Evernote×日記。書き続ける仕組み、リターンを大きくする工夫。
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Evernote
1.Evernoteで日記を書く
私にとって、日記を書く習慣は、もっとも大きなリターンを得ている習慣のひとつです。
日記を書き始めて、10年になります。最初の8年間は高橋書店が出している素っ気ない日記帳にペンで書いていたのですが、2年ちょっと前からEvernoteに書いています。
紙の日記帳+ペンで書いていた8年間と、Evernoteで書いている2年間を比べると、Evernoteで書く方が、日記からのリターンが大きくなったように感じます。Evernoteは、日記を蓄積するための道具としても、優れています。
ただ、Evernoteで日記を書くには、ふたつの注意点があるように思います。
ひとつは、Evernoteで日記を書く場合、毎日欠かさず書くという点で、紙の日記帳よりも動機付けが弱いです。紙の日記帳なら、あらかじめ日付け入りのスペースがあるため、書いていない日があれば一目瞭然ですが、Evernoteはそうではありません。そこで、ここを補う必要があります。
もうひとつは、Evernoteで書く日記から得るリターンの点です。Evernoteは自由なサービスなので、Evernoteで日記を書く方法の選択肢は数限りなくあります。そのうちどの方法を選択するかによって、Evernoteで書く日記からのリターンの大きさは、変わるように思います。Evernoteで日記を書くなら、リターンを大きくするための工夫をすることが望ましいです。
そこで、以下、Evernoteで日記を書くときの、
- Evernoteで日記を書き続ける仕組み
- Evernoteで書く日記からのリターンを大きくするための工夫
について、考えてみます。
2.Evernoteで日記を書き続ける仕組み
(1) 日付の枠を用意する
紙の日記帳と比べて、Evernoteの日記に毎日書き続ける動機付けが少ないのは、あらかじめ用意された日付の枠がないからです。
そこで、Evernoteに日付の枠を用意するのがよいです。日付の枠は、1日につき1つのノートにすることで用意するのが普通ではないかと思います。1日につき1つのノートを、1つのノートブックに集めれば、そこが、日付の枠になります。
1日につき1つのノートを作るには、次の4つの方法のいずれかが良いのではないかと思います。
a.毎日、手動で作成する
まず、アナログですが、毎日手動で日記ノードブックの中にその日のためのノートを作成する、という方法があります。
ノートタイトルを日付にすれば、日記ノートブックの中に日付のノートが並ぶので、日付が飛んでいればわかります。
b.アプリで作成する
次に、アプリを使ってスマートフォンから作成する方法があります。
シンプルにやるなら、PostEver(iPhone、Android)やWriteNote Pro(Android)などのメモアプリ。これらのアプリなら、その日の日付けノートにどんどん追記できるので、便利です。
iPhoneなら、えばろぐという、まさにEvernoteに日記を書くために存在するようなアプリもあります。
c.ツイエバを使う
ツイエバは、1日分のTwitterをEvernoteに保存してくれるサービスです。
このサービスを使うと、自分のEvernoteの中に、自動的に、1日分のTwitterを集めたノートができます。このノートを、そのまま、日記ノートにする、という手もあります。
Twitterには、その日一日のいろいろな情報が含まれています。そのため、それを核にして、そこに日記を追加していくという使い方は、Twitterでいろんなことをつぶやいている場合は、有効です。
d.Googleカレンダーのその日のページをウェブクリップする
Googleカレンダーのその日のページをウェブクリップして、そのノートに日記を追記する、という方法もあります。
Googleカレンダーのスケジュールを、現実の行動にあわせて修正する習慣を持っているなら、その日の夜にGoogleカレンダーに表示されているのは、「実績」になります。これをウェブクリップすれば、その日の自分の行動を視覚的にわかりやすく表現したノートができあがります。そこに文章で日記を追加すれば、立派な日記ノートの完成です。
また、その日の「予定」で良いなら、Googleカレンダーのメール通知機能が利用できます。メールの送信先をEvernoteのメールインポート用アドレスにすれば、毎朝、自動的に、その日の予定を記載したノートが、Evernote上に生成されます。あとは、このノートに文章で日記を追記するだけで、日記が完成します。
(2) 短時間で書ける内容に絞る
Evernoteで書く場合に限らず、日記を毎日書き続けるコツのひとつは、日記を書くためのコストを下げることです。
いちばん問題にしなければいけないコストは、時間です。1日分の日記を書くのに30分も1時間もかかっていては、毎日書き続けるのは至難の業です。5分10分で書けないと、なかなか続きません。
1日分の日記を5分10分で書くためのコツは、日記に書く事項を、5分10分で書ける内容に絞ることに尽きます。
このためには、あらかじめ書く内容を決めておくのがいちばんです。たとえば、4行日記は、この発想です。
(3) すき間時間を使って書く
紙の日記帳に書く場合と比べて、Evernoteに日記を書くときの強みは、すき間時間を活用できるところです。
まず、スマートフォンから書くことができます。また、パソコンから書く場合でも、すき間時間に日記帳を開くのはちょっとやりづらいですが、すき間時間にEvernoteの日記ノートブックを開くのは簡単です。
