して待てません。不完全でも、とにかく形にしてしまえ、となります。書きかけのデータが散逸するよりは、不完全でも形にする方がずっとましですから。

これに対して、Evernoteなら、書きかけの文章データがどこかに行ってしまうことは、ありません。Evernoteで文章を書くなら、書きかけの文章データは、ノートとして、ずっとそこにあります。なくなりません。

ですから、自分が「まだだ」と思ったら、安心して待てます。熟するまで、寝かすことができます。

b.「まとまらない」と思ったとき、簡単に分解できる

ふたつめは、書きかけの文章が「まとまらない」と思ったときに、簡単に分解できる、ということです。

以前、村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』と『国境の南、太陽の西』という小説にヒントを得て、『ねじまき鳥クロニクル』→『国境の南、太陽の西』文章作成術、というものを考えました。

『ねじまき鳥クロニクル』→『国境の南、太陽の西』文章作成術

これは、ある文章を書いているときに、テーマが大きすぎたり難しすぎたりするために文章がまとまらないときに、まとまらない部分を別の文章として切り出して、残りの部分と切り出した部分をそれぞれ別々の文章として仕上げる、という文章作成術です。

Evernoteなら、この『ねじまき鳥クロニクル』→『国境の南、太陽の西』文章作成術が容易です。「まとまらない」と感じたら、その文章の筋からして収まりがつきにくい部分をカット(Ctrl+X)して、別の新しいノートを作成し(Ctrl+N)、その新しいノートに収まりがつきにくい部分をペースト(Ctrl+V)すればよいだけです。

ブログ記事の原稿を書くなら、Evernoteが一番。アイデアを、素早くキャッチし、気長に育てる。

「まとまらない」と感じたときに、収まりの悪い部分を別の文章に独立させると、元々の文章の筋道がクリアになる上に、もうひとつの新しい文章を生み出すことができて、一挙両得です。

Evernoteなら、これをとても簡単に実現できます。

c.「関連するノート」に刺激を受ける

2013年にEvernoteに追加された機能のうち、もっともすばらしい機能は、「関連するノート」です。

「関連するノート」は、Evernoteでノートを開いているときに、ノートエディタの下に、ノートの内容からして何らかの関係があるノートを3つ、自分のノート全部から選び出してくれる機能です。

どんなアルゴリズムを使っているのかはわからないのですが、この関連度合いがはんぱありません。かなりピンポイントで3つを選んでくれます。

Evernoteでブログ記事を書いているとき、ちょっと行き詰まったら、この「関連するノート」を見てみると、いろいろ刺激を受けます。ときにはびっくりするような結びつきが生まれることがあります。

「関連するノート」に刺激を受けると、自分ひとりでは生み出せない価値を生み出せることがあります。

(3) Evernote自体が育つ

3つめの理由は、ちょっと違った観点です。Evernote自体が育つ、ということです。

私は、Evernoteを育てるのが好きです。いろんなことにEvernoteを使うことで、Evernoteが育っていくこと自体が、とてもおもしろくて、うれしいです。

ブログ記事をEvernoteで書けば、それだけで、いつの間にか、Evernoteに自分の知恵が蓄積されます。これによって私のEvernoteは育つはずです。

Evernote自体が育つことも、Evernoteでブログ記事を書く理由のひとつです。

Evernoteを育てる

いつの間にか知恵が蓄積されている

3.Evernoteは、何かを創造するために使うと、力を発揮する

Evernoteは、「すべてを記憶する」サービスです。でも、Evernoteを記憶補助装置としてのみ利用するのは、もったいないです。

Evernoteは、何かを創造するために使うと、力を発揮します。私にとっての創造は文章なので、私自身は文章を創造するためにEvernoteを使っていますが、文章に限らず、何かを創造するために使えば、存分にその力を発揮してくれるはずです。

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