GoogleタスクからNozbeに乗り換え、結局、Toodledoに落ち着いている理由
1.私のタスク管理の変遷
(1)2010.11 Goolgeタスク導入
Androidを入手したのと同時に(2010.11)、スケジュール管理にGoogleカレンダーを使いはじめました。Googleカレンダーは、Googleが提供するToDo機能(Googleタスク)と連携しているため、インターネット上のToDo管理を使うようになりました。
(2)2011.8 Nozbe導入
その後、Googleカレンダーに不満を感じ、2011.8、Nozbeに乗り換えました。Nozbeを使い始めたとき、けっこう感動して、有料アカウントを1年分契約しました。
(3)2011.11 Toodledo導入
しかし、使っていると、致命的な弱点をいくつか感じてしまい、2011.11、Toodledoに乗り換えました。
現時点では、Toodledoにとても満足しています。
(4)2012.4に、変遷を振り返る意義
このような変遷を振り返り、なぜGoogleカレンダーからNozbeに乗り換えたのか、また、なぜNozbeからToodledoに乗り換えたのかを、振り返ってみます。
というのも、ここしばらく、TaskChute2がいいなあと思っているため、自分が何を求めてタスク管理サービスを利用しているのか、Toodledoを使い始めた理由は何で、今、Toodledoに、どのような課題を感じているか、を整理する必要があると思ったからです。
(Googleカレンダー、Nozbe、Toodledo共に、クラウドのウェブサービスなので、どんどん進化しています。私がGoogleカレンダーとNozbeに感じた若干の不足点は、そのうち解決されるのではないかと思います。
また、そもそも、ここで記載した比較は、私のライフスタイルにとって便利かどうか、という観点からの比較に過ぎません。)
2.Googleタスク
(1)Googleタスクとは
Googleタスクとは、Googleが提供しているToDoリストです。Gmail及びGoogleカレンダーと深く連携しているところが、最大の強みです。
Googleタスクは、シンプルなToDoリストであり、タスクをプロジェクトに分けたり、タスクにタグ付をしたりするための機能は、不十分だと思われます。
もっとも、複数リストをうまく使い分けることで、プロジェクト分けに近いことを実現されている方もいるようです。
私はGoogleのToDoリストをこんな風に使っています – プログラマーな日々
(2)Googleタスクの機能
a.Gmailとの連携
Googleタスクの強みは、Gmailとの連携です。
Gmailとの連携機能は、RTM、Nozbe、Toodledoにも備わっています。しかし、GmailとGoogleタスクは、まさに一体です。
Gmail の ToDo リストに関するよくある質問 – Gmail ヘルプ
b.Googleカレンダーとの連携
また、Googleタスクは、Googleカレンダーとも連携しています。GoogleタスクのToDoリストは、Googleカレンダーの中の特別なカレンダーとして表示されます。その日のToDoがカレンダーに表示されると共に、右側にToDoリストが表示されます。
c.大画面でGoogleタスク
Googleタスクは、Googleタスクのみを単体で、大画面で使用することも可能です。このように使えば、タスクをインデントによって階層化することも、容易にできます。
d.Androidアプリ
Googleタスクは、Googleのサービスだけあって、対応するAndroidアプリも豊富にあります。
私がGoogleタスクを使っていたときは、以下のアプリを使っていました。動作も軽く、同期も安定しており、よいと思います。
GTasks: To Do List | Task List – Google Play の Android アプリ
(3)私のGoogleタスク運用方法
私は、Googleタスクを、ToDoリストとして使っていました。案件の締め切りを忘れないための備忘録です。
プロジェクトごとにリストを作ると複雑になる上に、カレンダーへの表示もうまくいかなかったため、リストはひとつしか使っていませんでした。
しかし、そうなるとプロジェクト分けができないため、タスクの名前を、「プロジェクト名(略称)+タスク」という形で付けていました。(インデント機能を使おうと思ったこともありますが、「指定順序で並び替え」を使わないと、子タスク(個々のタスク)が、どの親タスク(プロジェクト)に属するのかがわからないため、不十分でした。)
パソコンからGoogleタスクを見るには、基本はGoogleカレンダー、ときどき大画面のGoogleタスクページを使っていました。GmailのToDoリストは、ポップアップがあまり好きではなかったので、使いませんでした。
(4)GoogleタスクからNozbeに乗り換えた理由
理由は3つです。
a.タスクのプロジェクト管理ができないこと
一番大きいのは、タスクのプロジェクト管理ができないことでした。私の仕事は、複数の案件が同時に走っていて、かつ、どのタスクがどの案件に属するかがかなり明確に分かれている、という特徴を持っています。そのため、私の仕事の場合、タスクをプロジェクトで管理することには、大きなメリットがありました。
しかし、Googleタスクは、タスクのプロジェクト管理が不十分でした。
b.タスクの共有ができないこと
Googleタスクは、タスクの共有ができませんでした。