この強みを活かすには、すき間時間に少しずつ日記を書く、という行動様式を取り入れることです。
紙の日記帳に書く日記は、落ち着いた環境で少しのまとまった時間(といっても5分、10分ですが)を確保して、書くのが普通です。でも、Evernoteに日記を書くときは、ちょっとずつのすき間時間で少しずつ書く、という発想の方がよいと思います。
3.Evernoteで書く日記からのリターンを大きくする工夫
日記を書くのは、そこからのリターンを得るためです。何のリターンもないなら、日記を書く意味はありません。
ただし、ここでいうリターンには、有形無形、いろんなものがあります。書くことで心が落ち着くというのも、立派なリターンです。
いずれにせよ、それなりの時間を費やして日記を書くのですから、できる限りリターンを大きくするように工夫する必要があります。
Evernoteなら、いろんなことができます。ちょっとした工夫でリターンを大きくできるのではないかと思います。私が試行錯誤していることを、いくつかご紹介します。
(1) リターンを大きくすることを書く
日記からのリターンの大きさは、日記に何を書くかに、大きく依存します。そのため、何を書くかはとても大切です。
Evernoteのノートには、実質、無制限に何でも追加できますので、書く内容を増やすことは、どこまででも簡単にできます。他方、たくさんのことを書くことにすると、毎日書き続けるためのハードルが上がります。
また、自分が日記からどのようなリターンを得たいのかによって、書いて意味のあることと書いても意味がないことがあります。
そのため、自分がどんなリターンを得たいのかという観点から必要最小限の項目を絞って(この際には、4行日記など、日記に関する書籍の提案が参考になると思います)、その日の気分次第で書くことを増やす、というのが良いのではないかと思います。
(2) ウェブクリップ、メール転送、アプリを活用して、文章以外を追加する
Evernoteに入れられる情報は、テキストだけではありません。画像も音声も動画も各種ファイルも入れられます。これらをうまく活用すると、日記からのリターンが増えるかもしれません。
しかし、毎日のことなので、手作業でいろんなファイルを追加するのは大変です。
ここで使えるのは、ウェブクリップ、メール転送、アプリです。
たとえば、講演会に出かけたとして、その講演会の案内をウェブクリップして、そのウェブクリップのノートを日記にしてしまう、という方法があります。
同じ例で、講演会の案内メールをメール転送でEvernoteに放り込んで、そのノートを日記にするのでもよいです。
また、スマートフォンのアプリ(Evernote公式アプリやその他のアプリ)を使えば、スマートフォンで撮影した写真・動画、録音した音声ファイルを、簡単にEvernoteに追加できます。これらアプリで追加したノートに追記して日記にする、というのもよいと思います。
(3) Evernoteで日記を読み返す
日記のリターンを大きくするいちばんの方法は、日記を読み返すことです。Evernoteで日記を読み返すために、私は、以下の工夫をしています。
a.日記ノートブックへのアクセスをよくする(ショートカットやアプリ)
日記ノートブックへのアクセスをよくすることは、日記を読み返すための基本です。
アクセスをよくするためには、まず、Evernote内で、日記ノートブックをショートカットに登録することです。また、特定のノートブックに素早くアクセスするためのアプリが存在しますので、そららのアプリを活用するのもひとつです。
b.関連するノートやGoogle検索
Evernoteならではの読み返し方は、「関連するノート」とGoogle検索時のEvernote内検索です。
別のノートを開いているときに「関連するノート」として過去の日記ファイルが表示されたら、(時間に余裕があるなら、)少し時間をとってその日記ファイルを確認すると、思わぬヒントが得られるかもしれません。
Google検索をしたときにEvernote内の検索結果を表示する機能を利用しているなら(Evernoteウェブクリッパーの機能)、Google検索のときに、過去の日記ノートが出てくることもあります。
c.週次または月次で、時間を確保する
過去の日記を読み返す時間をあらかじめ確保することにも、大きな効果があります。GTD的に週次レビューをしているなら、そのときに、過去1週間分の日記をざっと読み返すとよいです。
Evernoteで過去の日記をまとめて読み返すときは、まとめのノートみたいなのを作るのもよいです。気になったことだけをコピペして別のノートに転記しておくだけでも、よい振り返りになります。
4.Evernoteと日記は、相性が良い
Evernoteで日記を書き続けて2年になりますが、Evernoteと日記は、相性が良いなと感じます。これには、ふたつの意味があります。
ひとつは、日記を書くための道具として何がいいんだろう?と考えたときに、Evernoteというのが良い選択肢になる、ということです。Evernoteには、日記を書きためるために必要な機能がひととおり揃っています。
もうひとつは、Evernoteを何に活用できるなろう?と考えたときに、日記を書くというのが、良い選択肢になる、ということです。日記は、Evernoteが持っているいろんな特長(クラウドであることとか、検索機能とか、関連するノート機能とか)の力を引き出せるタイプの行為です。
ですから、私としては、日記を書くための道具を探している人にはEvernoteをおすすめしたいですし、Evernoteをなにかに活用したいなあと考えている人には日記を提案したいと思ってます。
Evernoteで日記、よろしければ、試してみてください。
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