Let’s 家計簿を、Dropboxを使って、クラウド対応家計簿として使う(非公式・自己責任)
1.Let’s家計簿の紹介
我が家は、Windows上で家計簿をつけています。どのアプリケーションを使うのか、試行錯誤した結果、2年ほど前から、Let’s家計簿というシェアウェアに落ち着きました。使い始めて以降、気に入って、ずっと使っています。
Let’s家計簿は、Windowsに対応したシェアウェアで、価格は1575円です。画面構成は、Excelの表のような形です。自動入力機能が充実しているため、操作に慣れれば、快適に収支を入力することが可能です。また、入力したデータをいろいろな観点から整理して表示できるため、家計の状況を分析することもできます。
Let’s家計簿:Let’s家計簿 & Toys in a Box
2.Let’s家計簿に感じた課題
私は、Let’s家計簿を気に入っています。大変よいアプリケーションだと思います。これからも、Let’s家計簿を使い続けると思います。
しかし、「こうなったらもっといいのにな」という課題も感じています。それは、複数の環境で、家計簿データを共通に、Let’s家計簿を使用したい、ということでした。
今の私のパソコンライフは、クラウドサービスを中心に回っています。メールはGmail、スケジュールはGoogleカレンダー、タスクはToodledo、メモや原稿はEvernoteです。そのため、私は、複数のパソコンを使いながら、どのパソコンからでも、同じデータにアクセスすることができています。職場のデスクトップで下書きしたメールを、自宅据え置きのノートパソコンから送信することもできます。持ち歩き用ノートパソコンで途中まで書いたブログ記事を、自宅据え置きのノートパソコンで完成させ、ブログにアップすることもできます。
これに対して、Let’s家計簿は、Windows PCにインストールして使用するアプリケーションです。家計簿データの保存先は、基本的には、Windows PCのハードディスクです。そのため、Let’s家計簿に収支を入力するには、Let’s家計簿をインストールしたパソコンを立ち上げて、そのパソコンを操作する必要があります。Let’s家計簿を使うパソコンを、ひとつに決める必要があります。
家計簿の入力は、ひとつひとつの操作は簡単な単純作業だけれど、ためるとおっくうになる、というタイプのタスクです。そのため、ちょっとした空き時間を利用して、こつこつと片付けると、幸せになれます。しかし、Let’s家計簿を使うパソコンをひとつに決めなければならないと、そのパソコンを使える特定の状況でしか、Let’s家計簿を使うことができません。自然と、Let’s家計簿を立ち上げる機会が減り、そして、レシートはたまっていきます。
この点が、私がLet’s家計簿に感じていた課題でした。
3.Dropboxを使って、クラウド対応家計簿として使う方法(非公式・自己責任)
(1) Dropboxによる、Let’s家計簿のクラウド対応家計簿化
この課題はそれなりに重要な課題だったため、Let’s家計簿から、クラウド対応の別の家計簿アプリケーションまたはサービスに乗り換えることも検討しました。しかし、Let’s家計簿に匹敵する使い勝手のものは、今のところ、見つかっていません。
そこで、視点を変えて、Let’s家計簿をクラウド対応家計簿として使う方法はないかと考えました。試行錯誤の結果、Dropboxとの組み合わせなら、クラウド対応家計簿として使えることがわかりました。1週間くらい試していますが、今のところ、不具合は生じていないため、そのやり方をまとめます。
(2) 【重要】使用上の注意
この方法は、公式の方法ではありません。私が勝手にやっているだけです。
私は、Let’s家計簿がどのような仕組みで動いているのかは、知りません。なので、この方法が致命的な問題を抱えていても、私にはわかりません。
私がこの方法を紹介するのは、私の環境と私の使い方において、今のところ、私の場合はうまくいっているから、という一事によるものです。それ以上の裏付けは、何もありません。
