Evernote Educationを妄想する
公開日:
:
Evernote
目次
1.名付けてEvernote Education
(1) Evernote Businessを、授業単位で使えたら、おもしろい
先日、Evernote Businessを説明するセミナーを受けて、Evernote Businessはなかなかよいなと感じました。
Evernote Businessのセミナーに参加した収穫を共有するためのエントリ(2013/11/26@名古屋)
ところで、私は、大学で講義を持っているのですが、大学の講義ノートをとるためのツールとして、Evernoteは最適なサービスのひとつだと思っています。
Evernote×大学の講義。講師の立場から考える「Evernoteで講義ノートをとる方法」
このふたつを組み合わせたことができるとおもしろいなと感じました。つまり、Evernote Businessの機能を、ひとつの講義を履修しているメンバー(講師と受講生)とで使える、といいな、と思いました。
名付けて、Evernote Educationです。
(2) Evernote Educationのイメージ
私は、後期2単位の講義を担当しています。受講生は10名程度です。この講義を例に、Evernote Educationのイメージを説明します。
私の講義に履修登録してくれた学生に対して、9月から翌年3月までの半年間、私を管理者とするEvernote Educationのアカウントを与えます。そして、メンバーの間で、Evernote Businessのビジネスノートのような、たとえば「教育ノート」という共有ノートブック群を共有します。
こんなEvernote Educationがあると何ができるのか、また、Evernote Businessとの違いはどんな点なのか、勝手に妄想します。
2.Evernote Educationで何ができるか(Evernote Businessを前提に)
(1) レジュメ・資料の配布は、Evernote経由
Evernote Educationがあれば、講師は楽です。レジュメや資料の配付をするときは、Evernote Educationの教育ノートの中に、新しいノートを作って、レジュメと資料を添付するだけです。ノートにそのままレジュメを書き込んでも問題ありません。
受講生も楽です。Evernoteを同期すれば、自動的に、その日のレジュメと資料が自分のパソコンにダウンロードされます。わざわざウェブシラバスにログインして資料をダウンロードする必要がありません。
(2) 講義ノートや音声・動画・板書を共有し、蓄積する
Evernote Educationを使った講義の場合、受講生は、Evernoteで講義ノートをとることが推奨されます。そして、可能な限り、その講義ノートは、教育ノートとして全員で共有されます。私の講義なら、ひとつの講義のたびに、受講生10人分のノートが共有されます。
また、講師も、講義の補足や言葉足らずだったところを、講義ノートとして共有します。講義で扱った例題の解答例を共有するのもよいです。
講義を録音した音声ファイル、録画した画像ファイル、また、板書を撮影した画像なんかも、全部共有してしまえば、復習にとってこの上ない条件が整います。
Evernote BusinessとおなじようなEvernote Educationなら、アップロード制限を気にする必要はありません。
(3) Know Who機能は、可能性を感じる
Evernote BusinessのKnow Who機能があれば、あるテーマについて、誰が詳しいかをEvernoteが教えてくれます。
講義ノートを共有したり、講義ノートではない自習まとめノートを共有することで、講義のテーマのどれかについて、受講生の方が講師よりも詳しくなる、という事態だって、十分に予測できます。
講義における重要なテーマをあらかじめ受講生に示した上で、そのテーマでKnow Who機能を使ったときに誰が表示されるかを講義内で発表すれば、受講生は、自ら進んでそのテーマについての教育ノートを充実させるのではないかと思います。
もっと進んで、Know Who機能を単位認定の加点要素として使うのもよいかもしれません。
(4) レポートも、小テストも、Evernoteで
レポートや小テストにEvernoteを使うこともできるかもしれません。
受講生は、レポートをパソコンで作りますので、レポートはWordやPDFなどの電子ファイルです。これをわざわざ紙にプリントアウトさせる必要もないので、WordやPDFのまま提出させればよいわけです。
ウェブシラバスへの添付ファイルだと、レポートを採点するためにダウンロードしなければいけないので面倒ですが、Evernoteの教育ノートで共有するなら、ダウンロードの手間がないので、講師は楽です。
また、講師は、レポートを提出されたノートそのものに講評や評価を書き入れることで、すばやく、手軽に、受講生にレポートのフィードバックを返せます。
さらに、受講生が、別の受講生が提出したレポート及びそのレポートに対する講師の講評を、互いに共有することもできます。
また、講義中にEvernoteで小テストの問題を公開して、Evernoteに小テストの回答を作ってもらう、という方法もありそうです。試験終了後、すぐに採点ができることや、受講生間で他人の回答を採点しあうことなどもできて、柔軟な教育方法が可能になりそうです。
3.Evernote EducationとEvernote Businessの違い
Evernote Educationは、Evernote Businessと同じ機能で十分なのですが、こんな機能があるとよいな、ということもあります。また、Evernote Businessほど高機能じゃなくてもよいので、料金も考慮されてるといいなと感じます。こんな感じです。
(1) コメント機能、評価機能
教育に力を発揮するシステムであるためには、コメント機能と評価機能があるとよいなと感じます。
a.コメント機能
コメント機能は、あるEvernoteノートに対して、コメントを追加できる機能です。ノート本文にコメントを書き入れる形ではなく、コメントを独立のフィールドとして管理できるとよいなと感じます。SNSのような感じで。
