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docomoのAndroidからauのiPhoneへ移行するための課題を検証する【後編・OS編】

公開日: : スマートフォンの使い方

1.はじめに

目下の私のテーマは、「docomoのAndroidからauのiPhoneにMNPで機種変更するのはどうか?」です。docomoのAndroidからauのiPhoneにMNPで機種変更することのいろいろを、ひとつずつ考えています。

これまでに、次の2点がわかりました。

  1. 私がdocomoのAndroidで利用しているクラウドサービスとアプリは、auのiPhoneでも、基本的には、同じような使い勝手で利用できそうだということがわかった(docomoのAndroidからauのiPhoneへ移行するための課題を検証【前編・クラウドサービス×アプリ編】
  2. 私がdocomoから提供されているキャリアサービスは、auから提供されているサービスで、おおむね代替可能だということがわかった(docomoのAndroidからauのiPhoneへ移行するための課題を検証する【中編・キャリアサービス編】

3点目の検証テーマは、OSの違い、AndroidとiPhoneの違いです。私が気に入っているAndroidの機能のうち、iPhoneでは使えない機能3つに着目して、それぞれについて、どのようにしたらよいか、考えます。

なお、私が気に入っているAndroidの機能のうち、iPhoneでは使えない機能3つは、以下の3つです。

  1. Androidは、日本語入力システムを、ATOKにできる
  2. Androidは、インテント(共有)という、アプリ間でデータをやりとりする仕組みを持っている
  3. Androidは、ウィジェットが使えるから、スケジュールとタスクを表示しておける

2.Androidのお気に入り機能が果たす役割を、iPhoneでどのように実現するか

私は、現在、Androidが持ついくつかの機能を大変気に入っていて、便利に使っているのですが、そのうちの少なくとも3つは、iPhoneでは実現できません。これをどうするか、です。

(1) ATOK for Android

a.Androidには、ATOK for Androidがある

Androidは、日本語入力システムを選ぶことができます。そして、Android用の日本語入力システムには、ATOK for Androidがあります。ATOK for Androidが存在することは、これだけでAndroidを選ぶ理由になるほどの、Androidの強みです。大げさに言えば。

これに対して、iPhoneは、日本語入力システムを選択することができません。iPhoneで使用できる日本語入力システムは、基本的には、iPhoneデフォルトの日本語入力システムです。ATOK for iOSは、存在しません。

ATOK for AndroidとiPhoneデフォルトの日本語入力システムを比較すると、次の3点で、ATOK for Androidの方が優れています。

  1. 左右のカーソルがついている
  2. フリック入力の設定ができる
  3. たぶん、変換が賢い
(a) 左右のカーソル

ATOK for Androidには、カーソルを左右に移動するためのボタンがついています。日本語入力システムなら当たり前のような気がするこの機能ですが、iPhoneの日本語入力システムには、ついていません。

iPhoneの日本語入力システムは、画面をタップすることによって、カーソルを目的の場所に移動する、という操作を推奨しているようです。確かに、タッチパネルというインターフェースですから、理屈では、目的の場所をタップすることによってカーソルを移動させる、という方法が可能です。しかし、テキスト入力中のカーソル移動は、かなり細かい操作なので、タッチパネルだけで目的の場所に移動させることは、簡単ではありません。なかなか目的の場所にたどり着かず、何度もタップすることも、しばしばです。長押しして虫眼鏡を出してから画面をドラッグするという方法も用意されていますが、この方法も、それほど快適ではありません。

左右のカーソルがついていることが、ATOK for AndroidがiPhoneの日本語入力システムよりも優れているポイントの第一点です。

(b) フリック入力の設定

フリック入力は、iPhoneが世に広めた、大変優れた入力方法です。

ATOK for Androidは、フリック入力のしやすさの点でも、優れています。それは、自分の好みに合わせて、フリック入力に関する設定を変えられるからです。

私は、以下の3つを設定しています。この3つを設定すると、フリック入力は、さらに快適になります。

  1. トグル入力をオフにする
  2. フリックガイドの表示をオフにする
  3. フリック感度を調整する(少し感度を上げる)

フリック入力に慣れてきたら、この3つの設定がおすすめ(ATOK for Android) | 単純作業に心を込めて

(c) 変換の賢さ

Windows用のATOKは、変換の賢さに定評があります。たぶん、ATOK for Androidも、変換が賢いのだろうと思います。

b.iPhoneには、ATOK Padがある

iPhoneは、OS全体の日本語入力システムを選ぶことができません。しかし、iPhone用アプリの中には、アプリ独自の日本語入力システムを用意しているものがあります。そこで、あくまでもそのアプリ限定ですが、iPhoneデフォルトの日本語入力システムではない日本語入力システムを使うことも、一応は、可能です。

このような、独自の日本語入力システムをセットにしている代表的なアプリは、ATOK Pad for iOSです。ATOK Padは、ATOKという名前がついていますが、日本語入力システムではなく、メモアプリです。

iPhone/iPad用日本語入力アプリ ATOK Pad for iOS

http://dls02.justsystems.com/download/atok/ut/iphone/atokpadforios_iphone.pdf

ATOK Padは、独自の日本語入力システムを備えたメモアプリなので、ATOK Pad上でのテキスト入力には、ATOKの日本語入力システムを使うことができます。

また、ATOK Padは、他のアプリとの連携が用意されているため、ATOK Padで書いて、他のアプリにそのテキストデータを送る、ということが可能です。

そのため、一定程度は、ATOK Padを、日本語入力システムの代替として使うことができます。

他方で、ATOK Pad for iOSは、フリック入力感度の設定は、できないようです(トグル入力の設定と、フリックガイド非表示設定は、可能です)。また、すべての入力をATOK Padから行うことはできないため、やはり、OSの日本語入力システムとは違います。

c.結論

ATOK for Androidほど快適ではないけれど、ATOK Padでも、ある程度は補うことができそうな気がする。しかし、OSの日本語入力システムをATOKに変更できるAndroidの方が、日本語入力に関して快適であろうことは、間違いない。