ひょっとすると、この方法を行うことによって、家計簿データが消えてしまう可能性もあります。Let’s家計簿本体がおかしくなることは、ないとは思いますが、あるかもしれません。パソコンが壊れる可能性も、ないとは思いますが、よくわかりません。Dropboxの方に何らかの問題が生じる可能性もあります。
そんなわけなので、試す場合は、最低限、家計簿データのバックアップをした上で、自己責任でお願いいたします。
(3) アプリケーションのインストールと基本設定
まず、Let’s家計簿を使う複数のパソコンすべてに、必要なアプリケーションをインストールする必要があります。具体的には、DropboxとLet’s家計簿のふたつです。
a.Dropboxのインストール
Dropboxは、オンラインストレージだといわれていますが、要するに、複数のパソコン間でデータを同期するサービスです。データを同期させたいすべてのパソコンにDropboxのアプリケーションをインストールして、データを同期させたいフォルダを指定すれば、自動的に、複数のパソコン間で、そのフォルダの中のデータが同期されます。
この機能を使って、Let’s家計簿を使うすべてのパソコンで、Let’s家計簿が扱う家計簿データを同期します。そのため、Let’s家計簿を使うすべてのパソコンに、Dropboxをインストールする必要があります。
なお、Dropboxのアカウントを持っていない場合は、作る必要があります。無料アカウントで十分です。
Dropboxをインストールしたら、同期対象のDropboxフォルダの中に、Let’s家計簿用のフォルダを作ってください。ここでは、説明の便宜上、Let’s家計簿用のフォルダのパスを、「C:\Users\ユーザ名\家計簿」とします。
b.Let’s家計簿のインストール
Let’s家計簿はパソコンにインストールして使うアプリケーションなので、Let’s家計簿を使うすべてのパソコンに、Let’s家計簿をインストールする必要があります。
なお、Let’s家計簿は、1575円のシェアウェアですが、以下の通り、ユーザ登録者本人が、複数のパソコンにインストールして使うことができます。
■ライセンスについて
ユーザ登録者本人(以下、「本人」)が取得したユーザIDとパスワードを第三者に譲渡、販売することは出来ません。また、本人のライセンスキーを使って Let’s家計簿 を複数のPCにインストールし、本人以外の複数のユーザに使わせる行為は禁止します。必ずPCの台数分のライセンスキーを取得してください。また、1台のPCにインストールされている Let’s家計簿を本人以外の複数のユーザで試用する場合も同様にユーザごとにライセンスキーを取得する必要があります。
ただし例外として、本人の配偶者および本人から見て1親等以内の家族(以下、「家族」)が本人のライセンスキーを共有することを認めます。またこの場合、家族が所有する複数のPCに対して本人のライセンスキーを使用する事が出来ます。同様に、本人が所有する複数のPCに対して本人のライセンスキーを使用しても構いません。ただし、どちらの場合も利用者が本人またはその家族である場合に限ります。
(4) Let’s家計簿の設定
a.家計簿データが入っていないパソコンのLet’s家計簿の設定
最初に、現時点で家計簿データが入っていないパソコンで、Let’s家計簿のデータ保存場所の設定をします。
Let’s家計簿を開いて、家計簿選択メニューの下にある「家計簿データの保存先を変更する」を選びます。すると、「データの保存場所の変更」というダイアログが開きますので、「家計簿データの保存場所を変更」欄で、「このユーザのApplication Dataフォルダ内(推奨)」の下を選びます。すると、自分でデータ保存場所を選ぶことができます。
ここで、先ほどDropboxフォルダ内に作成したLet’s家計簿用のフォルダを選択します。つまり、「C:\Users\ユーザ名\家計簿」です。
そうすると、「データの保存場所の変更」ダイアログの「家計簿データの保存場所を変更」欄には、「C:\Users\ユーザ名\家計簿\Let’s家計簿\data」と表示されるはずです。
この表示を確認したら、「既存のデータを新しい場所に移動する(通常はチェックしたままにして下さい)」のチェックをはずした上で、「家計簿データの保存場所を変更する」をクリックしてください。
