「欲求の4タイプ」はどのように役立つか
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目次
1.『人生の法則 「欲求の4タイプ」で分かるあなたと他人』の感想とまとめ
岡田斗司夫氏の『人生の法則 「欲求の4タイプ」で分かるあなたと他人』を読みました。
(1) 感想
読んでよかったです。「欲求の4タイプ」は、納得できる分類でした。特に、他のタイプとの関係に関するふたつの法則(対角線の法則と有為劣位の法則)が秀逸でした。今後の仕事や私生活において、役に立ちそうです。
また、解説のための小説自体も楽しめました。
(2) 「欲求の4タイプ」とは
この本のポイントである「欲求の4タイプ」については、同氏の旧ウェブサイトにおける『人生の取扱説明書』で、かなり詳細に解説されています。
(『法則』と『取扱説明書』では、4つのタイプの呼称がちがっていますが、内容は同じだと思います。)
また、自分がどのタイプなのかのとりあえずの診断は、同氏が運営するウェブサイトで無料で簡単に行うことができます。
(3) 要約
同氏の基本的な主張を、私なりに、ちょっと乱暴に要約すると、以下の通りです。
1. 人間には、誰しも、欲求の偏りがある。この偏りは、(i)価値観の傾向の軸(外向的・他者的vs内向的・自己的)と、(ii)考え方の軸(具体的vs抽象的)によって、4つの象限に分類される(外向的&具体的、外向的&抽象的、内向的&具体的、内向的&抽象的)。
2.自分がどの欲求のタイプを持つのかは、自分では変えられないし、変える必要もない。
3.自分の欲求のタイプを把握して、自分の欲求に従えば、効率よく幸せになることができるし、人間関係も円滑に進む。
2.自分の欲求を把握することは、何にどのように役立つか
私が『人生の法則 「欲求の4タイプ」で分かるあなたと他人』で感じたことは、「欲求の4タイプ」は役に立つ、でした。どんなことのために、どのように役立つのでしょうか。
(1) かしこく充実感を得るための戦略として
まず、「欲求の4タイプ」は、かしこく充実感を得るために役立ちます。
欲求の4タイプは、自分が持っている根本的な欲求を把握するためのツールです。欲求の4タイプのうち、自分がどのタイプに属するのかをつかめば、自分が持っている根本的な欲求を把握することができます。
人が高い充実感を感じるのは、自分が持っている根本的な欲求が満たされたときだそうです。人間が感じる欲求はいろいろなものがあります。欲求が満たされれば、人間は充実感を感じます。しかし、どのような欲求が満たされたときでも等しく充実感を感じるわけではなく、自分の根本的な欲求が満たされたときに、人間は、高い満足感を感じます。
したがって、効率的に高い充実感を得るためには、自分が持っている根本的な欲求を満たすために、自分の資源を費やすことが、かしこい戦略です。欲求を満足させるためには資源が必要なので、コストパフォーマンスの高いところに資源を集中投下することが効率的です。
「欲求の4タイプ」によって、自分の根本的な欲求を把握できれば、同じ努力で、かしこく充実感を得ることができます。これが、「欲求の4タイプ」が役に立つ第一の点です。
(2)人間関係を円滑にするためのツールとして
次に、「欲求の4タイプ」は、人間関係を円滑にするためのツールとして役に立ちます。
「欲求の4タイプ」が単なる自己分析と一線を画しているポイントは、タイプ間の関係性を明確に法則化しているからです。
この法則は、対角線関係にあるタイプは互いの欲求を理解できないという対角線の法則と、隣り合うタイプとの関係が優位・劣位の関係にあるという優位劣位の法則から成ります。
自分のタイプを把握し、相手のタイプを理解すれば、自分と相手の基本的な関係性を自覚することができます。すると、その関係性の中で、自分がどう振る舞うとうまくいくのかが、一応、類型的に把握できます。結果、大筋で、人間関係が円滑になります。
人間関係を円滑にするためのツールとして役に立つ。これが、「欲求の4タイプ」が役に立つ第二の点です。
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