(2) インテント(共有)によるデータやりとり

a.Androidには、インテントがある

インテント(共有)は、Androidが誇る画期的な機能です。あるアプリで共有マーク(「<」←こんなの)をタップすると、そのアプリが扱っている何らかのデータを、別のアプリに受け渡すことができます。

インテントを利用すれば、たとえば、以下のようなことが可能です。

  1. ブラウザアプリで閲覧しているページのページタイトルとURLをTwitterアプリに渡して、TwitterアプリでページタイトルとURLをつぶやく
  2. ギャラリーアプリで表示した画像データをLINEアプリに渡して、LINEアプリで友だちに画像データを送付する
  3. ボイスレコーダーアプリで録音した音声データをEvernoteアプリに渡して、Evernoteアプリで音声データ入りノートを作成する

インテントという機能によって、複数のアプリが、それぞれ自分の得意な分野を担当して、ひとつの作業を完成させる、というあり方が可能になります。データが、いろんなアプリ間を流れていって、最終的に何らかの目的を達成する流れは、Androidを使う醍醐味です。

b.iPhoneでは、アプリ間連携に対応したアプリと、URLスキームの活用

iPhoneには、インテントがありません。その代わりに使えるのは、アプリ間連携に対応したアプリと、URLスキームではないかと思います。

(a) アプリ間連携に対応したアプリ

iPhoneでは、アプリ間でのデータ受渡しは、アプリが、あらかじめ、アプリ間連携というものに対応している必要があるようです。他方で、アプリがアプリ間連携に対応していれば、アプリを横断してデータを受渡しすることが可能です。

たとえば、ATOK Padは、たくさんのアプリと、アプリ間連携に対応しています。

連携アプリ情報|iPhone/iPad用日本語入力アプリ ATOK Pad for iOS

実際のところ、アプリ間でデータをやりとりするのは、特定のアプリから特定のアプリという限られたパターンなのではないかと思います。ですから、Androidのインテントのような、一般的な共有の仕組みでなくても、よく使うアプリ間でアプリ間連携が使えれば、十分かもしれません。

(b) URLスキーム

iPhoneには、URLスキームというものがあるようです。

知っておくとiPhoneをもっと便利に使える「URLスキーム」とは? – たのしいiPhone! AppBank

URLスキームの機能のひとつは、「アプリにデータを渡す」ことらしいです。なので、これをうまく使えば、Androidのインテントと同じようなことを、iPhoneでも実現できるのかもしれません。

とはいえ、URLスキームについては、Appleのウェブサイトには何も情報がなく、よくわかりません。iPhoneに機種変更したら、ブログや書籍などで、ぼちぼち研究してみます。

c.結論

インテントが使えないのは、多少つまらない気がしますが、実際のところ、アプリ間でのデータ受渡しは、限られたパターンに収束されます。であれば、アプリ間連携機能も踏まえてアプリを選べば、アプリ間のデータ受渡しについて、不自由はないと思われます。

また、現時点で、私には、URLスキームを使って何ができるかがよくわかりませんが、URLスキームには可能性を感じるので、いろいろと試してみたいと思います。

(3) スケジュールとタスクのウィジェット

a.Androidには、ウィジェットがある

iPhoneは、ホーム画面におけるのは、アプリのアイコンか、アプリを収納したフォルダです。

これに対して、Androidは、ウィジェットという機能があります。これは、ホーム画面に、何らかの機能を持ついろんなものを置く機能です。

以前は、Android端末が総じて非力だったこともあり、ウィジェットを置くと、端末の動きが悪くなったり、バッテリーの消耗が激しくなったりしました。しかし、今のAndroid端末は、どれも高性能で十分なリソースを持っています。したがって、ウィジェットの真価を十分に引き出すことができます。

私が使っているウィジェットは、スケジュールのウィジェットと、タスクのウィジェットです。

スケジュールのウィジェットは、Business Calendarというアプリの、週表示バーチカルのウィジェットを使っています。

タスクのウィジェットは、Ultimate To-Do Listというアプリの、タスク一覧のウィジェットを使っています。

これによって、ホーム画面に居ながらにして、今週のスケジュールすべてと、現在の手持ちタスク20個程度を確認できます。

b.iPhoneには、通知センターがある

iPhoneは、ウィジェットが使えません。

このかわりになりそうなのは、通知センターです。ステータスバーを下に引くと出てくる通知センターには、自分が選んだいろんなアプリの通知を掲載することができます。ここに、カレンダーとタスクアプリを表示させれば、ある程度は、通知センターから、スケジュールとタスクを確認可能です。

もっとも、週表示バーチカルでスケジュールを確認したり、20個ものタスクを確認することは難しそうです。

c.結論

通知センターを使えば、少なくともその日のタスクを確認することは可能。アプリを起動せずに確認する情報量としては、それくらい確認できれば十分だろうから、不便はない。

3.まとめ

Androidで気に入っている3つの機能(日本語入力システム、インテント、ウィジェット)については、iPhoneにも代替となる機能が用意されているといってよいと思います。

ただし、使い勝手が若干下がることは、否めないかなあ、という印象です。

もっとも、iPhoneを日常的に使うようになれば、AndroidにはないiPhoneの魅力をいろいろと感じるでしょうから、総合的に見れば、使い勝手が下がることはないのではないかと予想します。

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