ブログは、ひとつの記事をひとりの読者に届けるための限界費用が、おそろしく低い
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最終更新日:2013/05/15
ブログ
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1.ブログによる情報発信と紙による情報発信は、属する世界が違う
WordPressによるブログを1年とちょっとやって感じるのは、ブログによる情報発信は、紙による情報発信とは、まったく別の世界に属するのではないか、ということです。
(1) 紙による情報発信は、紙という物理的なものに制約される
ブログやインターネットが一般的になる前は、個人が情報を発信しようとすれば、紙を使うのが普通だったのではないかと思います。どんな紙を使うかは、情報発信をする個人の性質によって、パンフレットだったり、チラシだったり、ニュースレターだったり、書籍だったり、いろいろですが、いずれにせよ、紙だったと思います。
紙を使った情報発信は、紙という物理的なものに制約されます。たとえば、掲載できる情報は、紙のスペースに制約されます。情報を届けることができる範囲は、紙を届けることができる範囲に制約されます。情報を届ける人の人数は、紙の枚数に制約されます。
(2) ブログによる情報発信は、紙という物理的なものの制約は受けない
紙による情報発信が、紙という物理的なものの制約の範囲内での情報発信であるのに対して、ブログによる情報発信は、紙という物理的な制約は受けません。紙を使わないのだから当然なのですが、紙的な制約すら、何もうけません。
まず、紙面の制限によって情報量が制約されることがありません。次に、情報を届けるために、物理的な何かを運ぶ必要がないため、届けることのできる範囲の制約がありません。そして、ひとつのページを同時に複数人が別々の場所から読むことができるため、コピーした枚数による制限がありません。
紙による制約を受けないことによって、ブログによる情報発信は、同じ情報発信でも、紙による情報発信とは、まったく別の世界に属します。
2.ブログの強みは、ひとつの記事を読者に届けるための限界費用が、おそろしく低いこと
(1) 紙とブログの限界費用
紙による情報発信と比較したときの、ブログによる情報発信の強みは、この、紙という物理的な制約を受けないことにあるのではないかと思います。紙という物理的な制約を受けないために、ひとつの記事をひとりの読者に届けるための限界費用が、おそろしく低くなるからです。
紙による情報発信の場合、情報発信までの初期投資もさることながら、ひとつの記事をひとりの読者に届けるための限界費用が、それなりに発生します。ひとつの記事をひとりの読者に届けるためには、ひとつの記事分の紙面を用意し、ひとりの読者分のコピーを用意して、ひとつの記事を載せた紙をひとりの読者の手元に届ける必要があります。紙面を用意するのも、コピーを用意するのも、コピーを読者の手元まで届けるのも、コストがかかります。
ブログによる情報発信の場合、いったんブログを開設してしまえば、その後、ひとつの記事をひとりの読者に届けるための限界費用は、ごくわずかです。ブログに100個の記事を掲載するのと、101個の記事を掲載するのとで、ブログ維持費用は変わりません。そして、いったん公開すれば、こちらから何かを配達しなくても、人数分のコピーを用意しなくても、どこからでも、いっぺんに何人に対してでも、情報を発信することができます。
(2) だったら、どんどん書けばいい
ブログの強みは、限界費用の低さです。ひとつの記事を追加することについての限界費用も低ければ、ひとりの読者が増えた場合の限界費用も低いです。おそろしく低いです。
このブログの強みを十分に発揮するためには、書きたいことをどんどん書くのがよいのではないかと思います。ひとつの記事を追加する限界費用が低いので、たくさん書いても、追加費用がかかりません。また、ひとつのテーマを何度書いても、他のテーマの紙面を奪うことがありません。自分が書きたいテーマを書きたいだけ書くことが、ブログによる情報発信の強みを活かす道だと思います。
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