コメント機能があれば、ノート内容そのものをいじることなく、そのノートについて評価を加えたり、質問をやりとりしたりできます。講師と受講生のやりとりや、受講生間のやりとりのために、便利に使えそうです。
b.評価機能
ノートに評価をつける機能があるとよいです。個々のノートに数字のポイントをつけた上で、ノートのオーナーごとの累計獲得ポイントを一括で把握できるとおもしろいなと思います。
これがあると、講義ノートや自習まとめノート、レポートノートなど、受講生が作成したあらゆるノートに講師がポイントをつけていくことで、半期を通じて、誰がどれくらいのポイントを取得したかを確認できます。
受講生のモチベーションにも使えそうですし、単位認定の加点要素にもできそうです。
(2) 半年単位での追加・削除を簡単にできる仕組み
Evernote Eductionの単位は、講義ごとです。受講生は、半期単位で入れ替わります。そのため、半期単位で、受講生を追加・変更するのが簡単な仕組みがよいです。
また、Evernote Businessの場合、Businessアカウントから抜けてしまうと、個人のノートブックにビジネスノートは残りません。しかし、講義ノートは、受講生個人のノートブックに残ってほしいので、Evernote Educationの場合は、Educationアカウントから抜けても、教育ノートが個人のノートブックに残るようになればよいと思います。
(3) acメールアドレスで認証&アカウントにメールアドレスを追加
学生かどうかの認証は、大学から発行されるacメールアドレスによるのが無難ではないかと思います。
他方、すでにEvernoteを使っている受講生が、大学から発行されたメールアドレスをEvernoteに登録していることはまれではないかと思います。
となると、既存のEvernoteアカウントに、大学から発行されるacメールアドレスを追加登録する仕組みが必要になりそうです。
(4) Evernote Educationは無料だといいな
こんなEvernote Educationですが、料金は無料だとよいなと、虫のよいことを祈っています。Google Appsが教育機関向けに無償で提供されているように、Evernote Educationも、学生向けに無償で提供されないかなあ。
その場合、Evernote Businessで確保されているほどのアップロード容量は必要なければ、稼働率保証とかサポートの充実も全然不要です。個人のプレミアムプランよりも下でもよいと思います。
ひとつの講義で徹底的にEvernoteを使えば、Evernoteの魅力と威力に衝撃を受ける学生は、一定数、存在するはずです。これらの学生のうちの相当数は、その後、Evernoteの愛用者になるんじゃないかと思います。なので、そんなに無理なお願いではないかと思うのですが、Evernoteさま、いかがでしょうか。
4.おわりに
以上、Evernote Educationを勝手に妄想してみました。
妄想していると、なかなかおもしろそうだなと感じ、やってみたくなりました。来年9月までにEvernote Educationが登場しなかったら(まあ、しないでしょうね……。)、自腹を切って、Evernote Businessのアカウントを使って、勝手にEvernote Educationをやってみようかなあ。
(受講生が10人だとすると、10人×6ヶ月×1100円=6万6000円ですね。。。うーん、どうしようかな。)
※追記※
と、ここまで書いてから、Evernote for Schoolsというものを知りました。Evernote Businessを、75%の割引価格で使える、というものだそうです。まあ、これがあるなら、無料で使えるEvernote Educationは登場しないかな。
スポンサードリンク
関連記事
-
Evernoteで何をしたらいいの?と思ったときに参考になる、Evernote使い方実例は、Evernote公式ブログにたくさんある。
1.Evernoteは、自由なサービスだから、何をするといいかわからない (1) Evernoteは
-
カオスに陥ったEvernoteのタグを、ごそっと削除する方法
1.Evernoteのタグが、カオスに陥っていた (1) Evernoteのタグ、活用してますか?
-
体験を深める手段として、Evernoteを使う。「深めたい体験をEvernoteに記憶させる」という方針。
1.Evernoteに体験を記憶させると、結果として、体験が深まる (1) Evernoteの強み
-
アナログでの思考を、Evernoteに集め、アウトプットにつなげる
1.はじめに 近頃の私は、しばしば、スターバックスで昼ご飯を食べます。1時間の昼休みをフルに使い、
-
Evernoteのノートブックを整理した結果の記録(2014.6段階)
1ヶ月ほど前から取り組んでいたEvernoteの整理が、一段落しました。 今回、Evernoteを
-
全体としてひとつの流動的な有機体であるか否か(Evernoteとプロセス型アウトライナーの思想のちがい)
1.はじめに 「Evernoteとアウトライナーの融合は可能か?」というテーマを考察した、この記事
-
ブログ記事の原稿を書くなら、Evernoteが一番。アイデアを、素早くキャッチし、気長に育てる。
1.Evernoteでブログ原稿を書くと、何がよいか このブログの原稿は、基本的には、すべて私のE
-
WorkFlowyに書き込んだ内容を自動的にEvernoteに蓄積し続ける仕組み(差分メール転送とRSS&IFTTT)
1.フローのWorkFlowy、ストック&アーカイブのEvernote たとえばブログなどに
-
文章をアウトプットする仕組み
1.インプットとアウトプットとの関係 情報との接し方には、インプットとアウトプットがあります。ひとつ
-
WriteNoteがアップデート! Android版FastEver的な活躍をしてくれます。
1.WriteNoteに、すばらしいアップデートがきました。 (1)WriteNoteとは Wr