c.タスクにタグを付けられないこと
Googleタスクには、タグ機能がありませんでした。タスクの性質に応じた分類や、タスクを実行する場面に応じた分類をすることができませんでした。
4.Nozbe
(1)Nozbeとは
Nozbeは、クラウドベースのタスク管理サービスです。GTDのプロセスを忠実に再現しています。
GTDのプロセスを忠実に再現したサービスなので、プロジェクトという概念があります。また、タスクにコンテキストを設定することができます。その他、GTDにのっとってタスク管理をする機能が豊富です。
(2)Nozbeの機能
a.ブラウザから
クラウドサービスなので、基本は、ブラウザからNozbeにログインし、使用します。
b.デスクトップクライアント
Nozbeには、デスクトップクライアントがあります。
c.Googleカレンダーとの連携
Nozbeには、Googleカレンダーとの連携機能があります。Nozbeカレンダーというカレンダーが作られ、Nozbeに登録した期日付きのタスクは、GoogleカレンダーのNozbeカレンダーに追加されます。また、逆方向の連携もあります。つまり、GoogleカレンダーでNozbeカレンダーに予定を追加すると、Nozbeにタスクが追加されます。
これは、Nozbeの優れた点だと思います。
d.iPadアプリ
Nozbeには、公式のiPadアプリがあります。
e.Androidアプリ
Nozbeには、公式のAndroidアプリがあります。
他方で、サードパーティによるNozbe対応のToDoアプリは、私がNozbeを使っていた2011.11までは、見当たりませんでした。
(3)Nozbeの運用方法
メインはパソコンのブラウザから使っていました。Nozbeのページを、常に開いておきました。
ただ、Googleカレンダーとの連携が便利だったので、Googleカレンダーから、タスクを確認したり、追加したり、していました。
プロジェクトでタスクを管理することがNozbeを使った第一の目的でしたので、プロジェクトだけは、きちんと登録しました。他方、コンテキストはめんどくさくて、あまり使っていませんでした。
Androidアプリも入れました。しかし、Androidアプリは、全然だめでした。強制終了が多発していましたし、同期もまったく信用できませんでした。
Googleカレンダーとの連携は、かなりお世話になりました。GoogleカレンダーからNozbeにタスクを追加できることがありがたかったです。AndroidのNozbeアプリが信用ならなかったため、外出先からは、Googleカレンダーを通じてタスクを追加しました。
(4)NozbeからToodledoに乗り換えた理由
しかし、いろいろあって、Nozbeを見限り、Toodledoに乗り換えました。理由は、以下の4点です。
a.動作が遅い
Nozbeは、動作が遅いです。
クラウドサービスなのである程度やむを得ないかなと思うのですが、それにしても、遅い。タスクにコンテキストや期日を追加するときに、ワンテンポ待つ必要があります。
そのため、タスクにいろいろな要素を追加することが、どうもおっくうになってしまいます。
b.同期が不完全
Nozbeに対する不満で一番大きいのは、同期が不完全であることです。
まず、Androidアプリの同期に問題があります。
次に、頼みの綱のGoogleカレンダーとの連携も、しばしば、追加されないタスクや、完了にならないタスクがありました。
多分、徐々に改善されていくのだとは思うのですが、「本当に同期できているのかな?」と不安に感じてしまうと、自分のタスクを安心して預けることができません。
c.一覧性がない
Nozbeのインターフェースは、かわいらしくて、見た目がよいです。しかし、反面、ひとつのタスクがしめる面積が大きいため、タスクの一覧性に欠けます。
e.タスクを要素で自動並び替えすることができない
Nozbeのタスクの並び方は、手動です。自分が好きなようにタスクを並べることができます。
反面、期日順や50音順、コンテキストの有無で、タスクを自動並び替えすることができません。
せっかくデジタルツールなのですから、素早くタスクを並び替えて、今行うべきタスクの一覧を見たいと思うのですが、それができません。
5.Toodledo
(1)Toodledoとは
a.Toodledoとは
Toodledoも、Nozbeと同じく、クラウドベースのタスク管理サービスです。
機能が豊富であることが特徴ですが、細かく設定することができますので、シンプルに使うことも可能です。ただし、Toodledoは英語のサービスなので、設定するのがめんどくさいのが玉に瑕です。
タスク管理サービスではかなりの老舗らしく、対応するiOS及びAndroidアプリが豊富であることもうれしいところです。
b.私の理解するToodledoの特徴
私が理解するに、Toodledoは、タスクのデータベースです。
ひとつのタスクにいろんなデータを付与することができます。また、付与したデータを基準にして、並べ替えたり、ピックアップしたり、といったことをすることができます。
Toodledoは、ひとつひとつのタスクに、「タスクの名前」「締め切り日」「コンテキスト」「締切日」「フォルダー」「タグ」「場所」などのデータを付与することができます。これらをどのように使うかは、ある程度ユーザーに委ねられているため、GTDのようなボトムアップ的なタスク管理に使うこともできれば、7つの習慣のようなトップダウン的なタスク管理に使うこともできます。