すると、そのパソコンのLet’s家計簿の家計簿データの保存場所が、Dropboxフォルダ内に変更されます。
これを、現時点で家計簿データが入っていないすべてのパソコンで行います。
b.家計簿データが入っているパソコンのLet’s家計簿の設定
最後に、家計簿データが入っているパソコンのLet’s家計簿を設定して、家計簿データを、Dropboxフォルダに移します。
手順は、途中まで同じです。「家計簿データの保存場所を変更する」を選び、「データの保存場所変更」ダイアログの「家計簿データの保存場所を変更」で「C:\Users\ユーザ名\家計簿」を選択します。すると、「C:\Users\ユーザ名\家計簿\Let’s家計簿\data」が表示されます。
ここからが、違います。家計簿データが入っているパソコンを設定するときは、「既存のデータを新しい場所に移動する(通常はチェックしたままにして下さい)」にチェックを入れてください。ここにチェックを入れたまま、「家計簿データの保存場所を変更する」をクリックします。
すると、家計簿データが、Dropboxに移動します。
これで設定は完了です。
ここまでやった後で、他のパソコンのLet’s家計簿を開けば、「登録されている家計簿一覧」に、最後に設定したパソコンで移動した家計簿が表示されると思います。
(5) 私が引っかかったポイント
a.登録されている家計簿一覧に、同期したはずの家計簿が出てこなかった
設定の順序によっては、「登録されている家計簿一覧」に、目的の家計簿が出てきません。私も、最初やったときは、でてきませんでした。
その場合は、「登録されている家計簿一覧」で、家計簿を新規作成した後、家計簿の名前を、同期する家計簿名と同じ名前にするとよいようです。
また、(4)で書いた順番(同期させたい家計簿データを現在扱っているパソコン以外のパソコンの設定を済ませた後、最後に、同期させたい家計簿を現在扱っているパソコンの設定をする、という順番)なら、「登録されている家計簿一覧」に、目的の家計簿が表示されるのではないかと思います。
b.Let’s家計簿のバージョンをそろえる
Let’s家計簿は、どんどんバージョンが上がっています。バージョンが上のLet’s家計簿で作成・編集した家計簿データを、バージョンが下のLet’s家計簿で開くことはできないようです。
当初、私がインストールしたLet’s家計簿のバージョンは、ずれていたようです。そのため、バージョンの新しいLet’s家計簿でデータを編集した後、バージョンの古いLet’s家計簿で再度そのデータを開こうとしたら、エラーメッセージが出ました。
対策は、複数のパソコンにインストールするLet’s家計簿のバージョンをそろえるだけです。ひとつのユーザIDがあれば、バージョンを上げることは無料でできますので、公式サイトの記載に従って、最新版にそろえるとよいと思います。
4.おわりに
複数のパソコンから家計簿入力ができると、家計簿入力のハードルが下がるため、こまめに家計簿入力を行うようになります。こまめに家計簿入力を行えば、家計簿と現実との齟齬が減ります。家計簿が正確に現実を反映するなら、家計簿は、パワフルな道具になります。
Let’s家計簿をクラウド対応家計簿にすることによって、私がLet’s家計簿から得ているメリットは、ますます大きくなりました。
とはいえ、これは非公式の方法であり、私が勝手にやっていることなので、いつデータが飛んでもおかしくありません。この点が、不安です。
また、この方法を使用しても、AndroidスマートフォンやiPadからLet’s家計簿にデータを入力することはできません。
Let’s家計簿は、今でも進化し続けているアプリケーションなので、いつか、正式にクラウドに対応するのではないかと思います。現に、現時点で、iPhone版の製作が進んでいるようです。
今後の進化を楽しみに待ちながら、正式にクラウド対応するまでの間は、とりあえず、この方法で、クラウド家計簿として活用させていただくつもりです。
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