データベースなので、見た目は、Excelファイルのような表です。愛想はないですが、一覧性には優れています。
(2)Toodledoの機能
a.ブラウザから
クラウドサービスなので、ブラウザから使うのが基本です。
ブラウザからのUIは、若干愛想なしですが、一覧性もあり、並び替えも柔軟で、私は、とても気に入っています。キーボードショートカットも豊富です。
b.Androidアプリ
Toodledoには、対応するAndroidアプリがたくさんあります。
私が気に入っているのは、このアプリです。
- Ultimate To-Do List – Google Play の Android アプリ
- AndroidでToodledoを使う(1) Androidアプリ「Ultimate To-Do List」の紹介 « 単純作業に心を込めて
- AndroidでToodledoを使う(2) 「Ultimate To-Do List」の設定例をメモします。 « 単純作業に心を込めて
c.iPadアプリ
iPadアプリも豊富です。
私は、これを使っています。ただ、Ultimate To-Do listと比べると、どうも見劣りする気がしています。
e.Googleカレンダーとの連携
Toodledoには、Googleカレンダーとの連携機能もあるそうです。しかし、私は使っていません。どうもGoogleカレンダーの表示がごちゃごちゃする気がして、好きではなかったからです。
(3)Toodledoの運用方法
a.Fields/Functionsの取捨選択
豊富な機能がありますので、取捨選択するのが大切です。全部使おうとしないことがポイントだと思っています。
Toodledoを使う(1) 「Fields/Functions Used」の研究 « 単純作業に心を込めて
SettingsのFields/Functions Usedから、使用するフィールド・機能を選択することができます。私は、Folder,Context,Due Date,Repeat,Length,Tag,Status,Star,Locationを選択しています。
使っていないのもありますが、これだけなら、パソコンの画面に一度に表示できますので、いいかなと。
すべてのタスクに設定するフィールドは、Folderだけです。
b.パソコンの前にいるとき
Toodledoへのアクセスは、主に、パソコンのブラウザから行います。
Google Chromeのアプリケーションショートカットを作成して、使っています。
main表示を基本に、folder表示に切り替えながら使っています。main表示のソート順序などは、自分の使い方によって変わってくると思われるので、いろいろと試行錯誤するのが大切なのではないかと思います。
c.外出先
外出先では、Androidアプリからです。Ultimate To-Do Listに助けられています。
このアプリからなら、(おそらく)ほぼすべての動作を行うことができるため、タスクが発生したらすぐにToodledoに追加するようにしています。
d.家でのんびりしているとき
家でのんびりしているときにToodledoを見たくなったら、iPadのToDoからToodledoを確認しています。
ユーザーインターフェースが格好いいので、気分はよいです。
ただ、Ultimate To-Do Listに比べると、動作が遅いので、その点が少し物足りないです。
(4)Toodledoの気に入っているところ
a.同期が信頼できる
Toodledoは、同期が信頼できます。Toodledo単体のいいところというよりも、アプリのおかげかもしれませんが。
ウェブサービスというのは、対応するアプリによって、サービス全体の使い心地が大きく変わる、という一例かもしれません。
b.タスクの一覧性が高い
ToodledoのUIは、データベースそのものです。一覧性が非常に高いです。
c.タスクの並び替え・表示方法の変更が柔軟
Toodledoなら、タスクの並び替えを、自分好みに細かく設定できます。
また、main,context,folderなど、いくつかの表示が用意されており、その切り替えによって、素早く表示方法を変更できます。
これにより、その場面に応じたタスク一覧を表示させることが可能です。
(5)課題
このように、私は大変Toodledoを気に入っているのですが、若干の課題を感じています。以下の2つです。
a.タスクのログとしての機能
Toodledoは、完了したタスクをログとして見る機能が、少し弱いです。
完了したタスクはしばらくの間保存されているため、データとしては蓄積されているはずです。しかし、そのデータを表示する機能が少し弱い気がします。
b.プロジェクト数の問題
私は、Toodledoのフォルダをプロジェクトとして使っているのですが、私のプロジェクトの分け方だと、プロジェクト数は、50~100くらいになります。こんな数になると、一階層で管理するのは、けっこう大変です。
以下の4つの機能のうちのどれかがあれば解決するのになあと思っています。
- サブフォルダの機能(これによって、プロジェクトをグループ分けできる)
- フォルダにラベルを貼る機能(同じく、プロジェクトをグループ分けできる)
- フォルダ一覧の表示方法の改善(大画面でフォルダ一覧を表示するか、フォルダのソート機能を付ける)
- フォルダ検索機能(タスクにフォルダを追加するとき、文字を入力してフォルダを検索する機能(Nozbeにはあった))
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